見出し画像

座りすぎに注意!根拠を持って伝えましょう

高齢者が要介護状態に至る主な原因として、運動器の機能低下や認知機能低下等が挙げられ、それら生活機能の低下をもたらす問題の1つとして「長時間の座位行動(座り過ぎ)」が注目されています。
これからウォーキングを始める高齢者に生活で『座り過ぎに注意しましょう』とお伝えします。では、具体的に座り過ぎにより健康にどのような影響があるのでしょうか?
本日は座り過ぎによる健康被害について調べてみました。


高齢者の実態

今回紹介する
高齢者における座り過ぎ ―その実態と健康影響および座り過ぎ対策の現状ー
では

我が国の高齢者に関して,要介護認定を受けていない地域在住高齢者1,401名(平均年齢73.1  ± 6.0 歳)を対象にした本田ら6)の研究では,活動量計(Active style Pro HJA-350IT, オムロンヘルスケア社製)によって評価された1日の平均総座位行動時間は486.9 ± 124.4 分(1 日平均装着時間14.1 ± 1.6 時間)であり,装着時間に占める割合が60.2 ± 12.5%であったことを報告している。

と報告されています。
つまり、1日の半分以上を座って過ごしているのが高齢者の現状です。

具体的にどんな影響が?

同じ研究では健康被害について以下のように報告されています。

座り過ぎと総死亡との関連について,60歳以上のスペイン在住の高齢者3,465名を平均9.0年間追跡したコホート研究14)によると,1日の平均総座位行動時間が8時間未満の高齢者は,8時間以上の高齢者と比較すると総死亡リスクが30%低くなることが示されている。

(中略)

1日3時間以上テレビを視聴している高齢者は,1.14時間未満の高齢者と比べて,メタボリックシンドローム保有割合が男女ともに1.42倍高かった。また,総座位行動時間が1日6.65時間以上の高齢者は,3.43時間未満の高齢者と比較して,男性の場合1.57倍,女性では1.56倍メタボリックシンドローム保有割合が高くなることが分かった。その他,高齢者における座り過ぎの健康影響については,腹囲径や血圧,空腹時血糖,トリグリセリド,HDLコレステロール等の心血管代謝疾患バイオマーカーや過体重・肥満といった点に着目した横断研究が行われている。

とされています。
つまり、座り過ぎにより
・死亡リスク
・糖尿病発症リスク
・メタボリックシンドローム
・脂質異常症の発症リスク
などが向上します。
どれも生活習慣病につながる項目です。

まとめ

高齢者にウォーキングを伝える場合、その人の生活習慣も見直す必要があります。
しっかりと根拠を持って、生活習慣を見直すきっかけをお伝えしていきましょう。
ウォーキングを指導し、その方の健康寿命をサポートしてみませんか?
療法士として、社会貢献ができる手段がウォーキング療法士です。

ウォーキング療法士の詳細はこちらから
https://iairjapan.jp/wt/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?