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台湾のとある国立大のコロナウイルス対応を、留学生目線で振り返ってみました。


こんにちは。WKN177です。


日本ではすっかりコロナウイルスとの共存が当たり前になっている昨今ですね。


私はコロナウイルスが流行する前、そもそもその存在が広く認知される前2019年12月に語学留学のため台湾に渡っています。

もちろん当時はウイルスが流行するなんて夢にも思っていなかった訳ですが、自分の勉強したい思いとコロナウイルスの状況を鑑みて何度か台湾滞在を延長しました。

そして2020年7月末に日本に帰ってきたときは、人々の生活や考え方が変わっていることに少なからず驚きました。


レジには透明のカバーが施されていたり、外出や旅行に関する考え方の変化、テレビでの出演者の方々が社交距離を守った方法での収録...。今となっては慣れてしまいましたが、どれも半年前には確実になかったものたちです。



ご存知の方も多いかと思いますが、

私がいた台湾は過去のSARSの経験より、感染症に対する政府・国民全体の危機感や関心が非常に高く、対策が効果的かつ効率的に働いていました。


例えば...

旧正月(今年は1月下旬から1週間程度)は毎年中国大陸から多くの観光客が台湾を訪れるため、台湾にとって年に一度の大きな経済的好機でした。しかし、ウイルスの発症と流行が中国大陸武漢で確認されると、“中国大陸全体”からの観光客の入国を禁止する。

国民によるマスクの買占めが今後起こると予想し、政府はその前に全てのマスクを買い占めました。そしてマスクが全国民に平等に行き渡るように、購入枚数制限、だけでなく店舗ごとのマスク在庫管理とインターネット上で閲覧できるシステムを構築しました。


この辺は有名で多くの方々もご存知かと思います。


これらの対策のおかげで、台湾での留学生生活はコロナウイルスによる大きな影響を受けずに生活できました。




今回はメディアでは取り上げられない、私が外国人留学生として現地で生活する中で感じた、体験した台湾でのコロナ対応を紹介しようと思います。


☆学校の校舎内へ入る際は必ず「検温、消毒、手の甲に検温済のスタンプ、学生証をタッチして入館を記録」


具体的な導入日は覚えていないのですが、3月中旬頃だったかと思います。

もちろん37.5度以上では校舎には入れません。

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しかしこの学校の体温計だけに限らず台湾全土で見られたことですが、なぜかよく体温が34度、33度ひどい時には32度と表示されてました。笑

あれ、私生きてる?笑




世界的にコロナウイルスが徐々に流行範囲を広げていく中、台湾は依然として感染者数が流行各国に比べて断然少なかったのに、学校のこの対応の速さに驚いたことを覚えています。


ちなみにここで検温等の対応をしていたのは、大学の本科生たちです。

聞くところによると、本科生たちは1週間に何時間か学校での簡単な雑務(掃除とか事務所のお手伝いなど)をしなければいけないらしいです。

時給の支払いの有無やカリキュラムに組み込まれているのか、そもそも台湾の大学生全てがそうなのかは確認できていないけれど、ちょっと面白いですね。

なんだか小学校・中学校での生徒による掃除活動に似たものを感じました。



☆学校でマスク購入可能


上記でも述べたように、買い占めが起きないように早い段階で台灣政府がマスクを管理し、「一人1週間に何枚購入可」といった具合で、マスク秩序が守られてました。

私の通っていた学校では、外国人留学生のために校舎内の事務所でパスポート提示することでマスク購入が可能でした。

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4月16日購入時は一人1週間に3枚が購入できました。

(その後、5月頃には2週間に9枚、7月下旬段階では薬局で制限なく購入可能になってました)


慣れない異国の地で留学生がマスク探しに奔走しないように対応してくれたことは、ありがたいですね。

やはり勝手が違う外国で、普段行かない薬局(ここではマツキヨや〇〇ドラックといった身近なドラッグストアでなく、処方箋を出してくれる薬局のような立ち位置)で、慣れない外国語で買い慣れないマスクを買うのって、行く前から精神的に負担を感じるものなのですよ。

それが普段行っている学校で購入できるのなら便利だし、いちいち煩わされないですみます。

この時は3枚で15元(55円くらい)だったので、もちろん法外な金額ではありませんでしたよ。



☆これから海外から入国する外国人留学生の入学制限


私が中国語を学んでいた某国立大学の華語中心は2020年2月28日に冬学期終了、およそ2週間のお休みをはさんで2020年3月16日に春学期開始というスケジュールでした。

当時、3月上旬と言えば世界のコロナウイルス流行状況が、日に日に深刻化している頃でした。2、3日で状況が変わっていましたね。当初はヨーロッパではイタリアでの感染が状況が深刻だったのに、気づけばあっという間にヨーロッパ全体に広がっていたことも記憶に新しいです。

2月下旬に学校から「春学期は中国(香港、マカオを含む)、韓国、シンガポール、日本、イラン、イタリア、タイからの入国者(乗り継ぎを含む)の入学を認めない」旨のメールを受け取りました。

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※CLC...Chinese Language Centerのこと、中国語では華語中心と表記


実はこのような旨のメール受け取るの2回目だったのですが、

初回には日本は入っていなかったのに、ここにきて日本の国名が記載されていることに日本での感染状況の危険さを間接的に感じました。

それと同時に、外国から見てて日本人と日本政府の認識の甘さや対応の遅さ、何もできない自分に少なからず不安と苛立ちも感じたのも事実です。


そして春学期が始まる前日3月15日に届いたメールでは、

「3月17日に海外から入国した全ての外国人留学生の入学を受け入れない」方針になったようです。

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世界的な流行状況に併せて2転、3転せざる得ない学校側の対応。

春学期の授業やカリキュラム準備などその他の業務も大変であったでしょうに...と学生という守られた立場でいる者からしたら、当時の学校スタッフさん達には同情します。お疲れ様です。辛苦你們了。


完全なる余談ですが、

春学期開始前、とある国からの留学生がこの華語中心で勉強するために台湾へ向かう飛行機に乗りました。しかし彼がまさに飛行機に乗って空を旅している最中に、学校側は感染症流行状況を見てその国を含む複数の国からの留学生の入学を認めない方針に変わったそうです。

彼は台湾についてから、自分が予定していた華語中心で勉強ができないと知ってたいそう驚いたでしょう。果たして彼は台湾で別の学校を見つけたのか、母国へ帰国したのか、帰国したとしたらその飛行機代ってどこ負担だったのだろう

...と野次馬精神が今も疼いている今日この頃です。



☆校舎内でのマスク着用の義務、クラス内でどこに着席したのか毎日記録


マスク着用の義務、は当然ですね。

先生の口の動きが見れないので、耳を頼りに授業を聞き取りしなければならなかったので、最初は少し不便を感じました。特に当時の先生は外国人留学生の私たちからしたら早口だったので。

しかしお陰でリスニング力が向上した...と思いたいものですね。


私たちの教室はスクリーンからコの字でデスクを置いていました。(1クラス10人前後)

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私のような毎日違う場所に座りたい、違うクラスメートと中国語で話して練習したい生徒もいるので、毎日好きな座席に座れたことは嬉しかったです。


おそらく万が一、クラスメートの誰かが感染者になった時にすぐに濃厚接触者が割り出せるように、毎日の座席位置を記録する方針をとっていたのだと思います。

しかし、いくら毎日座席位置を確認していようと、クラス内の誰かが感染者になれば同じ教室内にいた全員が“濃厚接触者”とみなされ、座席位置の記録はあまり意味はないのでは?これって現場での余計な業務が増やしているだけでは?とも思いました。


まぁ、学校現場も厳重体制下での防疫の後手対応回避のために、このような記録を残していても損はない、という考え方なのかな?

“国立大学”という看板も背負っているからなのか、なんとしても2人以上の感染者を出して休校にはさせない、という学校側の執念とプレッシャーを学生ながら感じました。





いかがでしたか?

(↑よくコラムで見かける、まとめに入る時の話法使ってみた)


台湾の某国立大学華語中心でのコロナウイルス対策を学生目線で紹介しました。

改めて記事を書いてみて、華語中心の通常業務と並行した厳重かつ迅速な対応には頭が下がります。


華語中心はカリキュラムがしっかりしているし、(日本人からしたら)学費も高くないし、課題が多い一方で先生方も熱心な方ばかりなので、自分次第で中国語力は大いに向上できるかと思います。

国立大学だからこそ?の、規則縛りで柔軟性に少々欠けるきらいはありますが、私は性格的にカリキュラムがきっちり決まっていてくれていた方が成長がわかりやすいと感じているので、気になりません。

現地での中国語学習は大変満足しています!可能であればまた機会を見てもっと勉強したいですね〜。


もし今後、台湾での中国語留学を検討している方がいれば、ご連絡いいただければ少なからず情報を提供できると思います。




最後は自己満ですが当時のクラスメイトとの様子を少々...😊


同學聚餐

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暖男🐼妹妹

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我們的老師

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謝謝你讀至結束。下次見吧。



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