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歩行訓練?バランス訓練?

ウォーキング療法士は医療国家資格である理学療法士、作業療法士を対象とした認定資格です。その特徴は疾患により歩きにくさを抱えた人から、もっと効率よく歩きたい人まで幅広い人々に対応できることです。
その中で、対象の条件として”歩けること”が条件となっています。
では、その”歩けること”はどのように判断すればいいのでしょう?
本日はその対象を判断するための簡単なスクリーニングについて整理していきましょう。
臨床でもバランス訓練をするべきか?歩行訓練をするべきか?の判断材料になると思います。

片脚立位で判断する

今回紹介する
運動器不安定症の運動機能評価法に関する検討
では、

開眼片脚起立が15秒以上可能な群(可能群)と不可能な群(不可能群)で,歩行能力を比較した結果,開眼片脚起立時間およびTUGで,歩行能力との有意な相関が認められた.また不可能群は可能群に比べ,有意に歩行能力が低かった.

とされています。
つまり開眼にて片脚起立が15秒以上が可能か?が一つの目安になりそうです。では、もっと細かく、歩行とどのような関係があるのか?を整理していきましょう。

開眼片脚起立時間,TUGともにすべての歩行能力評価項目と有意な相関を示し,開眼片脚起立時間では,相関係数が大きい順に歩行速度,6分間歩行距離,10 m障害物歩行,TUGでは,相関係数が大きい順に10 m障害物歩行距離,6分間歩行距離,歩行速度であった.

スクリーンショット 2022-06-29 19.18.16

と報告されています。
横断歩道を青信号で渡り切るためには、1.0m/secが必要という研究もあります。
今回の論文では
片脚起立が15秒以上の場合の歩行速度が2.1m/sec
片脚起立が15秒未満の場合の歩行速度が1.6m/sec
となっており、15秒未満の場合、ぎりぎりになることが考えられ、もう少し、歩行訓練と同時に、基礎能力の向上に目を向ける必要がありそうです。

まとめ

今回は、歩行指導を導入する際にチェックしておきたいスクリーニングについて整理してみました。
片脚起立が15秒以上が一つの目安になりそうですね。
このようにしっかりと相手の状態を把握して、個別指導をすることがウォーキング療法士の特徴です。
そのために、講義ではエビデンスに沿った内容をお伝えしています。

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