広報の本領発揮どころ!オンライン取材対応・同席で気をつけるといいこと
「PRの現場から」というマガジンなので、たまには現場感のある話もシェアするよ。
今回は、広報として対応・同席する「オンライン取材」について。
私はもともと1年ほど海外からフルリモートで仕事をしていて、PR広報として取材を受ける側も、編集者・ライターとして取材する側もまあまあ数をこなしてきました。特に「広報」としては、オンラインならではのやれることがいろいろとあります。
対面取材にはない気をつけるべきこと、広報として同席するときに考えたほうがいいことをシェアします。
広報が同席する意味がますます問われる
広報としてリモートで取材に同席することは、コロナ前から経験がありました。ただそれは、私だけがオンラインという……。全員オンラインよりも2倍難しい感じでした。
最近は全員リモートのオンライン取材が増えていて、ほっとしています笑
従来の「取材」は、メディア側が受ける側のオフィスなどに来てくれることが多かったと思います。現場や向こうのオフィスのこともありますが、自社オフィスに来てくれるなら、自然な流れで広報が同席できました。
でもオンラインだと、「画面上でうなずきながらメモ取ってるだけ」の広報さんはむしろ邪魔です。取材に同席する存在価値がさらに問われることになるので、わりとシビアですが、どのように価値を発揮できるか考えてみます。
取材前:ツールと手法をリードし、素材についてもすり合わせておく
Zoom取材が一般的だと思いますが、オンライン取材に最適なツールは何かと聞かれれば、「メディアさんが希望するもの」だと思います。
録音をするのは相手側であることが多いので、「弊社側ではこのツールが用意できますが、ご希望ありますか?」と、提案しつつ聞いてみるのがいいと思います。広報さん側で録音してデータをお送りしたするケースもあると思うので(そこまで気を遣う必要はないかもですが)、事前にすり合わせておきましょう。
また、オンライン取材だと写真撮影ができません。プレスキットとして提供素材をまとめておくことが今まで以上に大事です。それに加え、Webメディア取材の場合、オンライン取材中の画面スクショを撮って掲載したいと言われるかもしれません。事前に考えられるすべての素材を視野に入れておきましょう。
取材前:取材を受ける人とのインナー打合せ
取材を受ける人は社長だったり、それなりの役職の人だったり、貴重な時間を割いて対応するはずです。
本人がオンライン取材にあまり慣れていないと思うので、お互いよい時間になるように、対面取材以上に事前のインナーコミュニケーションはしっかりとしておきます。
・想定質問をリストアップする
・話すべきこと、話さないでほしいことをインプット
・オンライン取材ならではの注意点をすり合わせ
上2つは対面と同じですが、3つめに関して、このあと紹介する取材中にやることを伝えて「広報として私はこのスタンスで同席させてもらいますね」と事前に言っておくと、当日の進行がやりやすくなると思います。
取材中:導入で取材をスムーズに
最初の導入は広報がリードしてやってしまいましょう。
誰が最初にルームに入ってくるかわからないので、5〜10分早めに入っておくのはリアルのときと同じ。メディアさんを部屋にご案内している間にアイスブレイクする時間がないので、誰から来ても大丈夫なように、スタンバイしておきます。
皆さん揃ったら、
「コロナ大変ですね、オンラインだけどよろしくです」
「誰はどこから、記者さんはどこからのアクセスですね(場所でアイスブレイク)」
「今日はこんな感じの取材ということで伺ってます」
「私(広報)はときどき資料を共有したりさせていただきますね」
「では何卒よろしくお願いします」
という感じで雑談を交わしつつ、インタビューをはじめてもらいます。
取材中:メモを取りつつ会話にも入る=ミュート駆使
広報はメモ取り係として同席しているわけではないので、オンライン取材ではやることがたくさんあり忙しいです!
メモを取るのは大事な部分だけに。追って確認が必要なこと、情報を送る必要があることなどを控えておきます。あとは録音でOKです。
基本的には自分はミュートにしておきましょう。特にメモを取るときはパソコンのタイピング音がずっと聞こえていると取材の妨げになるので、ミュートミュート。割って入るときだけミュートを解除します。プロの指さばきが求められるので、ショートカットキーを抑えておくといいですね。
広報がカメラオフするというのもひとつの手だと思ったのですが、やっぱり接続している人の顔は全員見えたほうがいいですね。広報だけ少し小さくなれればいいのにね笑 ツール上のテクニック的なことはこちらの記事も参考に。
取材中:会話に出てきた参考サイト等をチャットや画面共有でシェア
基本的にはメディアさんと取材対象者で話してもらうので、会話を妨げないように気をつけつつ、適宜入り込んでいくのは大切です。
オンラインだと、全員が見られる「チャット」と「画面共有」があるのです。
会話の流れで出てきた話やニュースの関連サイトや、直近のプレスリリースなど、さっと出せるとパーフェクト。「これのことですね〜」と見せながら話すことで、理解が深まります。ただやりすぎると会話を妨害してしまうので、ほどほどにが大事です。
これをスムーズにやるために、取材前にはひと通り関連情報のサイトを開いた状態にしておくといいかもです。
取材中:カットインが非常にテクニカルだけど頑張る
社長など取材対象者に気持ちよく話してもらえるよう、サポートするのが広報の役目。と個人的には思っているので、カットインするタイミングはけっこう気をつけます。
オンラインだと若干のラグがあるので、同時に話し出してしまったり、いい流れを壊してしまうことがあります。それを防ぐために、割り込みたいときは手を上げてみるとかもおすすめです。
でしゃばりすぎず、でも必要な情報は挟み込む。むずかしいですね。
取材対象者が話し忘れていそうなトピックがあったら、「シャチョー、あの話をしたってください」と促してみるのもいいですね。
取材中:スクショ撮影があるなら、それも対応しつつ
・取材中の画面を適当なタイミングでスクショしたい
・取材が終わってからスクショを撮りたい
・取材中にシェアした画面のスクショがほしい
こんな感じで、取材に紐付く画像素材は、だんだんスクショになっていきます。いろんなパターンがありますが、メディア側もどんな素材が使えるか模索していることが多いので、広報さんから提案して差し上げるのもいいと思います。
テレビや動画メディアなら、そのZoom映像がそのまま使われることもあります。その可能性があるなら、身なりや映り方も大事ですよね。社長の自宅の間取りを把握したライティング(光)の調整と、使うイヤホンマイクの指導まで広報には求められるのかもしれません。嘘です。
取材後:写真が撮れない……ということは提供素材が大事
素材です。スクショ撮影のケースもありますが、いわゆる“インタビューカット”はもう過去のものなので、新しい素材提供が必要ですね。
昔の写真やサービスのスクショ、Slackのスクショ、物撮り、フリー素材、関連ある風景の写真、などなど。どんな素材が考えられるのか、バリエーション豊かに、視点をぐっと上げて提供可能な素材を考えてみる必要があるのかも。
Google Driveなどに入れて、すぐに共有できるプレスキットを作っておくのは必須です。取材後に、それをメールなどでお送りするようにしましょう。これを機にプレスキットの中身も整理しないとですね。
取材後:数字データ共有などはいつも通り
取材後の対応として、話に出てきたことの数字データ(ユーザー数やDL数など)の共有をするのは、対面取材のときと同じです。
オンライン取材ならではのプラス情報があるとすれば、名刺交換がないので、氏名・肩書・住所などの情報をきちんと届けることだと思います。メディアさん側も「あ、そういえば名刺ないんだった……」と後から気づいていることが珍しくないです。
メールの署名をすぐにペタっと貼れるようにしておくか、取材対象者の名刺データを写真で送って差し上げましょう。
広報サイドが取材の録画をしていた場合、そのデータもお送りします。
オンライン取材のコツでした。これからのアップデートに期待
以上、広報としてオンライン取材に同席するときのノウハウでした。
私自身は取材をする側でもあるので、オンラインで話を引き出すコツなども書こうかと思いましたが、今のところ広報のほうがテクニックが問われる気がしたので先にこっちをまとめてみた!
オンライン取材が当たり前になるので、それ用のSaaSとかサービスが出てきそうですね。こういうノウハウももっと出てくるんですかね。お悩みがあればご共有ください。
他にもこんなやり方してるよ〜!とかあれば、ぜひ教えてほしいです!おわり。
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