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緊急帰国ラッシュの現状と、浮き彫りになったオーストラリアの独自性

世界がめまぐるしく変わっています。ウイルスの影響は収まることなく、各国で外出禁止や渡航禁止など、ただならぬ感じの発令が出てきました。

今の心境や現状と、感じたことを残しておきたくて、書きなぐります。(2020.03.21)


オーストラリアにいると、日本との温度差はすごく感じます。

こちらでは少し前に「海外から入国した人は14日間の自己隔離」が義務付けられました。事実上、ふらっと旅行は認めないということになります。

その前だか後だか、カンタス航空と傘下のジェットスターが国際線の90%カットを決定していましたが、政府から、20日(金)より「国民以外の海外からの入国を一切禁止する」との発令が出たのを受けて、現在は4月から同社の全国際線が停止することが決まっています。

100人以上のイベント禁止、他人とは2mの距離を取れなど、いろいろな発表が出ています。催事系は小さなものでもけっこう中止になってしまっています。

あまりにもスピーディー。昨日と今日、今日と明日でも状況が変わります。決断が早すぎて、ついていくのが大変です。

オーストラリアでは、学校や施設の閉鎖などはあまりしていません。外出禁止、飲食店の閉鎖もされていません。欧米はすごいみたいですね。生活必需品の調達以外で外出した場合、罰金とか……。しかしオーストラリアがそれをしないのは、スコット・モリソン首相はじめ豪の人たちが言っている、

「(欧州のような)短期的な経済活動の完全ストップは何の解決にもならない。持続可能な対策を取る必要がある。」

という考え方に基づいています。飲食店も、それぞれの判断で動いています。これからどう変わるかはわかりませんが、個人的にはとても現実的で賛同できる。オーストラリアすばらしい。。


身近な問題としては、緊急帰国ラッシュです。3月末以降にほとんどのフライトがなくなってしまうので、日本人やその他外国から来ている人は、帰国を決める人が出てきました。フライトが取れるかどうか、まさに今パソコンとにらめっこしているところみたいですが。特にワーホリの子たちは、

・ビザが3ヶ月以内に切れる→みんな帰国を早めてる
・仕事がない、クビになった→生活できなくて泣く泣く帰国
・親に懇願されて→安全第一なので泣く泣く帰国

という感じで、かなりの人数が今月中に出国する感じです。

私の住んでいるところでは、スーパーには食料が少なく購入制限をしていて、飲食店や観光客頼りの店舗はクローズするところも出てきました。観光地なので街は閑散としています。普段は平穏でLazyなオージーですが、さすがに非常事態感がすごいです。まあ、ビーチに行けば変わらずだらっとしていますけどね。

対して日本は、、Twitterなどを見ているとワニ一色ですごすぎます。「日本には結界が張られている」という表現をしている方がいたけど、ほんとそんな感じ。それが悪いと言いたいわけではないけど、海外在住者との温度差がありすぎてすごい。。


個人的には、オーストラリア(やニュージーランド)の対応が一番よいと思ってしまっているので、感心しています。

他国と比べれば感染者数は多くないですが、今の早いタイミングでほぼ「鎖国」を決断。先述したように、米国やヨーロッパとは違う考え方で、外はシャットアウトするけれど自国内ではそれなりに動かしていこう、みたいな空気があります。

食糧自給率はじめ、何かと自国内で賄っている割合が高い国なので、あまり国境を閉じることに抵抗はないのかもしれません。一次産業が盛んって強いよなぁ。政治的にも独自性が強く、変な遠慮や忖度はなさそうです。

私がオーストラリアに来ようと思った理由のひとつがこれでした。

「これから大変な時代になるから、一次産業が盛んで自然豊かで、多様性受容度が高く社会福祉の充実した先進国に住まなくては」

なんとなく思ったとおりの方向になっていて、今回のことでオーストラリア最強説が自分のなかで確信に変わりつつあります。何度も言うけどあくまで個人の意見なので、異論はぜんぜん認めます。。ポジショントークでごめんなさい。

ヨーロッパにもちらほら友人や知り合いがいるので聞きますが、やっぱりヨーロッパは「人間の文明や知恵によって自然を征服・支配・超越できる」という考え方が根底に流れているような気がする、という話になりました。

これに関して、「庭園」や「建築」を例にとった好きな話があります。

西洋庭園・西洋建築は、きちっとシンメトリー(左右対称)の造りでお城などを建て、その庭園も草木をしっかり刈り込んで、花も等間隔に咲くように、規則正しく植える。自然を「人間による造形物」として楽しむ空間をつくる。

一方で東洋庭園・東洋建築は、日本古来のお庭を見るとわかるように、自然そのままの形を残そうとする。「枯山水」なんかがよい例で、石や砂を使って川の流れを表現したり。庭に天然に近いような池を作って、鯉を放したり。家も木造で、縁側があったりと、自然とのゆるやかなつながりを感じさせる。

自然との向き合い方が、ぜんぜん違うんだなぁと思わされます。

ちなみにこの話の流れでいうとオーストラリアは論外で、もはや「お庭と隣のジャングルがひと続き」なので庭園での比較はできませんが……笑 なるようにしかならん、地球に従って生きるしかない、ワンネス!みたいなマインドは、古代アボリジニの頃からの思想が浸透しているのだろうなと思います。この話は長くなるのでまた今度。好き。


こういう機会に、国の対応によって、性格や価値観が如実に現れてきますよね。国家も人間みたいだなと思います。面白い。

とりあえず、今はオーストラリアに住んでいて、日本はもちろん昔住んでいたカナダとかも大好きなのですが、私自身はヨーロッパはちょっと違うかもしれないな、、、と確信を得たりなどしています。

大変ですが、自然に身を任せてやっていきましょう。おわり。

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