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飲み会における会話の難易度
飲み会でさらっと自分の話を話せる人が羨ましい。
世間的には、「傾聴」という言葉が示す通り、
人と会話をする時は相手の話を聞くのがマナーとされていると思う。反対に、自分の話ばかりする人は「自分勝手」「周りが見えていない」という感じでマイナスなイメージをもたれがちである。私も同じように思っていたのだが、ごく最近、その考えが変わる出来事があった。
会社の飲み会に参加した。なんと、社会人数年目にして初めての会社の飲み会であった。コロナ禍入社の社会人は大体こんな感じで、最近になって会社の飲み会デビューの人は多いんじゃないだろうか。
SNS等では、会社の飲み会とは面倒臭いものとされがちで、その気持ちもまあわかる気はする。けれども私は初めてだったので割と楽しみにしていた。
そして今、飲み会を終えみて、感想としてはそれなりに楽しめた。しかし自分の話し下手さがつくづく嫌になった。
どう下手かというと、他の人の話に対してほぼ相槌しか打てなかったところだ。私は飲み会のメンバーの中では最年少で、立場的には自分の話などせずにうんうんと相槌を打つのがふるまい的にはベストだったのかもしれないが、せっかくの場だしもっと話をしたかったのだ。しかし、できなかった。それは先輩や上司が私に話させまいとしたわけではもちろんなく、単に私の頭の回転が鈍く、思いついた話を口にしようとした時には既にその場は微妙に別の話になっていたりした。
また、思い浮かんだ言葉を口にするのにアホらしいほど悩みすぎた。言葉が脳に浮かび口から出るまでの途中で、何度引き返したか。「おいお前、これを話して一体なんになるんだ?」と出口付近にいる脳内検閲官に睨まれ、ほとんどの言葉は私の胸の底に再び沈められてしまった。では、そいつが働いたことでその場の盛り上がりが保たれ、私は不要な発言をせずに済んだか?と振り返ると、別にそうでもない。言っても言わなくても大して何も変わらないようなことばかりであった。
例えば、ゴキブリって突然現れるよね、という話の時があった。私は「ゴキブリって潰すと小さい卵が散らばるって言いますよね」と言おうか本当に「真剣に」悩んみ、言わなかった…。静かに酒を飲む私。ずっと心の中でもんもんとしていた。
そんな私からすると、閉め忘れた蛇口の水のように口から言葉が流れ続ける隣の上司はかなり羨ましかった。昔の話、会社の人の話、ゴキブリの話…きっと、彼の頭の中には私のように検閲官はいないのだろうと思って、ゴキブリの卵のこと1つも言えない自分に対してうっすら自己嫌悪すら抱いた。
数日経ってから、今回のことは場慣れしてないことも原因のうちの1つだとも思うようになった。つまり、今後飲み会を重ねていけば私も自分の話ができるようになるのだろうか?とイメージするが、多分ならないだろう。多少改善するかもしれないけど、基本的に今を生きてる人間なので、過去のことを聞かれても思い出すのにそこそこ時間がかかってしまう。そのペースだと飲み会ではまた置いて行かれてしまうだろう。それに割と人の話を聞くのが好きでもあるしね。
しかしやっぱり自分もなにか話したいナーと思う時もある。やっぱり、どうでも良い話や自慢でも、喋り続けられるというのは特殊能力だしうらやましいのである。
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