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月刊「読んでみましたアジア本」

日本で出版されたアジア関連書籍の感想。時には映画などの書籍以外の表現方法を取り上げます。わたし自身の中華圏での経験も折り込んでご紹介。2018年までメルマガ「ぶんぶくちゃいな」(…
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2020年7月の記事一覧

【読んでみましたアジア本】「ピープルズパワー」はいかにしてドゥテルテを生んだのか:見市建、茅根由佳・編『ソーシャルメディア時代の東南アジア政治』

書名を見ればピンとくるだろう、今回ご紹介するのはいわゆる大学の先生たちによる学術研究論文集である。わたしがいちばーーーん、苦手とする種類の書籍だ。

苦手とする理由は、とにかく研究者の書く文章は仲間内でのシェアを考慮して書かれており、また仲間内で知られている条件をもとに「オレの見解では」をアピールするのが必須なので、その学者がどんな位置にあるのかはあまり興味なく、総体論を知りたい一般読者は読んでい

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200714 「現代ビジネス」寄稿:《「中国の香港政策に口出しするな」「植民地時代はもっとヒドかった」のウソ》

昨年以降、香港で起きているさまざまな葛藤を、「内政干渉はいやだから」「それでも祖国だから」「植民地時代が自由だったわけがない」といった独特の理由で拒絶する人たちがいます。

その人たちの多くが、日頃はリベラルな発言をする優等生であることが、そういう発言に同調する人たちを増やしています。だが、優等生にも知識不足や認識不足がある。そんな優等生的な発言にある誤解を解くために書きました。