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はる

10年付き合った彼と、愛情が冷めたという理由で別れた。

きっかけは彼からだったけれど、きっと私も同じで、大切にできなくなっていた。馴れ合いとは違う冷めていった心がそこにあったと今ではわかる。

自分を見せることが苦手で人に相談することは滅多になかったけれど、いよいよ別れ話になるとわかった時に友人を呼び出した。きっとそれだけ迷っていたのだと思うし答えを探していた。お酒を飲んで笑い話を交えながら、泣いた。

泣くことと笑うことを同時にしながら、大人から少し子どもに戻って、それが私の精一杯だった。色んな物が邪魔をして、素直になれない私の感情はいったいどこへ行くのだろう。

あれから半年がたった。目がさめると友人からラインがきていた。

はる、大丈夫?

夢に私が出てきたらしい。カラオケに行く夢。

暗いパーティールームに10人くらいで入った。誰よりも先に曲を入れ、歌い始めた私は、歌いながら泣いていたらしい。

絶対にない‼︎とラインを読み返して笑った。友人もラインの向こうで笑っていた。

たくさん笑って笑い終わった頃、私の感情は友人の夢にわざわざ出かけていったのかとふと思った。妙に納得した自分にまた少し笑った。

次に恋愛をすることがあったら自分をもう少し出してみよう。歳をとった私が、素直になれるかわからないけれど。

今日はそんな気分だ。

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