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「0から1」の発想術の読書備忘録

「0から1」の発想術を読んだのでその備忘録になります。

1.戦略的自由度
戦略的自由度とは、戦略を立案すべき方向の数である。具体的には目的を満足させる方法をたくさん抽出し、競争相手が追従できない優位になる方策、かつ持続できる方策を講じるということ。
これは闇雲に突き進むことを防ぐことと「ユーザーを満足させる」という目的を確認するため。
ポイントは3つあり
①目的を考える
②目的を達成するいくつかの軸を設定する
③軸に沿ってどんなことができるか検討する

2.アービトラージ
アービトラージとは「情報格差でサヤを抜く」こと。
ポイントは2つあり
①情報格差でサヤを抜くこと
②固定観念にとらわれず、外からものを見ること

3.ニューコンビネーション
ニューコンビネーションとは既存のものを組み合わせて新しいものを生み出すこと。
ポイントは2つあり
①既存のものを2つ足してみる
②足したことで、価格と価値がどのように変化するか
ただこれは足せばいいというものではない。機能をプラスしてユーザーが必要としてなければいい迷惑である。

4.固定費に対する貢献
ポイントは2つ
①稼働時間を分析して、時には値段を下げてでも稼働率を上げる
②ナローキャスティング、ポイントキャスティングで顧客をシールドする
ナローキャスティングとは特定のターゲットを狙って効率的に狭い範囲で行う広告や販促活動のこと。
ポイントキャスティングとはナローキャスティングより狭く、個人の情報を収集・分析し広告を打つこと。

5.デジタル大陸時代の発想
ポイントは2つ
①デジタルアイランドがデジタル大陸に変化しているという現実を認識する
②5年後の生活ライフスタイルを想像し、サービスや商品に落とし込む

6.早送りの発想
ポイントは2つ
①すべての「新しい概念」は既に存在していると考える。
②小さな「兆し」をとらえて、高速の早送りを行い、来るべき未来を想像する
早送りという考え方は、あくまで先行している市場からアイデアやイマジネーションを受け、自分のマーケットで事業化を想像してみるということ。

7.開いているものを有効利用する発想
ポイントは2つ
①既存の思考にとらわれず、360°の視野で「空いてるもの」を探す
②「働いていない」「使われていない」「空いている」ものを有効利用する。その端にはネットでユーザーとサービスを結びつける

8.中間地点の発想
ポイントは2つ
①2つの方法の中間地点でポジショニングすることで差別化を図る
②折衷案ではなく、大きな枠の中にスイートスポットを見つける。

9.RTOCS・他人の立場に立つ発想
RTOCSとは現実の「誰か」に成り代わって、その人の立場で発想すること。
ポイントは3つ
①他人の立場になって徹底的に考えることで、思考回路が劇的に変わる
②RTOCSは4~5人でアイデアを出し合ってブレインストーミングをした方が発想は広がる
③行き詰った場合には、上のレベルで考える

10.すべてが意味することは何?
ポイントは3つ
①A,B,Cと各論が出たときに「それらすべてが意味することは何なのか?」という質問をぶつける
②この質問によってA,B,C各々の事象のすべてを意味している「X」を見つけ出す
③A,B,Cという事実を足し合わせて結論を得るのではなく、「X」へと発想を飛躍させ、そこから答えを考え出す。

11.構想
ポイントは2つ
①構想は、コンセプトやビジョンよりも1つ大きな概念である。
②構想は「見えないもの」を個人の頭の中で絵にすること
他人に見えないものを形にする力すなわち「構成力」が今必要とされている思考能力である。

ここまでの11個の発想法は基礎編で、これだけではなりないときに使える4つの発想法がある。

12.感情移入
自らが抱える課題にどっぷり浸かって「感情移入」することが重要

13.どんぶり勘定とセグメンテーション
セグメンテーション(細分化)が進みすぎて、ユーザーを無視した場合は一歩引いてどんぶり勘定の発想を持ち込むとよい。どんぶり勘定とセグメンテーションは振り子の両端であり、ユーザーの目的や心理からどっちに振ったがよいか思案することが大事。

14.時間軸をずらす
トータルコストの概念で考える。
資金調達が壁となったときは、事業そのものを抵当に入れる、事業のキャッシュフローを抵当に入れることで資金調達が可能。

15.横展開
他業種から学び、新たなビジネスチャンスのヒントとして窮する必要がある。

ここから感想。
全体的に面白く、サクサク読める本で共感できる部分も多々あり勉強になった。
ただ気になる点もる。「5.デジタル大陸時代の発想」で5年後を予想するとあるが、これは予想(思考)することが重要で、予想に左右され手はいけないだろう。ドラッガーも未来を予想することは無駄だと言っている。
実際この5年間で起きたことを考えると絶対に予想できなことだらけである。
・感染症によって世界中がパニックになる
・安部元首相が射殺される
・ロシアがウクライナに侵攻する
一つでも想像できた人間がいるだろうか。
現に本の中でも任天堂/ソニーの未来は暗いと書かれているが、任天堂はSwitchが大成功しており、ソニーの売り上げも絶好調である。
任天堂もソニーもこの本読んで心を入れ替えたのだろうか。
また日産は褒められていたが今は悲惨だ。

と批判しつつお勧めできる本です。
特に「1.戦略的自由度」「3.ニューコンビネーション」「4.固定費に対する貢献」「14.時間軸をずらす」はすごく大事と感じます。

最後まで読んでくれてありがとうございます。


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