結局ミネラルウォーターってわんこにいいの?
突然ですが、よく獣医さんは「お水は水道水をあげてね」と言っていると思います。
あるいは、ミネラルウォーターは害があるからダメだと。
単にダメと頭ごなしに言われても、その理由をきちんと把握していない限りは応用が利かなくなってしましますので、きちんとこの場で理解を深めましょう。
水の種類について
まず水には軟水、硬水の2パターンあります。
このふたつはカルシウム、マグネシウムの含有量の違いで、
日本では
軟水:100mg/L 未満
硬水:100mg/L 以上
となっています。
一見栄養素が水で摂られるならよさそうに思いますが、
日々飲み重ねていく、かつ体内に蓄積されていくため摂りすぎてはいけないというのが結論です。
なぜ摂り過ぎはいけないの?
ではなぜ摂りすぎてはいけないのか?
それは日頃食べてるフードに大きく関係しています。
恐らく多くのわんこたちは総合栄養食を食べていると思います。
総合栄養食とは?
総合栄養食は市販されていまして、大多数のわんこたちが食べているフードのはずです。
1日あたりの栄養バランスが整っており、人間でいうところの完全なるサプリです。
完成された栄養バランスにカルシウムやマグネシウムをプラスしていくことで、一時的にならまだしも日々積み重ねていくと健康に弊害が生じます。
マグネシウムやカルシウムを過剰に摂ることでの弊害
カルシウムの摂り過ぎは骨の形成や亜鉛の吸収阻害が原因で皮膚疾患も引き起こすことがあります。
マグネシウムにおいては神経障害や下痢、嘔吐などが出てきます。
余談ですが、人間で便秘症の人がコントレックスという硬水を飲んでいたりしますが、あればマグネシウムが多く含まれるため日常的に摂り入れることで便秘解消を促す、という目的があります。便秘薬のマグミットや市販便秘薬もマグネシウムが主成分として多く含まれています。
カルシウムといえば尿石症って耳にしたことあるけど・・
これまではカルシウムは尿管結石の原因となるため、多く摂らないほうがいいと言われてきましたが、研究は進み、今は結石の原因となるシュウ酸とカルシウムが吸収される前に結合され、体内へのシュウ酸の吸収が減るので積極的に摂ったほうがいいと言われています。
尿管結石というワードが出てきたのでついでにお伝えすると、渋みのある食材はシュウ酸という成分です。いわゆる「アク」を指していますが、ほうれん草やたけのこが代表的です。
体質に結石ができやすい、あるいはすでに石がある状態の場合はカルシウムよりもシュウ酸を控えていきましょう。
まとめ
日々何気ないときにのどが渇いたなどで摂る水分は過剰摂取を防ぐためにも軟水である水道水がベストです。
ミネラルウォーターは字のごとく「ミネラル」の水です。
私たちは栄養不足かも?と感じたときに摂り入れるのはよいのですが、わんこの場合はすでに計算されたフードを食べていますので、ミネラルウォーターを飲ませることはお勧めしません。
「今は手作りフードを食べさせているのでバランスとるために飲ませるのはあり?」と質問が出てきそうですが、市販されている手作りフードでも栄養価が細かに出ていない場合もあるのと、水をどのくらい飲むなんて気まぐれでわからないので、計算もしようがないはずです。
よくわからずに日々飲ませることは控えたほうが良いでしょう。