【洒落怖漢譯】狂骨(原題:狂骨)

譯文

昔,福島有妖曰狂骨。狂骨無害,獨身歩耳。狂骨存時,貌醜,莫親之。死去肌肉,始知其不醜。狂骨甚喜,夜夜獨身舞。遇巫覡,則解歸野;去,則復人形舞。狂骨嗜獸魚之骨,然中元之時,以爲葷腥不齧之。狂骨無害而有信心,故人不惡之。

書き下し文と語彙解説

昔,福島にあやかし狂骨くゐやうこつふ有り。狂骨に害無く,獨身どくしん歩くのみ。狂骨の存する時,ばう醜く,之にしたしむし。死して肌肉きにくを去るに,始めて其の醜からざるを知る。狂骨甚だ喜びて,夜夜よなよな獨身どくしん舞ふ。巫覡ふげきへば,則ちけて野にくゐす。去れば則ち人形じんけいふくして舞ふ。狂骨獸魚じうぎよの骨をたしなむ,しかるに中元ちゆうぐゑんの時は,以て葷腥くんせいと爲して之をかじらず。狂骨無害にして信心有り,故人之をにくまず。

○獨身 獨りで。○中元之時 盆の時期。○葷腥 生臭物。

各種リンク

參考元:【洒落怖】狂骨

私の漢文アカウントはこちら:書くための漢文研究(@kakukanbun)
自作の解説書はこちら:書くための漢文研究 文書版

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?