わんこらメルマガ No.226 証明を逆から読む勉強法/点と直線の距離の証明はベクトルが明快

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▼わんこらメルマガNo.226
2024/07/21

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【今週の目次】
1.今週の一言
2.わんこら式『証明を逆から読む勉強法』
・証明を逆から読むと何が良いのか
・証明の仕方と思考の順番は逆
・わからないところで止まるより飛ばした方が良い理由
3.数学・物理コラム『点と直線の距離の証明はベクトルが明快』
4.ふにゅ
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1.【今週の一言】
今回は動画で数学の専門書のレビューをしていた時に、時には証明を逆から読むと良いということを書いてることを紹介しました。
https://youtu.be/ocK4LhjF0fA
それを補足したいと思います。
数学コーナーは点と直線の距離の公式はベクトルがすっきりわかりやすいことについて書きました
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2.【わんこら式】
『証明を逆から読む勉強法』

・証明を逆から読むと何が良いのか

今回は動画でもお話をした証明を逆から読んでみるということを書きたいと思います。

共立出版の宮島先生の微分積分学1に時には証明を逆から読んでみるとよいと書いていることを紹介しました

そのことについて補足をしようと思います。

まず後ろから読むというのは一体何がいいのかということやな

例えば有名な証明の例として√2が無理数の証明があります。

n^2が2の倍数ならばnも2の倍数なことは認めてもらうとして

どういう証明かというと

「√2が有理数と仮定すると
√2=n/m(nとmは互いに素な正の整数)
とおけて
(√2)n=m
の両辺を2乗すると
2n^2=m^2
よりm^2は2の倍数なのでmも2の倍数
よって
m=2k
とおくと

2n^2=4k^2
n^2=2k^2
よってn^2は2の倍数よりnも2の倍数

よってnとmは互いに素なことに矛盾する」

という流れです

これを前から読んで


√2が有理数と仮定すると
√2=n/m(nとmは互いに素な正の整数)

だけ見ると

なんで互いに素とおくのか、わからないですよね

有理数は(整数)/(整数)であって互いに素である必要はよくわかりません。

でもこれを後ろから証明を読んでいくと

「よってnとmは互いに素なことに矛盾する」

「2n^2=4k^2
n^2=2k^2
よってn^2は2の倍数よりnも2の倍数」

と読むことになります

そしたらこの証明は公約数を持つことで矛盾をいおうとしてるということが把握できます

しかもその公約数はどうやら2のようだとわかります

そうすると、この証明は公約数2を持つと矛盾と言いたいので

互いに素なようにおくことがポイントということがわかってきます

だから後ろから読んだ方が何故そうするのか意図とか理解しやすかったりするねん

・証明の仕方と思考の順番は逆

何故そうなるのかというと、証明の仕方と思考の順番は逆やからやねん

頭の中では無理数はある種の無限で永遠と2の約数を持つことになるから矛盾の流れを作りたい

そうなると互いに素と最初に置けば矛盾がいいやすい

これが思考の順番やねん

でも証明をする時はその流れを全部、頭の中で把握して

まず背理法で有理数と仮定して、互いに素な整数m,nでn/mとおいて

ってシンプルに完結に整理して書くことになりますよね

だから思考の順番と、解答に書く証明は本に書かれている証明は逆の順番になるわけやねん

まあよくあるプレゼンテーションの定石として結論を先に言えってやるやろ

これはまさに証明を後ろから読むように、話せ、書けということやねん

だから実際の思考の順番の方がわかりやすいわけやねんな

そして数学の綺麗なまとまった解答は、そういう人間が理解しやすい、頭に入りやすい書き方ではないわけやねんな

だから時には証明を逆から読むと良いわけやねんな

・わからないところで止まるより飛ばした方が良い理由

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