煽らず、売れる記事って何だろう
世の中、情報量が多い。
Twitterとか、タイムラインのツイート1区切りごとに違う話題だから、都度考えるようなことが少なくなる。思考が拡散されていくというか、「じっくり考える」ようなことが難しい。
中には、PVのために、自分の利益のために尖った言葉を使う人も多い。案の定バズるツイートにはまた、尖ったリプライが付きまとっている。
この誰もが発信できる時代に目立つにはどうするか。
尖る。両極端に振る。人の感情を煽る。それが手っ取り早いのだろう。まあ、仕方ないことだと割り切るしかない気もする。
そんな中で、元日経記者の後藤さんのnoteが売れていると話題だ。
今年の3月に42歳で日経新聞を退職してフリーに。十分な年収があっただろうに、それでもフリーに転身した理由が現新聞社員の私にはジンジン染みる。
この言葉は痛いほど染みてきちゃう。キンカン全身に塗りまくられているような気分でスース―しちゃう。
やっぱり、個人もマスメディアも「目立ちたい」のだ。アテンションプリーズ状態なのだ。だって、目立たないと利益が出ないから。会社として成り立たないし、個人の生活がままならない。それは、自分の欲求も含めて言えることだったりする。
後藤さんのnoteとかTwitterを見ていると、地に足が付いているように見える。投機を煽るようなことは書かないし、淡々と、自分の努力して獲得したであろうスキルをもとに、経済情報を記している。
そして、徹底した「読者目線」。難しい経済用語のそもそもを解説したり、「誰に向けて」を明確にした発信。ここが大手メディアにはないところ。
この「煽らず、地に足のついた、読者目線の情報発信」は、今後の情報発信を生業にする人には、ヒントになり得ることだと思う。
新聞社も、昔は信頼されていた企業だった。
主要な新聞社のほとんどは100年以上続く企業だし、明治以降の日本の中心として、世の中を報じてきた。
が、ここ最近の誰もが情報発信できる時代に、上から目線な姿勢の報道は読者に嫌悪感を抱かせた。上から目線で客観的に書かれた記事よりも、私たちの感情をざわつかせてくれる、尖った記事。そんなコンテンツが溢れたし、実際に心がざわついた方が「面白い」のだ。
ちなみに、後藤さんのnoteは月500円で15000人の登録者。
エッ・・・。これで月収750万円。スゴイ。
・・・お金の話は置いておいて。
後藤さんの例は特殊かもしれないけれど、多くの人の賛同を得られているのは間違いない。
コツコツと、「煽らず、地に足のついた、読者目線の情報発信」をしていけば、きちんと賛同してくれる人がいるはず。もちろんクオリティやコンセプトは大切だけれど、メディアであっても個人であっても、大切な考え方かもしれない。
もちろん、そんな情報が増えていけば増えていくほど、良質な情報交換の場が生まれる。ふわっとしているけれど、そっちの方が世の中は良くなりそうだ。
金儲けより、1人の読者に良質な情報を提供して、その対価をもらう。誰かに感謝されることで誰かが儲ける。その繰り返しなら、金儲けも悪くないんだろうなと。キレイごとに聞こえるけど、大事だな。
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