【洒落怖漢譯】杭州僧(原題:不明)
譯文
吾群旅於杭州,詣山寺。堂屋羅列,伺其一屋,有物自像出。此肢甚長貌似僧也。一座莫之識。僧飛來眼前,問所從來以土語。此怪異,應則當害矣! 乃與傍人,倶指連山,相語景勝。僧終始面而謂我,而恬不應。
僧曰:「不能捕不我識者」反而還像。時有鐘聲,人僧聚讀經堂中。諸僧何呪? 然後去此,遭危難,而存得歸郷。三日後,電視漢地。時應則吾存否?
書き下し文と語彙解説
吾杭州に群旅するに、山寺に詣る。堂屋羅列す、其の一屋を伺ふ、物の像自り出づる有り。此れ肢甚だ長くして貌は僧に似るなり。一座に之を識る莫し。僧眼前に飛び來りて、從りて來る所を問ふに土語を以てす。此れ怪異なり、應ふれば則ち當に害せられん。乃ち傍の人と、倶に連山を指さして、相ひ景勝を語る。僧終始面して我に謂へども、恬として應へず。
僧曰はく「我を識らざる者を捕ふる能はず」と。反つて像に還る。時に鐘聲有り、人僧聚まりて堂中に讀經す。諸僧何をか呪らん。然る後此を去れば、危難に遭ふ、而れども存して歸郷するを得る。三日後、漢地を電視す。時に應へたれば則ち吾存するや否や。
○群旅 ツアー旅行する。現代漢語では「跟團・報團」と表記される。○杭州 杭州市は浙江省の省都。○詣 訪れる。「まうでる」は和習。○土後 現地の言葉。こゝでは現代漢語。○怪異 妖怪の類。○恬 意に介さず。○危難 危機。○電視[現] テレビ。
各種リンク
參考元:短くて読みやすい怖い話【2】全10話 – 洒落怖 ショートショート の1
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