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私立美術館のポテンシャルを下田で見た〜上原美術館

伊豆半島のほぼ先っちょにある静岡県下田市。

県道414号線をひたすら南下し伊豆急行と並走する手前の長閑な山の中、さらに住宅街の中を進むと見えてくる建物。周囲の民家の屋根の合間とは明らかに異なる、山の中腹に位置する近代的な造形だ。

大正製薬創設者・上原正吉により建てられた上原美術館は、近代館と仏教館の2棟から構成されている。

モネ・ルノワール・マティス・シャガール・岸田劉生……etc……etc。私設美術館ゆえに規模こそは小さいが、近代館の常設展示品の顔ぶれは名だたる画家の名画ばかりで観るのをやめられない。
さらに、企画作品に付けられたキャプションも捻りの効いた解釈が面白い。

仏教館は近代館の手前にあるのだが、ここの受付は近代館の玄関にあり、なんと仏教館の入り口には係員すら常駐していない。訪れた日が平日であったためで、たまたまおらず、休日は常駐しているかもしれないが、とにかく物騒を通り越して感覚が完全に田舎の農家である。

その仏教館……。

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