焚き火コーヒーを淹れてみる
焚き火コーヒー、煮だしコーヒーなんと呼ぶのかわからない、沸かせたお湯にコーヒー粉をぶち込んだだけのコーヒー。
この原始的な淹れ方は、おそらく本家本流など無く各地で自然発生的にできたものなのだろう。
北極圏ではkokkaffe(コッカフェ)、北欧ではフィールドコーヒー、アメリカ西部ではカウボーイコーヒーなどと呼ぶらしい。
あまり詳しくは無いが、方式に若干の差はあれど基本は同じようだ。
お湯を沸かして挽いたコーヒー豆をそのまま入れる。
何度もやっているうちに、何となく方式が定まってきた。
それをまとめておこう。あくまで我流の部分もあると思われるので、間違っても焚き火コーヒーとはこういうものであるなどと信じ込まないように。
お湯を沸かす
焚き火コーヒーなどというからには焚き火が必須と思うかもしれないが、ガス火だろうと変わらない。家では普通にキッチンの都市ガスでやっている。何でもいいからお湯を沸かす。
お湯の量は飲みたいだけ。何ミリリットルとかそういう細かいことは気にしない。
最初から豆を入れて煮たたせる方式もあるようだが、今回は沸騰してからの後入れ。
コーヒー粉を入れる
カーボーイコーヒーと呼ぶものは、コーヒー豆を麻袋に入れて棒で叩いて砕いたものを入れるらしい。そこまでいかなくても基本的には粗挽きの豆がいいようだ。自分は普通に挽いた状態の袋入りで売ってる豆を小袋に入れて使っている。※粗挽きの方が片付けは楽だと思う
入れる量はかなり多め。何グラムとかは気にしない。表面全体が隠れてさらにその倍くらい。入れた瞬間はすぐ沈まずに乾いている部分があるくらい入れる。
量が少ないと、コーヒーというより何かのお茶のようになる。それはそれで有りといえば有りだが。
火から下ろす
ここはたぶん味に一番影響する箇所だと思うのだが、自分はすぐ火から下ろす。豆を入れた後に再沸騰するかしないかあたりですぐ下ろす。
ここでさらに数分煮込んだり、そもそも火から下ろして豆を入れる方式もあるようだ。
いろいろ試して好みの味を探るしかない。
蒸らして抽出
蓋をして5分くらい抽出を待つ。
濃くしたいなら5分と言わずもっと待っても良い。ただし当然冷めていくのでほどほどに。
鍋肌を棒で叩く
そのままだと浮いているコーヒー豆があるのでそれを沈めたい。
自分のやり方は、ケトルを持ち上げて、棒で叩く。振動と水面の波で沈める。カンカンと軽く何度か叩けば沈んでいく。
沈める方法も、差し水をして対流を起こす、ケトルを持った腕を振り回して遠心力を使う、ただ時間をかけて待つなど、いろんな方法論があるようだ。
叩くのはカウボーイ流とどこかで聞いたような気もするが、正式なところはわからない。
静かに注ぐ
なるべくカップに豆が入らないよう、上澄を注ぐように静かに注ぐ。ある程度豆が入ってしまうのはしょうがないと割り切りつつ注ぐ。
これで完成。
豆を捨てる
焚き火コーヒーの最大の弱点。それは片付けがめんどくさい。
水で流してしまうのが手っ取り早いがフィールドによってはそうもいかない。
スプーンで掬って焚き火に放り込む。コーヒーを飲みながらちまちまと。
最後はペーパーで拭って、それもまた焚き火に投入。
最後に
やってみると、こんな雑なやり方なのに思ったより美味いと思うことだろう。既存の方式の味で言えばドリップよりフレンチプレスに近い。
片付けの裏技として、豆を出汁パックに入れておいてそのまま捨てるというのもある。お茶パックだと詰まり過ぎて抽出がうまくいかない。出汁パックに緩く水中で舞うように入れれば、変わらなく焚き火コーヒーの味が楽しめるだろう。
ただ、いい意味での雑さが消えて、それだったら普通にドリップすれば…とも思わなくはない。
煮出し篇はこちら
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