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なんか今日はあんまり話したいことが無かったから『岩田さん』という本を紹介しておこうと思う。

今日はあんまりピンとくるニュースがなかった。

シンセンでブラジルから輸入した冷凍肉からウイルスが検出されたとかで、食糧を輸入に頼るともうどれだけ封鎖してもどうしようもないとかいう悲観論があったり。

ニュージーランドではまた10数人の感染がわかり、冷蔵工場から広がったんじゃないかとか言われつつも、その可能性は低いと言われたり。

ロシアは先日ワクチンの開発に成功したといったが、ネイチャーは、それに対して懸念を表明しただとか。

毎日ニュースを見ていても世の中はわからないことだらけで、身近に接する人たちは、結局のところ、自分の思いたいように世の中を思いつつも確信が持てず、ストレスを抱えているように見える。

小ネタを並べてみた結果、書こうと思えば色々と書けることもあるような気がしてきたけど、そういう気にならない時はならないでいい。サッパリ諦めることも大切だ。

ニュースを追いかけることは、おれにとって、たくさんの情報をインプットする事ではない。それは読書や学習でも同じだ。

おれが思う重要なことは、多くの情報を脳に処理させることであり、それによって、情報処理の回路を強化することだ。それが、増えるなのか、洗練されるなのか、おれはサイエンティストではないのでよくわからない。ただ、直感的には多様性を確保する事なんじゃないかと思っている。根拠はあまりない。

とにかく、別に書くことは脳を鍛える上で必須ではないし、ましてやおれの使命でもなんでもない。よってやる気がない時はサボるに限るのである。

こういう時は、本の話をしてみるのがいい。

偉大なプログラマー岩田聡から学ぶこと

自分が偉大な人物になれるかどうか。おれはなれないと思っている。なぜかと言うと、岩田聡が任天堂の社長になったのが、2002年、若干42歳の時だからだ。

そのあとの彼の業績をシンプルに振り返ろう。
 2004年:ニンテンドーDSを発売
 2006年:Wiiを発売
 2011年~2014年:低迷する
 2015年:NX(Nintendo Switch)の開発を発表。7月に死去。55歳であった。

その後の任天堂の躍進は広く知られるところである。

人が偉いかどうかに年齢はあまり関係ないし、デカい仕事をしたかどうかで人生の価値が決まるわけでもない。しかし、そうはいっても、こういう傑出した人物と自分との間に、恐るべき距離があるということは、感じないわけにはいかないものである。

偉人と自分を比べるのがそもそもどうかしているという話はないではない。しかし、偉人との比較を行うことによって、大きく言えば自分が凡人に分類される、ということが非常にシンプルかつ直感的に理解できるので、おれはそういうベンチマークを自分なりに持っておくことはわりと良いことだと思っている。

世間には、自らをひとかどの人物であると思いたがっているように見受けられる人も多数いる。しかし、やはりどれだけ頑張ってスゴイことを成し遂げたとしても、自分の墓がピラミッドになったりすることはまずないわけだ。これをおれはピラミッド理論と名づけ、チョーシにのった若者みたいなやつを戒める際「で、おまえの墓はピラミッドになるわけ?」と聞くことにしている。墓をピラミッドにするつもりもないやつに野心を語る資格はない。そういったような話だ。

何しろ、なんであんなデカい三角を作ろうと思ったのかサッパリわからないが、結果を言うと、何千年経った今も、エジプトの人々はあれでメシが食えているわけである。そんなデカい仕事があるか。

ものすごく話がズレたが、本の話に戻ろう。なんかもうすでにかなり無駄に文字数を使ってしまった。ちなみに、この手の持論も色々なくはないのだが、大体は理解されない。最近では、あんまり人に理解されない事にもすっかり慣れてしまった。

『岩田さん: 岩田聡はこんなことを話していた。』という本がある。

めんどくさがらないのであれば、ほぼ日であるとか、任天堂の社長が訊くといった対談やインタビューから拾える話題ばかりではあるのだが、こう一冊にまとまっていると、それはそれで、どっぷり読めてよいのである。

開発者として、経営者として、岩田聡は類稀な実績を残している。ところが、話している内容はとても常識的で、なんならシンプル過ぎるようにも思える。洗練されたプログラムのように無駄がない。(おれはプログラムのことはよくわからないので完全にイメージで言っている。とりあえずGOTO文は使ってはいけない)

基本は徹底してロジカルである。しかし人間臭さを感じさせるところもあり、そこが魅力でもある。

① 会社は共通の目的を決めたほうがいい。
② では、「商品づくりを通して、つくり手とあそび手をともにハッピーにする」と決めよう。
③ だから、社員面談で必ず「あなたはハッピーですか?」と聞く。

おれは、仮にロジックでそう思っていたとしても、社長として社員を面談する時に「ハッピーかどうか」とは聞かないだろう。ちなみに、手を広げながら「ハッピー」と言うらしいという話もある。

ただ、この面談のやり方エピソードひとつをとっても、
人に話を聞いてもらうためには、
「得になることかどうか」
「相手がこころからそれを良いと思って言っているか」
のどちらかが感じられないといけない、従って、「私心」をどれだけちゃんとなくせるかがマネジメントでは大事だ、とする。

やはり、背後には考え抜かれたシンプルな論理がある。何事につけても、なぜそう思うか、必ずと言っていいほど理由を持っている。当たり前と言えば当たり前だが、なかなかできることではない。

色々言い出すときりがないので、おれが一番好きな話をしておこう。

物事には、やったほうがいいいことのほうが、実際にやれることより絶対多い。だから、やったほうがいいことを全部やると、みんな倒れてしまう。だから、自分たちが得意なことを自覚して、なにがなにより優先なのかをはっきりさせる。それが経営だ。

というようなことを語った節がある。なお、おれが多少要約している。

では、得意な事をどうやって見つけるか。

それは、大して苦労したと思っていないのに妙に評価してもらえるとき。そういう時は、放っておいてもどんどんいい結果が出て、いい循環になって、どんどん力が出ていく。それが得意な事。そうじゃないことは向いてないことだ、と判断する。

おれはこの考え方をイワタサンから学んだのか、どこかで思いついたのかすらもうわからなくなっているが、自分がやりたいことと人に喜ばれることは別で、商売には人に喜ばれることを選んだほうがいい、という持論を持っている。

自分の得意な事はなかなか自分ではわからない。だから、どちらかというと他人が評価してくれるポイントを信用したほうがいい。おれはそう思うので、いつもお客さんとか周囲の人のリアクションを観察して、自分の商品が本質的に何であるか、という仮説を常に立て、トライアンドエラーで修正していくことにしている。

そういう物事への取り組み方も、知らないうちにイワタサンから影響を受けたのかも知れないと思う。折に触れ、読み返したい本である。

別におれは最近自分を見失っているつもりはないが、こういう自分の成分になってそうな本なり作品なりをいくつかもっておき、たまにそこに立ち戻ってみるのは良いことだと思う。

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