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100年続きますように


「弟が明日、入籍する。」


弟が明日、入籍する‥?

弟が明日、入籍する。弟が、明日、入籍する。


久しぶりに何気なく覗いたツイッター、1行を何往復も目で追った。

なにか思うより前に、読み直して、また読み直した。

信じられないことが起きると、

それを事実と認識してから感情が動くまで

少し時間がかかるのかも知れない。


元彼が、結婚した。

一気にいろんな気持ちが押し寄せて交差する。ぎゅうっと目を閉じる。

瞑った目を開けるとやっぱり泣いていた。

泣き虫な大人に育ってしまったものですから。


この春は、びっくりする知らせが多かった。

みんな、人生の中でいろんなことが起きているんだなあって。

自分がゆったり過ごしているタイミングだと

人のニュースが入ってきやすいとも取れるのではと、ある人には言われた。

確かに、それもあるのかも。この春は、わたしにとって「静」のとき。


飛び込んで来た知らせの多くは

人生って時に暗いし悲しいし辛いし難しいなあって思わされるものたちだった。

そこに、今回の知らせ。驚くほど前向きだ。


彼と付き合っているとき、別れを切り出すとき、烏滸がましいけれど別れてからも、

わたしは彼が心配だった。


もう、余計なお世話だったみたい。

彼はわたしなんかが心配しなくても、本当に本当に幸せに過ごしている。


「良かったなあって、本当に良かったなあって思って‥」

母への電話口で、涙声で、そう言った。

全貌を知る母も、彼のことを気にかけていた。

「良かったね、本当に。ご両親も安心しとんしゃあやろうねえ。」

涙で言葉につまりながら、強く頷いた。

「100年続きますようにだねえ」

母が優しい声で言った。


ハナミズキの歌詞みたい。笑


でも、そう、心から、そう。


私たちより一回り以上歳上のお姉さんのところに

お婿に行くらしく、彼の名字は変わる。


それくらい知らないんだけど、それだけでも

みんっなが幸せになる結婚なんだなってわたしには分かった。


この先、それ以上知る必要も、もう何もない。


ハナミズキを聴くときだけ、

「100年続きますようにだねえ」って言った母の声と

そうだなあって思ったこの気持ちを

ちょっと思い出そう。


【完】


(いつぞやに書いたレモンの話、思いがけず続編登場。

これにて完!笑)


にしてもまさかわたしより先にご結婚されるとは。

そういえば、お互いに初恋の相手だった人も、同級生で一番に結婚した。

優しい彼らのお嫁さんは、絶対幸せだろうなあ。。

どの口が言うって感じですけど。笑



#春 #恋愛 #結婚 #ハナミズキ #一青窈 #歌詞 #幸せ

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