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不登校急増をふまえた新政策。/《学びの多様化学校》、全国大会を開催&マイスター制度創設。/いわゆる不登校特例校、設置を促進

いわゆる不登校特例校、設置促進に向け新政策

文部科学省は10月16日、《不登校・いじめ 緊急対策パッケージ》を打ち出しました。
その中で、新たに

  • 《学びの多様化学校(旧通称:不登校特例校》の設置を促進するための全国会議の開催

  • 《学びの多様化学校マイスター》を創設した上で、それを全国の自治体に派遣

  • 地域の相談支援機関等に関する情報を、文科省HPで発信

することを決定。
また、今年3月に策定した不登校関連の政策《COCOLOプラン》のいくつかに、前倒しで取り組むことも発表しました。

(※)児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果

不登校の児童生徒、約30万人に

前回の記事でもご紹介した通り、文科省がこのほど公表した不登校関連の調査結果(※)によると、令和4(2022)年度の小中学校における不登校の児童生徒数は約30万人。過去最多人数を更新しました。
不登校に限らず経済的な理由、新型コロナウイルスの感染回避などの理由も含めると、約46万人にも上ります。

今回の《不登校・いじめ緊急対策パッケージ》は、この結果を踏まえた対応です。

いわゆる不登校特例校、文科省が全国大会主催

3つの施策を、もう少し具体的にお話しします。

⦿《学びの多様化学校(旧通称:不登校特例校》の設置を促進するための全国会議の開催

学びの多様化学校の設置ノウハウや、課題の共有のための全国会議を、文科省が主催する形で開催する。
参加対象や開催時期、場所などの詳細は検討中。

“マイスター”を全国の自治体に派遣

⦿《学びの多様化学校マイスター》を創設した上で、それを全国の自治体に派遣

《学びの多様化学校マイスター》とは、学びの多様化学校の設置経験者などを自治体に派遣し、相談・助言が受けられるようにする、このたび創設する新しい制度。いわゆる不登校特例校で、校長を務めた経験のある人などが想定される。また、現時点では同校の設置経験者に限らず、不登校に知見のある人もマイスターとして想定しているという。

フリースクール&オルタナティブスクールの情報、文科省HPで発信も

⦿地域の相談支援機関等に関する情報を、文科省HPで発信

各教育委員会において作成された、不登校に関する地域の相談支援機関等に関する情報を、文科省のHPにおいて一括し、わかりやすく発信する。フリースクールやオルタナティブスクールについても、各教育委員会に掲載されている場合は、文科省HPから見られる形となる見込み。

校内フリースクールの設置促進、前倒しで実施へ

このほか、前倒しで取り組む《COCOLOプラン》については

  • 《校内フリースクール》(あるいは校内教育支援センター、スペシャルサポートルーム等の名称のケースも)の未設置校へ設置促進

  • 教育支援センターのICT環境の整備(自宅でオンラインを通じて学べるようにする)

  • 教育支援センターの、総合的拠点機能の強化

  • アプリ等による『心の健康観察』の推進

  • 1人1台端末を活用した上で、子どものSOS相談窓口を集約し周知

  • 重点配置校への、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置充実

などを挙げています。

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学びの多様化学校・いわゆる不登校特例校の設置促進に向けて、大掛かりな具体策が示されました。
同校については、既に今後の設置を具体的に予定している自治体も複数あり、今後大幅に増えるのではないかと予想されますが、この動きを後押しする政策です。
いわゆる不登校特例校の詳細や、全体の今後の見通しについては
有料記事にはなりますが、こちらも併せてご覧いただけると理解が深まると思います。
文科省・対策プランの目玉、“不登校特例校”
ぜひ、お読みいただければ幸いです。

ちなみに、学びの多様化学校…という響きに、まだなじめずにいます。いずれ慣れるのかなあ…。
まあ、不登校特例校にしても学びの多様化学校にしてもあくまで通称であり、学校ごとに名前がありますし。
全国会議やマイスター、文科省HPでの情報発信については、まだまだ詳細が未定であり、分からないことだらけです。
なるべく、最新情報をチェックしていきたいと思っています。

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