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ウォークン’s ジャーニー(4)

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4.ハプスブルグと呪い返し


今回の出張も、無事終わった。
ハプスブルグや無料羊損がなにか嫌がらせしてくるかもしれないと一寸警戒していたのだが、杞憂に終わったようだ。

私は仕事の疲れを癒やすため、バイトパークに向かうことにした。
バイトパークは様々な動物がアルバイトしている公園で、彼らにギャラを払えば濃厚接触できる夢のような場所。

疲労困憊して長崎に帰ってきた俺が真っ先に向かう場所だ。
(最近年間パスが値上がりしたのが玉に瑕…)

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ちなみにバイトパークに向かうバスは、長崎バスだった。
長崎バスを見るたび、私はウォークンを思い浮かべてしまう。
バス車内でくつろいでいると、案の定今回もやつは現れた。

「やは、おはやう♪
今日も意識向けてくれて嬉しいよ。
キミはもうボクの虜だね。」

はあ・・・消滅させちゃおうかな・・・。

「そういうのツンデレっていうんだっけ?
ボクは勉強熱心だから、暇さえあればキミの次元の情報をいっぱい収集してるんだよ。」

『はいはい。
で、結局無料羊損は全然襲ってこなかったけど、本当に狙われてるの?』

「そういう気の緩みがいけないんだよ!!」

・・・おいおい、どこの似非パンデミックの話だよw

でも相手の特徴も何もわからないのに、ずっと気を張っていたら疲れちまうぞ。

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「たしかにそうだね。
よし、キミにもボクが知っている奴らの情報を共有するよ。

ハプスブルグの特徴は、顎が長いんだ。
だから顎が長い人間を見たら要注意だよ。」

ふ~ん、それはわかりやすい。

「彼らは自分たちが祀っているアゴガミという悪魔の力を借りて強力な術を使うんだけど、その代償としてアゴガミの力を行使するたびに顎が伸びていってしまうんだ。

特に究極奥義の謹慎送還を使った際は、代償が大きすぎて子孫にまでそのツケが回るらしいよ。
いわば二世帯ローン状態で代償を払うみたい。」

そんなハイリスク&ハイリターンの技をウォークンに向けて放ったのか。
ウォークンってそんなに強そうに見えなかったが、そこまでして封印しなければならない存在だったのか?

別にハプスブルグの術を使わずとも、用心棒に始末させればよかったのに。
謎は深まるばかりだ。

『なるほどねぇ。
まあそんな外見的特徴があるなら、直接接触できればすぐわかるな。』

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やがてバスは大村湾の絶景を見られる場所にさしかかり、私は窓の方を見た。
窓にはステッカーが貼られていて、外の景色を眺める際は若干鬱陶しい。


だが、そのステッカーには何となく既視感があった。

『なあ、ウォークン。
ハプスブルグの顎ってこんな感じ?』

私はステッカーのイラストを指差す。

「ああ、まさにこんな感じだよ。
…というか、この絵からハプスブルグの波動を感じる!!」

なんだって!?
私はサードアイを開いてエネルギーをサーチする。

そこには怨念のようなエネルギーが宿っていた。

「うう・・・口惜しや。」

「まさか…本当にハプスブルグなの???」

「そうさ。貴様のせいで呪い返しされて、謹慎送還のパワーでこの絵の中に封印されてしまったのだ。」

「ははっ、自業自得だね。
やはり最後は光側の勝利になるんだよ。
これからは大量逮捕の時代だね♪」

まあ謹慎送還をくらって怒り心頭なのは理解するけど、ウォークンもそこそこウザいキャラだな。
ってか呪い返ししたの俺なんだけど。

「おまけにこの次元は最悪だ。
我らが無料羊損は石フェラに滅ぼされ、今や風前の灯。
もはや我になすすべもなし。」

ふ~ん、なんかしおらしいな。
ハプスブルグに敵意はそんなになさそうに思えるが。

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『わかったよ。
とりあえずそこから出してあげようか?』

「えっ、キミは何を言ってるの?
そんな事したらまた無料羊損との戦いに・・・」

『ならねぇよ。
もう霊体になっちまった以上、ハプスブルグに以前のような力はないよ。

それに長崎バスにこんな陰気な幽霊が取り憑いてたら、長崎バスの乗客が更に減って大赤字になって、バイトパーク行きの路線なんて即廃止だぞ。
そんなの困るじゃないか。

で、ハプスブルグ、君は開放されたいと思うかい?
開放されれば肉体がない今なら別の世界線に移動するのも可能だし、無料羊損が活躍する次元もあるだろう。』

「バカな・・・そなたは我が一族の秘技を、どうしてそうたやすく破れるのだ!?
それに気持ちはありがたいが、見返りに何を望むのか?」

『そういう物々交換的な契約っぽい発想が、そもそも低次元なんだよ。
俺はその次元にいないから、彼らのルールも無視できる。
見返りも当然要らんさ。

よし、ハプスブルグ。アゴガミを召喚しな。
塵一つ残さず消滅させてやる。』

「そんな・・・いや、承知した。
このまま地縛霊として未来永劫留まるくらいなら、一か八かよ。
大いなる創造神アゴガミよ。我が祈りに応え、その姿をあらはしたまへ!」

ハプスブルグがアゴガミを召喚した途端、突然周囲が暗くなり一帯はゲリラ豪雨に見舞われた。

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