知事と一緒にサイコロ旅!? 人・風景・歴史が線でつながりはじめる時【福井県高浜町を発掘!】
今回は、「優柔不断で行き先が決まらない!」「友人知人に地元を楽しく案内したいんだけど、いいアイデアはないかな~」なんて思っている方必見!
「サイコロで行き先を決めるワクワク旅」のご提案です!!
そして、そんな行き当たりばったりのサイコロ旅で見つけたのは、「点と点がつながって線になると、まちの新しい魅力が見えてくる」というものでした。
行き先はサイコロ次第!興味深いスポットが続々…
今回は、WAKASA発掘調査隊の名誉隊長である杉本福井県知事が発掘に初参加!
1時間だけの参加ということで、普段の行き当たりばったりな発掘の雰囲気を短い時間でもしっかり感じていただけるよう、発掘手法を大幅に変えることに。
いつもは町で出会った方にお話を聞きながら調査をしていますが、それをサイコロでやっちゃおう!ってことになりました。
まずやってきたのは『高浜まちづくりネットワーク』。
かつては京都電燈株式会社高浜営業店だった建物で、有形文化財に登録されています。
レトロでかわいらしさもあって素敵な建物でした!
現在は地元にゆかりのある方の作品展示を行ったり、町民や来訪者が交流したり、地域おこし協力隊のサポートを行ったりする拠点となっています。
ここで本日のサポートメンバーである山本幸作さん・純子さんご夫妻や高浜まちづくりネットワークの皆さんと合流。
今回はサイコロをふって行き先を決めるので、まずはサイコロの目となる行き先を提案してもらいます!
「せまい路地」「仙人」「神聖な岩」「かくれ部屋」「ナゾのおもちゃや」「地蔵の群衆」
と、ワードだけで気になるものばかり!
全部に行けないのはちょっと残念です!
それぞれの場所・人の詳細は行ってからのお楽しみ、ということで、行き先をラプトくんサイコロに貼り付けて、早速知事にサイコロをふってもらいました。
出たー!
「ナゾのおもちゃや」!
では、早速出発です!
高浜まちづくりネットワーク
福井県大飯郡高浜町宮崎73-5-2
https://machinet2005.wixsite.com/takahamamachinet/map
あのドラッグストアの駐車場にある“ナゾのおもちゃや”【いたや玩具店】
高浜まちづくりネットワークから歩いて数分。
見えてきたのは北陸を中心に全国展開している、福井県民おなじみのドラッグストア『アオキ』。
ですが…
ん⁉
あ!!!
アオキの駐車場にプレハブのおもちゃ屋さんが!!!
駐車場にポツンとあって、異彩を放っています。
中にはプラモデルなどが置いてあるようで、お店の前にあるたくさんのガチャガチャも気になります!
サポートメンバーの山本純子さん(若狭高浜観光協会)「駐車場にあるから、アオキに来ると子供たちが毎回吸い込まれるように入っていっちゃうんですよね」
親にとっては罠みたいなお店ですね(笑)
一体どんなお店なんでしょうか?
詳しく聞きたかったのですが、「中が散らかっていて、知事にお見せするのはちょっと恥ずかしいんです~」と取材NG。
残念でしたが、これもアポなし発掘ならでは!
後日ご連絡してみると、創業は明治4年頃、現店主は4代目という、とても歴史あるおもちゃやさんであることがわかりました。
気になる方はぜひご自身で足を運んでみてください~。
いたや玩具店
福井県大飯郡高浜町宮崎87-6(クスリのアオキ高浜店駐車場)
点と点がつながって線に⁉漁師町の空気を感じる【せまい路地】
続いての行き先は「せまい路地」!
「カメラマンをやっているので、路地を撮影するのが好きなんです」ということで、伊藤さん(高浜まちづくりネットワーク・地域おこし協力隊)がおすすめしてくれた場所です。
塩土という地区にある、海沿いの通りから一本入ったあたりを歩いてみます。
歩いていると、『浄国寺』というお寺を発見!
臨済宗が多いこのあたりでは珍しい、浄土宗のお寺です。
本堂は金ぴかでとっても豪華です!
開山されたのは天正年間(1580年頃)ですが、現在のお寺は15年前に建て替えられたものだとか。
その前は、以前このあたりが火事で焼けてしまったことがあって、その廃材を利用した仮普請だったそうです。
浄国寺
福井県大飯郡高浜町塩土1-96
お寺を出て、漁師町の雰囲気を楽しみながらさらに歩いていきます。
道中では祠を見つけたり、
鳥居を見つけたり、(鳥居の中にはお稲荷さんが祀られていて、かつては船の出漁中、留守を守っていた女性たちが大漁と安全を祈願してお参りしていたそうです)
素敵なベンチに腰かけちゃったりして、
ただ歩いているだけでも目に留まるものがいろいろあって楽しいですね!
この雰囲気もすごくよくないですか?
「この景色すごいな~」と知事も絶賛!
家と家の間隔が狭く非常に入り組んでいて、少し坂になっていたり、所々にあるお地蔵様やお稲荷様も風情がありました。
路地の隙間からはちらっと海も見え、これぞ漁師町という雰囲気!
地元の方にとってはなんの変哲もない生活道路なんだと思いますが、よそから来た私たちからすれば、この佇まいから空気から、何もかもが「いい感じ」に思えます。
写真映えもしますよね!
そして一番印象的だったのがこれ!
気圧計だそうです。
民家の外壁についていたのですが、かつて漁師さんはこれを見て海の天気を予測し、漁に出るか出ないかを決めていたそうです。
10分少々歩いただけでも、いろいろな発見がありました。
今回は見つけられなかったのですが、このあたりには共同井戸の跡も残っているそうです。
井戸の近くにはお地蔵さんが祀られていて、この地区の水の守りとして大切に信仰されてきたんだとか。
この街歩きで感じたのは、いくつもの点がつながって線になると、まちの新しい魅力が見える!ということでした。
漁師町の街並みも、お寺も、祠も、鳥居も、気圧計も、
一つ一つは最後の目的地になるような観光地ではありません。
それでも、漁師町の空気を感じながら、お寺や、祠や、鳥居や、気圧計を次々発見することで、「高浜って素敵な街だね!」と思うことができました。
目立った観光スポットがなくても身近なところに魅力の種はたくさん落ちているのかもしれませんね。
大名屋敷に隠された秘密の部屋⁉【酒井忠義公別邸】
知事の次の予定時間が迫っていたので、ここでお別れかと思いきや、
「いや、まだ10分くらいある!」との声が。
サイコロには出ませんでしたが、最後に、みんなが気になっていた「かくれ部屋」に行ってみることに!
全員が乗れる台数の車を準備している時間がないということで、みんなでダッシュ!!!
寺井隊長の少年のような笑顔^^
気軽に走っていけるような距離ではなかったのですが、なんとかお目当てのお屋敷に到着です!
ここは、若狭小浜藩主・酒井忠義公の別邸で、現在はその一部が民家として残っています。
そしてこの中にかくれ部屋があるというのです。
一般開放はされていないのですが、今回は特別に中を見せていただきました。
建物は160年前に建てられ、大名屋敷ならではの構造になっており、壁がなく、柱は栗の木を使っているそう。
さて、肝心のかくれ部屋はどこにあるかというと…
よっ!
パカっ!
かくし部屋は屋根裏にありました!
敵から急に襲われても逃げ回れるくらいのスペースがあるんだとか。
この建物は、倒幕派に命を狙われていた酒井公が、万一のことを考えつくらせたのでは?とも考えられているそうなので、緊急事態の時はここに隠れるつもりだったんでしょうね!
酒井忠義公が所有していたであろう、火縄銃の鉛玉や火薬なども展示されていました。
酒井忠義公別邸
福井県大飯郡高浜町薗部
サイコロ旅で点と点をたどったら、線でつながって素敵な旅に!
今回は「サイコロで行き先を決めるワクワク旅」にチャレンジしてみました!
出発前のサイコロタイムは、「何が出るかな?」と見守るのも楽しくて、サイコロをふるだけなのにめちゃくちゃ盛り上がりました(笑)
出発前からこんなに楽しめちゃうのもサイコロ旅のいいところ。
旅行の行き先が決まらない方はもちろん、友人知人に地元を案内するときに、サイコロをふって行き先を決めてもらう、みたいなこともできますよ!
自分なりにアレンジして、サイコロ旅にチャレンジしてみては?
そして、今回のサイコロ旅でもう一つ分かったことが!
出た目にしたがって歩いてみると、一つ一つのスポットは点ですが、それがつながって線になると、まちの新しい魅力が見える!ということを実感しました。
おもちゃやさんも、路地も、お屋敷も、一つ一つは最後の目的地になるようなスポットではないかもしれません。
けれどもそんな点をつないでいくと、人や風景や歴史がつながって、ひとつのストーリーになったような感じがしました。
そんな点たちをたくさん見つけてつないでいきたいな、と思った発掘調査となりました!
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