わら

「乗りかけた船には躊躇わずに乗ってしまえ」 ツルゲーネフより。真髄。

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「乗りかけた船には躊躇わずに乗ってしまえ」 ツルゲーネフより。真髄。

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カメラは機械の癖に仕事をサボりがちだ。 恋人が撮っているかどうかくらいは 被写体の表情などから 安易に推測できてしまうからだ。 「誕生日おめでとう!今度飯行こうよ」 パリに住んでいた中学時代の同級生が 誕生日にLINEをくれた。 このときは僕が大学3年生、 彼が大学2年生のときだった。 僕はこいつが自分の誕生日に 毎年わざわざ文章を紡いでくれるのが嬉しい。 なぜなら彼はLINEを一言返すのに まずはメモ帳を開いて下書きを作り 何分も相手のことを考えた後に ようやく返

    • 元カノ

      10年以上のお付き合いになる。 横浜出身の音楽ユニット「K.K.」を 高校生のときから応援している。 理由はさておき彼らのファンは『K.K.O.』という。 「K.K.」は『K.K.O.』のプライベートな情報を たくさん知っているので側から見れば友達のようだが、その実、恋人関係にあると思う。 それを一番色濃く感じられたのは 2021年2月に突然告知された ファンクラブ(以下、FCという)の切り替えだったと思う。 新しいFCは画期的だった。 FCといえば従来はライブの

      • 『遊びに誘う』という行為が昔から苦手だ。 イエスやノーで答えられる質問は 相手の優先順位が見え隠れするからである。 僕の恋人は付き合う前から 感情が分かりやすい人だった。 駅の改札で待ち合わせをすると こちらを見つけるなり にこにこして駆け寄ってくる。 尻尾でもついているのかもしれない。 うれしいうれしいとぶんぶん振っているのが こちらにも伝わってきた。 そんな彼女を好きになったのは 初めて家に遊びに行ったときだ。 整理された部屋の中に、 お菓子のパッケージや雑貨が

        • 初めてつけられたキスマークは首筋だった。 どうやっても隠せない位置だったが、 幸いにも現在はGWのど真ん中。 上司と2人で働く翌日を除いては しばらくお休みである。 翌日を乗り切れば隠し切れると思った僕は 熟考の末、小さな絆創膏を貼って勤務先へ向かった。 オフィスのドアを開けると 出会い頭、3秒も経たない内に上司が気づいて 「首元の絆創膏はキスマークでもつけられたの?」とピンポイントに話を振ってきた。 「........。」 「虫に刺されたの?」 「ム、ムシニササレマ

          Memoriesに想いを寄せて

          8年間ツアーが発表されるたびにSHE’Sのライブに足を運んでいた2人だが、次のツアーが一緒に観戦する最後のライブになる。 ライブ中に眼と眼が合う瞬間が好きだった。 彼女はバンドマンからも匂いが好きだとか、可愛いと言われるのに、恋愛なんてちっとも興味がなさそうだった。でも身内が炎上しても前倣えして踊らされることはなく、正しいかどうかは自分で判断する。自分をしっかり持っている人だった。 そんな彼女がSHE’Sのライブに誘ってきたのは2016年の年明けに行われた『One-Tw

          Memoriesに想いを寄せて