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月刊「読んでみましたアジア本」

日本で出版されたアジア関連書籍の感想。時には映画などの書籍以外の表現方法を取り上げます。わたし自身の中華圏での経験も折り込んでご紹介。2018年までメルマガ「ぶんぶくちゃいな」(…
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2017年12月の記事一覧

【読んでみました中国本】2018年を前に読んでおきたい本

今年の「読んでみました中国本」でご紹介した11冊から、2018年の中華圏を味わうための準備運動として年末年始にお薦めしたい本を再録します。

今年は「中国本」といっても日本語になった小説を取り上げることが多かったことに、自分でもびっくりしました。でも、わざと小説に「逃げた」わけではありません。

以前から申し上げているように、わたしは成人してからほとんど小説を読むまなくなりました。とくに北京時代は

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【読んでみました中国本】現代から過去へ、香港のリマーカブルな時代をたどる推理小説:「13・67」陳浩基・著/天野健太郎・訳(文藝春秋)

先週、「『英雄本色』が放映3日間で興行収入2017万人民元(約3億4000万円)となった」という記事が中国の新聞に流れていた。

香港映画「英雄本色」は1986年、今では世界的な名監督の1人となったジョン・ウー(呉宇森)の出世作である。日本では「男たちの挽歌」というタイトルで、1987年で公開された。

日本では劇場公開後にビデオになってからこの映画はバカ売れした。ちょうど公開時にわたしは仕事を辞

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