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Apexの競技シーンの歴史を振り返る

ALGSのスプリット2が2月終盤から始まります。スプリット1プレイオフの盛り上がり、先日行われたFFLGGCの盛り上がりを見ると、最近競技シーンを見始めた人も多いのかなと思いました。公式大会の歴史をちょっと知っておくと、より楽しめるかなと思い、日本のApexの競技シーンの歴史を振り返りたいと思います。
※私もリアルタイムで見ていない所もあるので、調べながら書いてる部分もあります。

Apexの競技シーンの時代分け

Apexの競技シーンを大きく時代分けすると、以下のようになると思います。
① 〜2019年9月 世界大会@ポーランド
② 2020年1月〜2020年5月 ALGS Online
③ 2020年6月〜2021年6月 ALGS シーズン1
④ 2021年9月〜2022年6月 ALGS シーズン2
それぞれの時代について振り返っていきましょう。

① 〜2019年9月 世界大会@ポーランド

「ポーランドの世界大会」「ポーランドルール」という言葉を聞いたことはないでしょうか。Apexで唯一のオフライン世界大会が2019年9月に開催されました。
そこで優勝したのは「TSM」。Apex界で最も知名度の高い競技プロのImperialHal、現在もHalの相棒のReps、TSMのストリーマーを続けながらC9のメンバーとして競技シーンを続けているAlbralelieの3人が栄冠を掴み取りました。これ以降世界大会が開催されていない以上、唯一無二の世界一の称号は彼らのものです。
この大会で世界3位の好成績を残したのがWyvernParkha、Karonpe、Selly)で、現在もAPAC Northで活躍する彼ら3人はこの頃から世界に名前を轟かせていました。また世界9位にはMVP(Ras、Mondo、Aka)がランクインしています。
日本からは2チームが招待されていて、現在も配信活動や大会の解説で活躍中のAleluさんは世界大会経験者です。また日本人で唯一現役として競技シーンを続けているのはLEDIAN MAGICALのAhnuG(ぐんは)さんです。最後の日本人ポーランド戦士として頑張ってほしいですね!
ちなみにポーランドの世界大会はyoutubeに残っていますので、興味がある人は是非その盛り上がりを見てみてください。ワールズエッジ実装前で昔のキングスキャニオンが使われているのが懐かしく思います。

② 2020年1月〜2020年5月 ALGS Online

「テキサスの世界大会」という言葉を聞いたことがある人はいるでしょうか。コロナの出現によって消えてしまった幻の世界大会です。その幻の世界大会に向けて、各地域の代表を決める大会がALGS Onlineという名称で開催されていました。
Apex界を代表する配信者の渋谷ハルさんの競技シーン挑戦やCRのストリーマーであるかわせさんが活躍したのがこの時代です(2人とも世界大会の出場権は獲得したものの、世界大会は開催されることなく、競技生活を退いています)。
この時代の特徴として、現在のAPAC Northの日本チームと韓国チームで行われる大会ではなく、日本は日本で、韓国は韓国で大会が開催されていました。
カスタムマッチの機能が実装されたり、ワールズエッジが大会で使用され始めるなど、今の競技シーンの始まりとも言える時代だったかなと思います。

③ 2020年6月〜2021年6月 ALGS シーズン1

SC(サマーサーキット)、AC(オータムサーキット)、WC(ウィンターサーキット)、そしてチャンピオンシップという1年にも渡るシーズンです。
SC、AC、WCは、それぞれ#1〜#4+プレイオフという大会構成になっており、#1〜#4は2日間かけて予選と決勝を行う大会で、プレイオフは#1〜#4の上位20チームが招待されポーランド形式で勝者を決める大会です。

・SC(サマーサーキット)
この大会から日本チームと韓国チームによる合同開催となります。
#1は日本と韓国でそれぞれ予選をして決勝で合同するという特殊な形式だったのですが、日韓合同となったのは、#1の韓国側の予選参加チームは7チームだけ、という韓国でのApex人気の無さが背景にあります。日韓合同開催の記念すべき#1で優勝したのはDTN(Alelu、Mukai、Leia)で、最終試合で大量キル&チャンピオンを獲得し、11位からの大大大大逆転優勝を飾りました。e-Sportsの熱量を感じられる熱いドラマでした。その様子はAleluさんが動画として残しているので、歓喜の様子を見たい方は是非!
SCは、高校生チームのCrest(現456)が#2で優勝したり、T1(Parkha、Karonpe、Obly)がレヴナントを流行らせたりなどのトピックを経て、プレイオフではBBV(Uruca、DizzyMizLizyy、Sano)が優勝しました。いまだにポーランド形式で勝った日本チームはBBVだけですので、ものすごい快挙ということが分かります。
その後ストリーマーとして活躍するUrucaさんですが、この歴史を見ると輝かしい日韓一位の称号を獲得した数少ない日本人プレイヤーと胸を張って言えることが分かると思います。
日本チームの活躍も結果として残ってはいるのですが、日韓合同となったことで韓国チームの圧倒的なファイト力を見せつけられたシーズンという印象でした。APAC Northの歴史は、日韓の力の差をいかに埋めていくか、という歴史でもあったなぁと思います。

・AC(オータムサーキット)
ACからは、大会はワールズエッジのみで行うという形式になりました。SCまではキングスキャニオンとワールズエッジの両方でランドマークを獲得する必要があったのですが、カオスが生まれ漁夫が増えがちなキングスキャニオンと比較して、ワールズエッジのみになったことで、比較的シンプルなファイト力で戦うことが増えた気がします。
ACのハイライトでいうと、#2で参戦したFENNEL(Pinotr、Curihara、Mo-mon)初登場で大会2位を獲得し、プレイオフでも1戦目2戦目連続チャンピオンを獲得してマッチポイントに王手をかけるなど、鮮烈なデビューを飾ったのが印象的でした。
しかし、#1〜#4&プレイオフのすべてのタイトルを韓国チームが獲得するという韓国勢の高い壁にぶち当たったシーズンでもありました
このシーズンからFFLという非公式大会が週次で開催され、真剣勝負の場が増えることで競技シーンのレベルアップが進んだと思います

・WC(ウィンターサーキット)
ACで参戦したFENNELを始め、新しく競技シーンに参加するチームや選手が増え、チームの再編も目立ったシーズンでした。世界大会MVPのSellyさんの競技シーンへの復帰もトピックとして大きいものだったと思います。当時猛威を奮っていたRasさんとSellyさんがチームを組むというドリームチームが生まれました。
そしてWCでは、#3、#4にてFENNELが優勝を勝ち取り、SC以来の日本勢がタイトルを獲得することになりました。
しかし、プレイオフではAPAC Northを牽引してきたT1が念願のプレイオフ優勝を飾り、幕を閉じました。

チャンピオンシップ
元々はALGSシーズン1の締めくくりとして世界大会が予定されていたチャンピオンシップですが、コロナ禍で開催されるはずもなく、地域ごとの開催となりました。ACのプレイオフで優勝したFENNEL KOREA(Dogma、Minseong、JungHee)チャンピオンシップでも勝負強さを見せ、優勝しました。
ゲーム内のスキンの購入金額が大会賞金に加算される
という計らいで、大会賞金が増額されて、優勝賞金2000万円の非常に大きな大会になりました。
ALGSシーズン1が終了し、今後の競技シーンはどうなるんだろう、、という状況で少し時間が空いて、ALGSシーズン2の情報が出て、今の大会形式に繋がります。

④ 2021年9月〜2022年6月 ALGS シーズン2

スプリット1、スプリット2に大きく分かれ、それぞれ40チームによる長期に渡るリーグ戦形式およびプレイオフでシーズン2は構成されています。コロナ禍のためスプリット1のプレイオフが世界大会から地域大会に変更されており、以下のようなスケジュールで開催されています。
2021年9月〜2022年1月:スプリット1(プロリーグおよびプレイオフ)
2022年2月〜2022年5月:スプリット2(プロリーグおよびプレイオフ(世界大会?))
2022年6月?                    :チャンピオンシップ(世界大会?)
前述のようにALGSシーズン1では、#1〜#4も最終的には決勝でトップ20のチームのマッチの大会だったのが、プロリーグではトップ40チームのうち20チームによるマッチというシステムになり、ランドマークの選び方から戦い方まで、今までにない新しい取り組みになりました。
現在進行形のシーズンのため、ここでは詳細は割愛しますが、昔から競技シーンを支えているチームから新興チームまでそれぞれが活躍して爪痕を残しており、見応えのあるシーズンです。
スプリット1のプレイオフの結果を見ても、日本勢が韓国勢に食らいつき、肩を並べるレベルまで成長してきていると間違いなく言えます。今後いつか来るであろう世界大会に向けて、さらにAPAC Northの競技シーンが盛り上がり、成長し続けることを願っています!

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