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宇野常寛が編集長をつとめる〈PLANETS〉の公式noteです。政治からサブカルチャー…

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宇野常寛が編集長をつとめる〈PLANETS〉の公式noteです。政治からサブカルチャーまで、独自の角度と既存メディアにはできない深度で、読むと世界の見え方が変わる記事を月に4本以上配信しています。メンバーシップでは、宇野が直接指導するオンライン講義や読書会を開催しています。

マガジン

  • PLANETS note

    宇野常寛が主宰するPLANETSがnoteでお届けするウェブマガジン。政治からサブカルチャーまで独自の角度と既存のメディアにはできない深度で情報発信しています。

  • 井上明人『中心をもたない、現象としてのゲームについて』

    〈ゲーム〉は私たちの認識を揺るがし、問いを与え、示唆をもたらす――人間の生み出した「遊び」の原理を追及する現代の遊戯論。

  • 世界文学のアーキテクチャ

    グローバルに流通する文学作品の研究において、「世界文学」の概念が用いられるようになりました。もともとは産業革命期の19世紀に誕生したこのワードを手がかりに「小説」と「資本主義」の構造的な類似を分析しながら、「世界文学」としての小説が持つ特徴を批評家・福嶋亮大さんが理論化していきます。

ストア

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    三宅香帆『娘が母を殺すには?』

    「母」の呪いに、小説・漫画・ドラマ・映画等のフィクションはどう向き合ってきたのか?『人生を狂わす名著50』『文芸オタクの私が教えるバズる文章教室』の三宅香帆が、「母」との関係に悩むすべての「娘」たちに贈る、渾身の本格文芸評論! 「毒母」「呪い」「母がしんどい」「母が重い」――いまや社会現象となっている「母と娘の葛藤」は、フィクション作品の中でも繰り返し描かれ、その解法が探られてきた。 本書では、注目の若手批評家・三宅香帆の視点をもとに、「母と娘の物語」を描いた作品を分析し、「母娘問題」のひとつの「解」――「母殺し」の具体的方法を提示する。 「あまりに物騒なタイトルに、いささか驚いた人もいるかもしれないが、もちろん「母殺し」とは、物理的な殺人を意味するものではない。そうではなく、本書で主張したいのは、古来多くのフィクションが、息子の成熟の物語として「父殺し」を描いてきたように、娘もまた精神的な位相において「母殺し」をおこなう必要があるのではないか、ということだ。」――まえがきより 【本書で取り上げる作品一覧】 『イグアナの娘』『ポーの一族』『残酷な神が支配する』萩尾望都/『砂時計』芦原妃名子/『日出処の天子』山岸凉子/『イマジン』槇村さとる/『なんて素敵にジャパネスク』氷室冴子/『乳と卵』川上未映子/『爪と目』藤野可織/『吹上奇譚』『キッチン』『大川端奇譚』吉本ばなな/『銀の夜』角田光代/『凪のお暇』コナリミサト/『SPY×FAMILY』遠藤達哉/『Mother』『カルテット』『大豆田とわ子と三人の元夫』坂元裕二/『くるまの娘』宇佐見りん/『愛すべき娘たち』よしながふみ/『私ときどきレッサーパンダ』ドミー・シー/『娘について』キム・ヘジン/『肥満体恐怖症』『最愛の子ども』松浦理英子/『母という呪縛 娘という牢獄』斎藤彩
    2,200円
    PLANETS公式オンラインストア
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    2020年代のまちづくり 震災復興から地方創生へ、オリンピックからアフターコロナへ

    震災復興から地方創生へ、オリンピックからアフターコロナへ──本書『2020年代のまちづくり』は、2010年代以降のこの国のまちづくりや国土運営についての議論を総括して、次の10年、つまり2020年代のまちづくりをどうするかを考える論集です。まちづくりに関わるさまざまなプレイヤーや研究者が集結し、建築や都市開発から小商い、アートまで、多角的にこれからの都市や公共性について議論します。評論家・宇野常寛が編者をつとめ、三菱地所による有楽町エリア再構築に向けた先導プロジェクト「Micro STARs Dev.」の協力のもと制作されました。 ▼目次 【巻頭座談会】宇野常寛×齋藤精一×重松眞理子×馬場正尊×古田秘馬|震災復興から地方創生へ 、オリンピックからコロナへ──「まちづくり」のこれまでとこれから 【インタビュー】西田司 |街にはもっと「小さな公共空間」が必要だ──「ひらく建築」や「小商い建築」から考える「クリエイティブなパブリック」の可能性 【論考】門脇耕三|「大都市・都心の再開発/地方都市・郊外のリノベーション」を超えるには?「渋谷のハロウィン」から考える、2020年代のまちづくり 【論考】白井宏昌|「環状」から「セル(細胞)状」へ。都市構造の変遷史から考える、「TOKYO2020」以降の東京改造の可能性 【インタビュー】藤村龍至|都市と国土はいかにして開発されてきたか?ニューヨークとイタリア、そして80年代から考える、2010年代以降の都市開発 【インタビュー】田中浩也|ポスト・スマートシティのビジョンを考える──街には「広義のデジタルファブリケーション」が必要だ 【座談会】井上岳一×宮﨑雅人×柳瀬博一|「地方創生」のその次へ──2010年代以降の「地方のまちづくり」を総括し、2020年代への展望を描く 【対談】川田十夢×山縣良和|「そこにある植木鉢」のように、風景から東京を変革するための方法 【対談】岸本千佳×本瀬あゆみ|建築と不動産をかけ合わせたアプローチが「地方のまちづくり」を後押しする 【対談】加藤優一×平松佑介|銭湯から考える、「適度にひらき、閉じる」公共性のあり方 【対談】坂本崇博×若松悠夏|これからの街に必要な「働く」環境とは?オフィスからコワーキングスペース(そして自宅の作業部屋)まで 【おわりに】宇野常寛|アフターコロナの都市と地方に必要なこととは何か *** 【座談会】長谷川貴之×ブランスクム文葉×牧亮平|「次世代のスター」を生み出すためのまちづくり──東京の中心部・有楽町から考える 【SAAI会員インタビュー】岩田竜馬|会社の「外」を知った僕は『マトリックス』の「赤い薬」を飲んでしまったのかもしれない 【SAAI会員インタビュー】綿石早希|知らない人同士がフラットにつながる。自然な化学反応が引き起こされる空間設計 【SAAI会員インタビュー】脇奈津子|目的なき出会いこそが、成果につながるセレンディピティを生み出す 【座談会】青井茂×中森葉月×深井厚志×吉川稔|なぜビジネス街にアーティストが集うのか? 有楽町における「アートアーバニズム」の現在地 【座談会】井上成×鈴木規文×山本桂司|なぜ渋谷・六本木でも地方でもなく「大丸有」なのか?日本の中心から、街と働き方を変えるためのプロジェクト「Micro STARs Dev. 」の挑戦
    2,420円
    PLANETS公式オンラインストア

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記事一覧

『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』の達成 アイドルの成熟から大ガールズバンド時代へ|徳田四

『ぼっち・ざ・ろっく!』『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』『ガールズバンドクライ』――2022年から毎年立て続けにヒットしている「ガールズバンド」アニメが、アニメ業界…

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2週間前
7

中心をもたない、現象としてのゲームについて 第41回 第5章-7ハブとしての循環概念を評価する|井上明人

井上明人 中心をもたない、現象としてのゲームについて 第41回 第5章-7ハブとしての循環概念を評価する5.7 ハブとしての循環概念を評価する 5.7.1 包含関係によるハブ概…

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3週間前
3

世界文学のアーキテクチャ 終章 時間――ニヒリズムを超えて|福嶋亮大(後編)

福嶋亮大 世界文学のアーキテクチャ 6、南北戦争の解釈――マルクスとフォークナー二〇世紀文学が世界性の根拠を時間性に認めたこと――この現象を考察しようとするとき…

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1か月前
2

世界文学のアーキテクチャ 終章 時間――ニヒリズムを超えて|福嶋亮大(前編)

福嶋亮大 世界文学のアーキテクチャ 1、近代小説に随伴するニヒリズム一八八〇年代に書かれた遺稿のなかで、ニーチェは「ニヒリズムが戸口に立っている。このすべての訪…

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1か月前
4

勇者シリーズ(7)「勇者警察ジェイデッカー」|池田明季哉(後編)

母なる勇太、父たるレジーナファイヤージェイデッカー誕生は、次のような展開を通じて行われる。 かつてデッカードを倒したチーフテンは、紆余曲折を経て再びブレイブポリ…

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1か月前
4

世界文学のアーキテクチャ 第一四章 不確実性――小説的思考の核心|福嶋亮大(後編)

福嶋亮大 世界文学のアーキテクチャ 7、グローバリズムをくり抜く地震こうして、一八世紀の新興の小説家=散文家は、オープンで不確実な世界への冒険を活気づけた。ただ…

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2か月前
1

世界文学のアーキテクチャ 第一四章 不確実性――小説的思考の核心|福嶋亮大(前編)

福嶋亮大 世界文学のアーキテクチャ 1、不確実性を思考する本連載もそろそろ終わりに近づいている。私はここまで、世界文学の中心を占める小説を、広義の人類学的対象と…

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2か月前
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中心をもたない、現象としてのゲームについて 第40回 第5章-5.4 遊び-ゲームにおけるルールを循環モデルとして再記述する|井上…

井上明人 中心をもたない、現象としてのゲームについて 第40回 第5章-5.4 遊び-ゲームにおけるルールを循環モデルとして再記述する5.5.4 遊び-ゲームにおけるルールを循環…

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2か月前
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21世紀のジャポニズム 陰影「礼賛」から陰影「退散」へ(ニューヨークのイノベーションシーンについて 後編#2)|橘宏樹

橘宏樹 現役官僚のニューヨーク駐在日記 第13回 21世紀のジャポニズム 陰影「礼賛」から陰影「退散」へ(ニューヨークのイノベーションシーンについて 後編#2)こんにち…

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3か月前
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【6/ 18 (火)】信田さよ子×三宅香帆 「母娘問題」の「解」を探す対話——『娘が母を殺すには?』出版記念トークショー@青山…

PLANETSよりトークイベント開催のお知らせです。三宅香帆さんの『娘が母を殺すには?』出版を記念して、信田さよ子さんのトークショーを青山ブックセンターにて開催します…

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3か月前
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中心をもたない、現象としてのゲームについて 第39回 第5章-5 ゲームを循環として再記述する|井上明人

井上明人 中心をもたない、現象としてのゲームについて 第39回 第5章-5 ゲームを循環として再記述する5.5 ゲームを循環として再記述する  さて、「循環」の概念を捉える…

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3か月前
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第十三章 人間――悪・可塑性・人種|福嶋亮大(後編)

福嶋亮大 世界文学のアーキテクチャ 6、可塑性を利用する芸術家――オーウェルの『一九八四年』 架空の全体主義国家オセアニアを舞台とする『一九八四年』では、戦時下…

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3か月前
4

第十三章 人間――悪・可塑性・人種|福嶋亮大(前編)

福嶋亮大 世界文学のアーキテクチャ 1、悪の発明――ラス・カサス的問題 文学にとって世界とは何か。私は歴史的な見地から、その問いを初期グローバリゼーションと紐づ…

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3か月前
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6/26(水)開催! 日本人はもう「田舎」には住めないのか? 「地方創生」の理想と現実を身も蓋もなく議論する|家入一真×宇野…

PLANETSよりトークイベント開催のお知らせです! 渋谷ヒカリエ 8/COURTを舞台に、PLANETSと東急株式会社が共同で、渋谷から新しい文化を発信することをテーマに実施してい…

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4か月前
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勇者シリーズ(7)「勇者警察ジェイデッカー」|池田明季哉(中編)

「人間」になっていくロボットたち ダ・ガーンは地球の意志ともいえるような超存在にその人格の根拠を置いていた。しかしジェイデッカーのブレイブポリスは、あくまで超AI…

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4か月前
2

第十二章 制作――ハードウェアの探究|福嶋亮大(後編)

福嶋亮大 世界文学のアーキテクチャ 6、制作の哲学――他者性のオン/オフ 制作者は、素材=ハードウェアとしての他者を象る。これは他者性の創設である。しかし、この…

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4か月前
4
『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』の達成 アイドルの成熟から大ガールズバンド時代へ|徳田四

『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』の達成 アイドルの成熟から大ガールズバンド時代へ|徳田四


『ぼっち・ざ・ろっく!』『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』『ガールズバンドクライ』――2022年から毎年立て続けにヒットしている「ガールズバンド」アニメが、アニメ業界を震撼させている。2010年代以降のアイドルブームからの大転換、かつての『けいおん!』(2009)をはじめとする〈日常系〉の再解釈、「百合もの」の勃興、ロックンロール神話の再興、声優陣によるリアルライブと「2.

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中心をもたない、現象としてのゲームについて 第41回 第5章-7ハブとしての循環概念を評価する|井上明人

中心をもたない、現象としてのゲームについて 第41回 第5章-7ハブとしての循環概念を評価する|井上明人


井上明人 中心をもたない、現象としてのゲームについて
第41回 第5章-7ハブとしての循環概念を評価する5.7 ハブとしての循環概念を評価する
5.7.1 包含関係によるハブ概念としての循環概念

 前回、「遊び-ゲーム」に関わる現象を観察する4つの観察モデルが、さまざまな遊び-ゲームを捉える説明(学習説や非日常説)の多くに適用可能なものであることを示してきた。

 これは、いわば複数の要素間の

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世界文学のアーキテクチャ 終章 時間――ニヒリズムを超えて|福嶋亮大(後編)

世界文学のアーキテクチャ 終章 時間――ニヒリズムを超えて|福嶋亮大(後編)

福嶋亮大 世界文学のアーキテクチャ
6、南北戦争の解釈――マルクスとフォークナー二〇世紀文学が世界性の根拠を時間性に認めたこと――この現象を考察しようとするとき、一八九七年生まれのアメリカ文学の巨匠ウィリアム・フォークナーの名を欠かせない。思うに、一九世紀アメリカの最大の思想家は、他のいかなる哲学者でも学者でもなく、小説家のメルヴィルである。それはメルヴィルが、資本主義の空間性=世界性を誰よりも多

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世界文学のアーキテクチャ 終章 時間――ニヒリズムを超えて|福嶋亮大(前編)

世界文学のアーキテクチャ 終章 時間――ニヒリズムを超えて|福嶋亮大(前編)

福嶋亮大 世界文学のアーキテクチャ
1、近代小説に随伴するニヒリズム一八八〇年代に書かれた遺稿のなかで、ニーチェは「ニヒリズムが戸口に立っている。このすべての訪客のうちでもっとも不気味な客は、どこからわれわれのところへ来たのであろうか」と書き記した。ニーチェによれば「神が死んだ」後、人間の基準になるのはもはや人間だけである。しかし、神の死によって生じたのは、神のみならずあらゆる価値を崩落させ、意味

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勇者シリーズ(7)「勇者警察ジェイデッカー」|池田明季哉(後編)

勇者シリーズ(7)「勇者警察ジェイデッカー」|池田明季哉(後編)

母なる勇太、父たるレジーナファイヤージェイデッカー誕生は、次のような展開を通じて行われる。

かつてデッカードを倒したチーフテンは、紆余曲折を経て再びブレイブポリスの前に立ちはだかる。もともとは相棒を失ったことを悲しむ心を持っていたチーフテンは、しかし創造主たるビクティムが「強い者が全てを手にする」という「悪の心」を徹底させたことで、片方が片方を殺害し、そのパーツを吸収するかたちで一種の「グレート

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世界文学のアーキテクチャ 第一四章 不確実性――小説的思考の核心|福嶋亮大(後編)

世界文学のアーキテクチャ 第一四章 不確実性――小説的思考の核心|福嶋亮大(後編)

福嶋亮大 世界文学のアーキテクチャ
7、グローバリズムをくり抜く地震こうして、一八世紀の新興の小説家=散文家は、オープンで不確実な世界への冒険を活気づけた。ただ、ここには面白い逆説がある。それは、進歩的な冒険者に集中すればするほど、その主人公をあらかじめくり抜いている力が目立つことである。小説を読むとき、われわれは主体という「図」にフォーカスするだけでなく、主体の背後にあって主体をあらかじめ規定す

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世界文学のアーキテクチャ 第一四章 不確実性――小説的思考の核心|福嶋亮大(前編)

世界文学のアーキテクチャ 第一四章 不確実性――小説的思考の核心|福嶋亮大(前編)

福嶋亮大 世界文学のアーキテクチャ
1、不確実性を思考する本連載もそろそろ終わりに近づいている。私はここまで、世界文学の中心を占める小説を、広義の人類学的対象として捉えてきた。人類の諸文化がそれぞれ世界理解の型をもつように、小説もいわば特異な人工知能として、世界を思考し、解釈し、再構成する力をもつ。人類と小説はドン・キホーテとロシナンテのように、異質な隣人として共生関係を結んだ。人間は小説を利用し

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中心をもたない、現象としてのゲームについて 第40回 第5章-5.4 遊び-ゲームにおけるルールを循環モデルとして再記述する|井上明人

中心をもたない、現象としてのゲームについて 第40回 第5章-5.4 遊び-ゲームにおけるルールを循環モデルとして再記述する|井上明人


井上明人 中心をもたない、現象としてのゲームについて
第40回 第5章-5.4 遊び-ゲームにおけるルールを循環モデルとして再記述する5.5.4 遊び-ゲームにおけるルールを循環モデルとして再記述する

 一見すると構造が固定されているようなルールやゴールについても、循環モデルで記述しなおすことができる。
 構造として固定されているものを、ルールやゴール、ソースコードといったゲームのメカニクス部

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21世紀のジャポニズム 陰影「礼賛」から陰影「退散」へ(ニューヨークのイノベーションシーンについて 後編#2)|橘宏樹

21世紀のジャポニズム 陰影「礼賛」から陰影「退散」へ(ニューヨークのイノベーションシーンについて 後編#2)|橘宏樹

橘宏樹 現役官僚のニューヨーク駐在日記
第13回 21世紀のジャポニズム 陰影「礼賛」から陰影「退散」へ(ニューヨークのイノベーションシーンについて 後編#2)こんにちは。橘宏樹です。本稿では、前々回に引き続き、ニューヨークにイノベーションをもたらしている日本人をご紹介したいと思います。

▲フォーブス誌やフォックスニュースにも掲載。

 1人目は、PLANETSでもおなじみのアーティスト、増田セ

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【6/ 18 (火)】信田さよ子×三宅香帆 「母娘問題」の「解」を探す対話——『娘が母を殺すには?』出版記念トークショー@青山ブックセンター

【6/ 18 (火)】信田さよ子×三宅香帆 「母娘問題」の「解」を探す対話——『娘が母を殺すには?』出版記念トークショー@青山ブックセンター

PLANETSよりトークイベント開催のお知らせです。三宅香帆さんの『娘が母を殺すには?』出版を記念して、信田さよ子さんのトークショーを青山ブックセンターにて開催します!

臨床心理士として「アダルトチルドレン」「母娘問題」といった問題提起を通じて社会に大きな影響を与えた信田さよ子さんと、ベストセラー『なぜ働いていると本が読めなくなるのか 』が話題の若手批評家・三宅香帆さんのトークショーを開催します

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中心をもたない、現象としてのゲームについて 第39回 第5章-5 ゲームを循環として再記述する|井上明人

中心をもたない、現象としてのゲームについて 第39回 第5章-5 ゲームを循環として再記述する|井上明人


井上明人 中心をもたない、現象としてのゲームについて
第39回 第5章-5 ゲームを循環として再記述する5.5 ゲームを循環として再記述する

 さて、「循環」の概念を捉えるための道具立てとして四つの観察モデルが整ったところで、ようやく「循環」の概念がなぜゲーム全体を統合的に捉えるキー概念なのかを示したい。
 一言で言えば、ゲームを遊ぶというプロセスは、多様な循環プロセスであると言えるからだ。そ

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第十三章 人間――悪・可塑性・人種|福嶋亮大(後編)

第十三章 人間――悪・可塑性・人種|福嶋亮大(後編)

福嶋亮大 世界文学のアーキテクチャ
6、可塑性を利用する芸術家――オーウェルの『一九八四年』

架空の全体主義国家オセアニアを舞台とする『一九八四年』では、戦時下の党を率いるビッグ・ブラザーが、テレスクリーンを用いて社会の全体をくまなく監視している。真理省記録局に勤務するウィンストン・スミスは、過去の文書の改竄に従事しているが、やがて魅力的な女性ジュリアと出会ったことをきっかけに党の禁を破る。彼女

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第十三章 人間――悪・可塑性・人種|福嶋亮大(前編)

第十三章 人間――悪・可塑性・人種|福嶋亮大(前編)

福嶋亮大 世界文学のアーキテクチャ
1、悪の発明――ラス・カサス的問題

文学にとって世界とは何か。私は歴史的な見地から、その問いを初期グローバリゼーションと紐づけた。世界とはたんに空間的な広さを指す概念ではなく、異質なものとの接近遭遇がたえず起こる場である。異なる歴史、異なる習俗、異なる人間との関係の集合体としての〈世界〉――その成立に欠かせなかったのが、アメリカ大陸へのヨーロッパ人の進出であり

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6/26(水)開催! 日本人はもう「田舎」には住めないのか? 「地方創生」の理想と現実を身も蓋もなく議論する|家入一真×宇野常寛×占部まり×たかまつなな×牧野圭太(渋谷セカンドステージ vol.28)

6/26(水)開催! 日本人はもう「田舎」には住めないのか? 「地方創生」の理想と現実を身も蓋もなく議論する|家入一真×宇野常寛×占部まり×たかまつなな×牧野圭太(渋谷セカンドステージ vol.28)

PLANETSよりトークイベント開催のお知らせです!

渋谷ヒカリエ 8/COURTを舞台に、PLANETSと東急株式会社が共同で、渋谷から新しい文化を発信することをテーマに実施している「渋谷セカンドステージ」、次回の開催が決まりました。

今回のテーマは「地方創生とまちづくり」です。

2010年代以降「地方創生」が叫ばれてきた一方、 都心部と地方との分断が加速しつづけた現代に必要な再建計画はど

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勇者シリーズ(7)「勇者警察ジェイデッカー」|池田明季哉(中編)

勇者シリーズ(7)「勇者警察ジェイデッカー」|池田明季哉(中編)

「人間」になっていくロボットたち

ダ・ガーンは地球の意志ともいえるような超存在にその人格の根拠を置いていた。しかしジェイデッカーのブレイブポリスは、あくまで超AIという人間が生み出したテクノロジーである。これ自体はマイトガインの勇者特急隊にも存在した設定だったが、それはあくまで旋風寺舞人が所有する旋風寺コンツェルンのテクノロジーのひとつにすぎず、超存在「ではない」意志の根拠として設定されただけで

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第十二章 制作――ハードウェアの探究|福嶋亮大(後編)

第十二章 制作――ハードウェアの探究|福嶋亮大(後編)

福嶋亮大 世界文学のアーキテクチャ
6、制作の哲学――他者性のオン/オフ

制作者は、素材=ハードウェアとしての他者を象る。これは他者性の創設である。しかし、この被造物が制作者と合一するとき、他者性はむしろ打ち消される。制作者にとって、素材の他者性はときにオンになり、ときにオフになる。さらに、制作者自身も自らの制作物の魅力や恐怖に屈するとき、自己がオンの状態とオフの状態が重なりあう。『フランケンシ

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