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(妄想ドラマ企画)量産型上司の急襲

商品企画部に季節外れの人事発令があった。
前任の部長が営業部と連携で企てた、経営戦略上のクーデターが社長の寝返りにより失敗に終わり。
その後の組織再編成の余波が今頃まで続き、ようやく新部長の就任となった。
前部長のもとここ一年走り回った主任の九品仏香子(34)は保守反動のこの人事に嫌な予感しかしなかった。
名前は、佐久間應治(52)。目立つ部署の企画、宣伝、営業系の主な管理職は頭に入っているがこの男は記憶がない。
経理、総務系の会社人生の裏街道を生き残って来た男が、人材不足のおりに回ってきたようだ。

九品仏は自分の会社人生を左右するかもしれない直属の上司のプロフィールを経理系の友人にリサーチした。

帰って来たメールには、「合掌」と手を合わせた絵文字と共に以下のスペックが書かれてきた。

佐久間應治(1968年製造 量産型会社員)

170CM 80Kg
攻撃力、発想力 1、耐久力 5、追従系一般兵士

特徴
すぐ怒る・・・対人ソナーが古いため、自己中心的思考。
判断が遅い・・・最新アップデートにOSが対応していないため、状況対応力がない。
動きが遅い・・・脂肪積載量が多く動きが鈍い
休まない・・・自己保存性能が高い為耐久力は高い。

その他の突出した分野は皆無、能力は全てオプションとなっており装備していない。

九品仏はゲンナリした。
会社人生の後半で、プレーンな素のおじさんを相手にしなくてはいけないとは。
もともと持ってるスペックが低いので敵にしても、味方にしてもメリットが少ない。

冬眠でもするつもりで何とか1年やり過ごすか・・・

女性管理職として何とかここまで上手くやって来たつもりの九品仏は真剣にこの際転職を考えようと思った。

(お知らせ)
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ドラマ企画100本目指します!