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高めるより「失わせない!」子どもの自己肯定感の育て方

以前、アメリカやイギリス、ドイツなど日本を含めた7か国の調査で、
”日本の若者の自己肯定感がとても低い”
という結果が出ました。

他の国の若者の約8割が「自分自身に満足している」と答えたのに対し、日本では5割に満たなかったのです。(平成26年版 子ども・若者白書より)


なぜ、日本では「自分自身に満足できない」と感じる人が多いのでしょう。
子どもの自己肯定感は、どのようにして育てていけば良いのでしょうか。


<自分の価値は、まわりの人が決めるもの?>

自己肯定感とは、平たく言えば "自分自身を価値あるもの"とする気持ちです。

小さい子ども達は、自己肯定感のかたまり。
「どうせ私なんて…」
「こんな自分ではイヤだ」
と思っている赤ちゃんを私は見たことがありません。

「〇〇ができないから、価値がない人間だ」
「ママから認めてもらえない私なんて、ダメ…」
と自分を卑下する幼児にも、会ったことがありません。

何ができても、何ができなくても、自分自身はすばらしい存在だということを子どもはわかっています。
子ども達には生まれつき自己肯定感があるのです。


そんな子ども達にも、成長過程で優越感や劣等感が生まれます。
優越感は一見良いもののように感じられるかもしれませんが、劣等感と同じ種類の感情です。


まわりからの評価によって自分の価値が上がったと感じた時の感情が優越感。
下がった時が劣等感です。
自分の存在価値を他人の評価に委ねてしまい、常に人の顔色を気にしている状態なのです。


自己否定感が強い人は、自分に文句ばかりを言っている状態です。
自己肯定感の反対は、自己否定感。

心の中に、自分を否定しようとする声があふれている状態です。
「そんな私では、認めてもらえない」
「そんな私では、愛されない」
と自分で自分に文句を言っているのです。


自己否定感が強い方は、自分を責める癖を持っている傾向にあります。

落ち込むことや苦しいことがあった時に
「どうせ私が悪いんだ」
「私の努力が足りないから、こんな目に会うんだ」
と、さらに自分をいじめてしまうのです。



もし友人が同じ状況にあったら、どんな言葉をかけますか?
「それは大変だったね」
「あなたなりに頑張ったと思うよ」
などと温かい言葉をかけるのではないでしょうか。

ところが、自己否定感が強い方は、自分をとことんいじめ抜いてしまいます。

では、どのようにすれば、自己肯定感のある子が育つのでしょうか。


<子どもの考えを聞くことは、子どもを受け止めること>


自己肯定感いっぱいの子どもに育ってもらいたいと思ったら、周りの人が子どもを否定しないことです。

自己肯定感は「高める」のではなく、「失わせないこと」。
そのためにできる簡単なことは、話を聞きながら肯定的な相づちを打つことです。

「聞く」姿勢そのものが、子どもの存在を肯定していることになります。

例えば、子どもが言い訳をしたときに
「言い訳をしない!」
と一喝することは簡単です。

しかし子どもには子どもなりの自分の考えや伝えたいことがあります。
それを否定せずに「聞く」のです。

「なるほど」
「そう思ったんだね」
「そうなんだ~」
「へー、それで?」

などと相づちを打ちながら耳を傾けます。
(正確には、肯定も否定もせずに 話を受け止める聞き方)
親としての意見はとりあえず横に置いて、最後まで話を聞きます。


話し終えたら、
「それで、あなたはどうしたいと思っているの?(^^)」
と聞いてみてください。
幼児であっても、意外と自分なりの意見を持っていることも多いのです。


<「話を聞くこと」は、言いなりになることではない>

そんな話を講演会ですると、よく出る質問があります。

「それは子どもを甘やかしてしまうのでは?」
「親として、子どもを導くことが必要だと思う」

子どもの話を肯定してしまったら、何か心配なことが起きそうな気がするのですね。
お気持ちもわかります。


でも、子どもの考えを聞くことは子どもの言いなりになることとは違います。
親としての意見を伝えたいと思ったら、子どもの話をしっかり聞いた後に話をすればよいのです。

十分に話をした子の耳は、親の意見を聞く余裕ができています。
「ママの意見を言ってもいいかな?」
そう語りかけながら、意見交換をしていくのです。


<感情に良い・悪いはない!ただ寄り添うこと>


自己肯定感を育てるためには”子どもの考え”の他にもうひとつ、否定しないでいただきたいものがあります。

それは子どもの”感情”。
「楽しかったね!」
「不安を感じたのかな?」
「イヤだと思ったんだね」
と受け止めること。

悲しみは半分に、うれしさは倍になります。


「楽しい」「嬉しい」
という感情は肯定しやすいものですが、

「悲しい」「悔しい」「こわい」「不安」「嫌悪」
といった負の感情は親にとっても居心地が悪いものです。

つい
「そんなことで泣かない!」
「そんなことを言ってはいけません」
と、否定したくなってしまいます。


とは言え、子どもが何を思い何を感じるかを、親がコントロールすることはできません。
子どもは「何を思ってもいい」「何を感じてもいい」と腹をくくりましょう。


悲しい時は悲しんでいいのです。
不安な時は不安になってもいいのです。

ありのままの感情を受け止めることも
「私は、私でいい」
という自己肯定感に繋がっていきます。

「頭ではわかるが、できない」
という場合は、自分への自己肯定感(私が代表を務める、子育てコーチング協会では自己受容)が必要なのかもしれません。

自分との関係が良くなると、他人との関係も劇的によくなるからです。

私たちは、自分に接するように他人に接します。
すべては 自分から。

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