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路線バスからしか見えない景色がある⁉【バス運行マップすごろくで福井県若狭町を発掘!】

前回ゴコイチバスの運行マップをすごろくに見立ててサイコロをふり、出た目の数だけバス停を進むという発掘をしておりましたが、今回はその続きです!

まずはレインボーラインの入り口『日向ひるが料金所』(美浜町)を出発し、町境を越えて、『海山うみやま』(若狭町)を目指します!

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その道中では、バス旅だからこそ味わえる絶景も発見できました。

車を持っている人は車での旅行、
持っていない人は電車でのアクセスがよく、駅周辺に見どころスポットが集まっているような土地への旅行をしがちで、
観光の際にバスが利用されることって少ないのかなって思っていました。

でも、実際にバスに乗ってみたら、
バスだから見られた!このバス停で降りたから行けた!という景色や場所ばかりで、バス旅の可能性を感じずにはいられませんでした

若狭町のバス旅の魅力、ぜひご覧ください!

バスからの景色も最高!【レインボーライン山頂公園】

レインボーライン山頂公園は、三方五湖を一望できる人気観光スポットで、年間の観光客数は約37万人!
今回は素通りすることになってしまって少々残念…と思っていると、

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わ!めっちゃきれい!!
バスを降りなくても、車内から絶景を十分に堪能することができました!

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自家用車だと、運転手さんはせっかくのきれいな景色も見られないので、こういう景色を好きなだけ見ていられるのはバスのメリットですね!

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▲海側:若狭湾

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▲山側:三方五湖

窓の外は、右を見ても左を見ても絶景!三方五湖の美しい地形や広大な海を一望できました!

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パンフレット完成版_01

パンフレット完成版_02

▲車内で配布している三方五湖PRパンフレット

また、このゴコイチバスの車内では、地元の美浜西小学校の三年生が作成した三方五湖PRパンフレットが配布されていたり、美方高校生による、名産品や三方五湖の魅力についての音声案内が行なわれていたりします!アナウンス原稿も高校生が自ら考えたものらしいです!
まるでツアーバスに乗っている気分でした!

レインボーライン山頂公園
福井県三方上中郡若狭町気山18-2-2
http://www.mikatagoko.com/

まるでジブリの世界?【塩坂越???の細い路地】

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日向ひるが料金所から25分ほどで、バス停『海山うみやま』に到着!
三方五湖は美浜町と若狭町にまたがっているのですが、ここは若狭町になります。

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バス停の目の前には『若狭町観光船レイククルーズ』の乗り場があります。
この遊覧船は、三方五湖のうち2つの湖(水月湖すいげつこ菅湖すがこ)をまわる約40分の湖の旅を楽しめるのですが、今回はバスのダイヤとうまく合わず、乗船は断念することに…。

バスの運行間隔はおおむね1時間程度のため、あまり遠くまで行けません。
かと言って、バス停の周りに人が歩いている様子もなく…。

どうしようかと途方に暮れていると、寺井隊長がバス停近くにあった地図を見て、あることを思い出しました。

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寺井隊長「そういえば、この『塩坂越???』って場所、若狭町熊川宿で発掘調査したとき、サポーターの山川みをさんがおすすめスポットとして紹介してくれた気がする!」

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寺井隊長の恐るべき記憶力!!!
そうなんです!

以前、若狭町でのおすすめスポットを聞いた際、山川さんが「塩坂越???に、海に続く細い路地があって、そこは趣があってオススメです。海辺の細い道をぬっていくのがまるでジブリみたいなんです」とおっしゃっていました!

バス停からも徒歩で行ける場所のようなので、「これは行くしかないっしょ!」ってことで塩坂越???を目指します!

さて!
ここまで4回「塩坂越」と書きましたが、正しく読めていましたか?

「しおさかごえ!」と思った方!
違うんです!?

正解は…

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塩坂越しゃくし』です!

読めるかい!難読地名!

かつて、若狭湾の塩を背負って坂を越えていたことからこの地名がついたんだとか。
もともとは「しおさかごえ」と呼んでいたのが、徐々になまって「しゃくし」に変化したそうですが、だいぶなまりましたね(笑)

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このトンネルを抜けた先に目的地があるようなのです。
トンネルのむこうは、雪国なのか、はたまた不思議の町なのか…(笑)

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さほど長くないトンネルを抜けると…

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「そこは若狭湾であった!!!」

この景色もなかなかのものですが、目的地はまだ先!

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細い路地を探しに海の方に下りてみます!
すでにこの坂道も雰囲気があるのですが、一歩集落の中に入ってみると…

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本当にジブリに出てきそうな路地!
脇から猫の1匹や2匹出てきそうです!

振り返ると海!

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近くに八幡神社があったのですが、ここからの景色もジブリっぽい!

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この隧道ずいどうなんて、もうジブリ過ぎる!←何でもジブリに見える魔法にかかってます。

このジブリトンネルの正式名称は『塩坂越隧道しゃくしずいどう』と言って、少し前までは生活道路として利用されていたようです。
現在は、先ほど通った塩坂越しゃくしトンネルが開通され、そちらが県道になっています。

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さて、首にスカーフをまいた集団がこんなところではしゃいでいるものだから、地元の方が不思議そうに声をかけてくれました。
事情をお話すると快く撮影許可をいただいたので、ありがたく撮影会を続行です!

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「はい、ジブリ!(カシャ!)」

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地元の方にとってはなんの変哲もない景色かもしれませんが、こういう何気ない景色にこそ感動しちゃいませんか?
高浜町でも漁師町の路地の景色に感動したことがあったし、路地巡りマップとかつくってみたいかも!

さて、路地も堪能したことだし、サイコロをふって、次に降りるバス停を決めましょー!

3m海山

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またまた②!いい感じに細かく刻んでいます!

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海山うみやまから2マス進んで、次のバス停は『三方駅』です!

塩坂越
福井県三方上中郡若狭町塩坂越

手や足などの病にご利益あり!?【三方石観世音みかたいしかんぜおん

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三方駅に到着!

…あれ?三方駅にはもう一台ゴコイチバスがあるぞ?

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実は、三方駅~熊川宿間でもゴコイチバスの実証実験が行われていたんです!

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▲目印は、熊川宿のマスコット『クマ川さん』

※現在、熊川線の運行実験は終了しています。

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「今日はここが最後になりそうだし、ちょっと三方石観世音みかたいしかんぜおんさんまで軽く散策して、それで終わりにしましょうか」と、いつもアクティブな小林局長から提案が!
「ちょっと」ってことなので、行ってみましょう!

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5分ほど歩くと参道入り口に到着!
ここからは坂道を登っていきます。

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ちょうど紅葉の時期だったので、紅葉狩りをしたり、風景を撮影したりと、最初は楽しみながら歩いていましたが、
参道が結構長い!(息切れメンバー続出(笑))

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三方駅から歩くこと20分程。
やっと本堂に到着しました。
(「ちょっと」とは言えない距離でしたが(笑)、道中の景色がきれいだったので、あっというまに感じました!)

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▲渉外・広報担当のさわ香苗かなえさん

澤さん「かつて弘法大師さんがここに入山された際、一夜のうちに大きな岩に観音像を彫ろうとされたんです。しかし、一晩中彫り続け、夜明けを告げる鶏の鳴き声を聞いたとき、まだ右手首だけ彫られていなかったそう。しかし次の場所へ移動しなければいけなかったため、そのまま右手首より先を彫り残したまま下山されたと伝えられています。

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▲弘法大師に夜明けを告げた鶏の像

そのため、ご本尊は別名『片手観音』とも言われています。
そういった歴史があることから、手足の不自由な方や諸病をかかえている方にご利益があると伝えられています。
ちなみに、その岩に彫られたご本尊は秘仏であるため、33年に一度しかご開帳されません」

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▲片手観音(ご本尊はこの裏に位置する岩に彫られています)

弘法大師が彫ったとされる観音像は33年に一度しか見ることができず、次のご開帳は令和8年10月とのこと。
う~ん!まだまだ先!
ですが、観音像の岩の一部に触れられるスポットもあるので、こちらを楽しみましょう!

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ここは神社でもお寺でもないので、参拝者からの浄財のみで維持管理されており、三方の集落に住む12人のスタッフによって守られている場所なんだそうです。

さらに、祈願の仕方にも特徴が!

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まず祈願者が本堂にお供えされている手形や足形を借りて持って帰ります。
朝夕痛いところをさすり、治ったら借りた手形・足形は別のお堂に返納し、新しい手形や足形を購入して本堂に奉納するという流れ。

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つまり、自分が受け取ったご利益を、次の人に渡していこうという訳。
これを『お手渡し』と言うそうです。

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返納された手形・足形はお焚き上げをしないため、奉納品は約6万点を超えるとか!
そのうちの特徴的な3400点ほどが、福井県の有形民俗文化財に指定されています。
古いものだと文政9年(1826年)の手形があるそうです!

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軽い散策のつもりが、何だかご利益のありそうなスポットを訪れることになり、パワーを得られる発掘となりました!

三方石観世音みかたいしかんぜおん
福井県三方上中郡若狭町三方22-1
http://mikata.main.jp/

ちょっと不便だけど魅力たっぷり⁉自家用車では見えなかった景色がそこに!

今までの発掘で見えてきた「嶺南をより魅力的な場所にするには、点と点をつなげる作業が必要」ということから、今回は、バスの運行マップをすごろくに見立ててサイコロをふり、出た目の数だけバス停を進むという新たな発掘方法にチャレンジしてみました。

公共交通機関を利用するとどうしても時間に縛られてしまい、行動範囲も徒歩で行ける場所に限られるというデメリットがあります。

しかし、乗り物に乗っている間は、自家用車では見ることができなかった景色を見ることができたり、制限時間がある中でできることを探そうと、いつもよりアクティブになる自分がいたりと、新しい発見もありました!
嶺南地域では、主要駅から観光地までの交通手段が充実しているとは言えないかもしれませんが、案外、制限のある旅の方が充実感を得られるかもしれませんよ?

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ゴコイチバスは2021年12月26日(日)まで運行しているので、是非、クリスマスや年末のお出かけに利用してみてください!
バス車内でアンケートに答えると、かわいいミニタオルがもらえますよ~!

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