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【若手先生QA】喧嘩ばかりの2人を担任したらどうすればいいの?後編

若手の先生の質問に答えます!

クラスに発達障害の子が複数人います。中でもADHDのA君とB君。A君がB君にちょっかいを出しもみ合いの喧嘩になったり、その逆だったりがしょっちゅう起きています。離れるように言ってもすぐくっつきトラブルを起こしています。授業中の離席や先生の話を聞かないなどで周りの子から注意されることも多い2人です。周りの子が喧嘩を止めようとしたりでまたトラブルがということもあります。

前回は、担任一人ではなく相談をしよう!ということを書きました!

今回は、担任ができる工夫の具体的な方策を5つご紹介します!

(1)「ケンカしたくない」を共有する

多分、ケンカしたくてしているのでは無いと思います。そこで、A君とB君と課題を一緒に解決するための「足場」を作りましょう。2人が落ち着いている時に、静かな教室に呼んで、確認します。
「2人はさ、結構ケンカしちゃうことあるよなぁ。でもさ、ケンカをしたくてしているかい?そうじゃ無いよな。ケンカしたく無いよね。先生もケンカは嫌だな。」「じゃあ、これからケンカがなくなるように先生と協力して行こうな!」
この前提を作っておくのはとても大切です。「予防」だからです。いつもケンカが起こった後に「事後指導」をするとこれは「お説教・叱る」をしなくてはいけなくなります。でも、ケンカの前なら「これからケンカしなくなるように一緒に考えて行こうね!」とプラスの声かけができます。この前提を本人と、本人たちと共有することで、その後の指導がしやすくなります。
また、この指導は2人を一緒に集めなくても、一人ずつ呼んで話すのも良いと思います。実態に応じて考えていきましょう。

(2)ケンカを「しなかった」時間を褒めて、分析する

多分、学校にいる間ずっとケンカし続けることは不可能です。ならば、「しなかった時間」を褒めましょう。
「今の休み時間さ、どうだった?ケンカした?しなかったかぁ!偉いなぁ。なんでケンカせずにできたかな?」
これを繰り返すのが大切です。「どうするとケンカせずに過ごせるか」を子供なりに本人たちに考えさせるきっかけになるからです。そして、同時に、教師も「どのような条件ならケンカを防げるか」と分析してみましょう。例えば「2人が違う遊びに没頭していればOK」とか「あの先生が一緒にいると大丈夫」とかわかってくることがあるはずです。教師が大人の頭だけで考えるのではなく本人たちの感じ方も聞いてみると、意外と大人が着眼していないことに気付けるかもしれません。

(2)A君とB君に得意な「任務」を任せる

私も、このケースのような経験があります。どうしてもくっついてケンカばかりする2人。その時、私は「先生の手伝いをしたがっている方」の子にいろいろ任務を任せました。例えば「A君にしかお願いできないんだけどさ、一緒に教材室にものを運んで欲しい」とか「あ〜、誰かこのノートを出席番号順にしてくれないかなぁ?A君得意そうだなぁ」とか「B君、外の池にカエルとメダカがちゃんといるか確かめてきてくれる?」とか。彼らにとってプラスになるもので、二人の居場所が離れるようなミッションをいろいろ出しました。打率は3〜4割で、「え〜いやです」と言われたり「じゃあ二人でいきます!」と結局二人一緒になっていたりしますが、試す価値はあります。

(4)ケンカになりそうなタイミングを「教える」

ケンカをしてしまう2人なら、無理のない範囲で休み時間は見守ります。その時に「あ、今まずそうだな」と思ったら「あ〜今、ケンカになりそうじゃない?大丈夫?」と声をかけます。できれば、明るくさらっと言うといいです。重くいうと結局叱っている感じになります。私がこの対応をすると多くの場合は「しないよ!」とかえってきます。「ケンカしないから大丈夫」と言って、結局ケンカしてしまう場合は、その場で止め、後で振り返ります。
あるいは「しないし!!」とか言って怒って、ケンカは避けて怒りながら教室に帰ってしまったりする場合もあります。でも、結果としてケンカは防げています。怒って教室に帰ったとしても、落ち着いた後で「あの時、ケンカしないで離れてクールダウンしたのがえらかった」と褒めれば良いです。

(5)周りの子に「対応方法」を示す

頂いた質問で少し気になるのが、「周りの子が喧嘩を止めようとしたりでまたトラブルがということもあります。」の部分です。周りの子がさらに問題行動を引き起こすと、学級全体が揺らいでしまいます。そこで、周りの子にいくつかのスキルを身につけてもらうよう指導していきます。
例えば、「3つの”そ”」です。簡単にいうと以下のような話です。

1つ目の”そ” そうだん
何か友達のことで困ったら、その子に「そうだんしよう」
「やめろよ!」は相談じゃ無いね。「やめて欲しいんだけど」が相談だね。
もしかしたら気付いていないかもしれないから、優しい言葉で相談できるといいね。
2つ目の”そ” その場をはなれる
嫌な気持ちになって、どうしても相手にチクチク言葉を言いそうなときはその場をはなれる方法もあるよ。別の遊びをしたり、別のことをしたりして気分を変えてしまおう。
3つ目の”そ” そうぞうする
「あの子が大声で泣いているのは何か事情があるかもしれない」と想像してみよう。変な子とか、恥ずかしいなと決め付けるのではなくて、何か事情があって困っているかもしれないね。

他にも周りの子にやって欲しいことは、明確に伝え、その子たちの対応の仕方もできたら褒めて伸ばしていきたいですね。

以上です!また質問お待ちしています〜٩( 'ω' )و

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