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ウォークン’s ジャーニー(5)

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5.あご出汁とアゴガミ

へえ、アゴガミってゲリラ豪雨作れるんだ。
水不足の時に召喚するといいかもね。

「何をのんきな事を!!
アゴガミ様を用もないのに呼び出すなど…相当お怒りに違いない。
あな、おそろしや。」

その時、アゴガミの声が脳裏で響き渡った。
「我を呼び起こすとは何用か。くだらぬ用ならば、ただでは済まさぬぞ」

「ひいいいいぃぃぃぃっ!お許しください。」
ハプスブルグはすっかりビビっている。
無理もない…産まれてからずっとアゴガミを畏れ敬い生きてきたのだから。

っていうか、今はハプスブルグの存在が邪魔だ。
彼がアゴガミを畏れれば畏れるほど、やつにパワーを与えてしまう。
こんな斜面だらけの道で土砂崩れでも起きたら、無事じゃ済まない。

仕方ない…私はハプスブルグに語りかけた。

『ハプスブルグ、特別に許可する。私の魂データにアクセスせよ。
そしてこの世界線の仕組みと法則を知れ。』

ーーーーーーーー

すっかり萎縮したハプスブルグは逃げるように私と同化し、そしてまもなく数段パワーアップした状態で戻ってきた。

幽霊の強さは想い(執着)の強さ、そして情報量によるところが多い。

ハプスブルグ落ち着きようを見るに、やつは私の想像以上に多くの情報空間にアクセスして、真理を掴んできたのだろう。
ウォークンよりよほど優秀だ。

「なるほど…我が一族の祈りと畏れがアゴガミにパワーを与えてしまっているのですね。

理屈はわかりました。
しかし我が一族が数千年もかけてアゴガミを祀ってしまった以上、いくらトウキ様と言えど一筋縄では・・・」

言葉遣いにまで品を感じるようになった。
それになんか人格まで変わってないか?

ただ私のレムリア時代の名前まで知っているという事は、ちと深く潜りすぎたようだな。

それに…トウキと呼ばれたせいで、過去生の私と今の私の人格が交代してしまった。

『そなた、どこまで覗いた?

・・・まあ良い。我に従順になったという事は、アレを見たのだな。

ならば話が早い。
ハプスブルグ家の呪いなど、上書きすればよいだけの話だ。

ハプスブルグ、我に従属せよ。
そして後は我に任せ、下がってよいぞ。』

「ははっ、ありがたき幸せ!」

ーーーーーーーー

さて、うるさいのが引っ込んでやりやすくなった。

『アゴガミとやら、ここまで待ってくれてご苦労だったな。
世の中にはヒーローが変身中は攻撃しない、みたいな謎ルールがあるようだが、そなたもその法則には逆らえぬのか。』

「なにをごちゃごちゃと・・・
アレは我が贄となるべき存在、返してもらおう。」

『ああ、あの面倒くさそうな契約か。
それ破棄したわ。』

「なっ・・・ふざけるなぁ!!」

アゴガミは怒りのあまり全身(?)を震わせ叫ぶ。
身体がない霧のような意識の集合体だが、そこそこデカい。

『煩いな。消すぞ、この雑魚眷属が。
三次元に干渉できる存在って事は、さして高次元存在ってわけでもないんだろ?
格の違いも分からず俺に刃向かうとは、哀れなものよの。

んじゃ重力場書き換えるから、大人しくアゴでも咥えて待ってな。
長崎エリアのあごだし唐揚げは絶品だぞ。』

トウキはアゴガミを徹底的にdisった。
アゴガミはこれまでバカにされたことがないらしく、煽り耐性が低い。
これなら余裕で消滅させられる。

アゴガミが色々と揺らいだところで、トウキは次元をずらしこの場のエネルギーを書き換える。
予測通りアゴガミは存在できなくなり、ゲリラ豪雨もすぐに収まった。

ーーーーーーーー

『終わったよ、ハプスブルグ』

「へっ、もう終わりですか!?

ありがとうございます、トウキ様!
これで私もアゴガミの呪縛から解き放たれました。
ありがたき幸せ!一生憑いて参ります!!」

・・・いや、取り憑かんでええわ。

「何をおっしゃいますやら。
先程、従属せよと仰られたではないですか。
もはや私めはトウキ様の眷属でございます。」

そんな事言ったのか??
どうも過去生記憶とのシンクロ率が高いと、憑依に近い状態になって私の脳内には記憶が残らないから厄介だ。

『じゃあ、契約破棄ね。
これでお前は自由だぞ、ハプスブルグ。
んじゃ、私は寝る(笑)』

「そ、そんな・・・
私めはトウキ様に惚れたのでございます。
どうかお供にお連れください。
少なくともそこの足湯樽の犬よりはお役に立てます。」

足湯樽の犬ってウォークンの事か?
その組織の名前以前も聞いたけど、無料羊損のライバルなのかな?


「何だって!このアゴ野郎!!
お前なんかすり身にしてすり身汁にしてやるんだからな。」

ウォークンも煽り耐性がないみたいだ。
まったく、子供の喧嘩かよ。

やばい、眠い・・・人格の統制が取れない。

ーーーーーーーー

『煩いなそこの低級霊。消すぞ。』

トウキの声に反応したウォークンは、途端に大人しくなった。

「・・・キミはいったい、何者なの・・・?
僕に名前をくれた時のキミとは全然波動が違うんだけど。」

『お前が知る必要はない。
消滅させられたくなくば、余計なことに首を突っ込まぬ事だな。』

「そうだぞこの低級霊。トウキ様になんと恐れ多いことを。」

『ハプスブルグ、お前も許可なくズケズケと人のプライベート領域を覗き過ぎだ。身の程を知れ。』

「はっ、ははぁぁ。申し訳ございませぬ。」

『しかし久しぶりに表に出て、一寸疲れたな。
我も休むことにするか。』

トウキもエネルギー切れになったらしく、我々は深い眠りについた。

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