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脳疲労ってなに?

筋肉疲労、眼精疲労、慢性疲労など
『疲労』と名の付く症状がたくさんあります。

その中の1つ
脳疲労について紹介します。


文字通り解釈すると
『脳疲労=脳が疲れている状態』
とイメージすると思います。

ですが、実際は…?

脳疲労は脳の疲れではない


脳科学の世界では
 
脳疲労は
脳が疲れているのではなく

頭の使いすぎによって脳が酸欠を起こしたり
脳周辺の筋肉が疲労している状態では?

という仮説があります。

脳そのものが疲れてしまったら
身体の機能がストップするはずだし

脳が劣化する、損傷する、老化するっていうのはわかるけど、脳が疲労するって…表現としてちょっと違うんじゃない?

という見解です。

疲労の定義


体に異常が起きると
これ以上の活動は危険なので、休みましょう!
という警告として、発熱や痛みを伴う症状が引き起こされます。

疲労もその1つです。

日本疲労学会では疲労について

過度の肉体的、精神的活動または疾病によって生じた独特の不快感と、休養の願望を伴う体の活動能力の減退状態

と定義しています。

例えば

・思考力の低下
・注意力の散漫
・動作の緩慢
・目が霞む
・頭痛が起こる
・肩が凝る
・腰が痛い

などです。

疲労感と疲労は違う


1日中パソコン作業をしたり
立ち仕事や運動などをした後は
『体が重いなぁ』『ダルいなぁ』と感じます。

これは疲労ではなく
疲労感です。

この疲労感を生み出す原因こそが
脳疲労の正体です。

脳疲労が疲労感を生む

脳疲労は
脳のそのものの疲れでも
脳周辺の筋肉疲労でもありません。

では何が原因かと言うと
活性酸素の増えすぎと、それに伴う自律神経の乱れです。

活性酸素とは


呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部
(約1〜2%)は、物質を酸化させる力を強く持つ
活性酸素に変化します。

活性酸素は
ウイルスや細菌を退治してくれたり
不要になった細胞を分解して
新しい細胞に入れ替えてくれるなど

体にとって必要な存在ですが
過剰に増えてしまうと
健康な神経細胞を攻撃する
厄介者となってしまいます。

疲労感の発生


神経細胞が攻撃を受けると
老廃物が排出されます。

その老廃物が増えると

疲労因子FF(ファティーグ・ファクター)という
タンパク質が発生します。

この事態を知覚するのが
眼窩前頭野です。

眼窩前頭野は
前頭葉の下部に在ります。

『これ以上、脳や体を動かすのは危険だぞ!』と
眼窩前頭野がアラームを発した時

私たちは「ダルい」「体が重たい」「しんどい」と
疲労感に苛まれるのです。

自律神経の乱れ


活性酸素の過剰な増加は
神経細胞以外にも影響を及ぼします。

それが自律神経です。

活性酸素が増えすぎると
自律神経の機能を低下させるため

結果として
脳のパフォーマンスを下げてしまいます。

まとめ

脳疲労は
脳そのものが疲れているのではありません。

その原因は

活性酸素の増えすぎによって自律神経が乱れ
脳のパフォーマンスが下がるからです。

自分の体が脳疲労を起こしているかどうかを
教えてくれるのは眼窩前頭野です。

活性酸素が増えすぎると
眼窩前頭野が反応し

「脳疲労」という現象を使って
警告してくれているのです。




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