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【7歳】先生でもある父との初共演

3回目の国立劇場は、1日に2つの演目に挑戦しました。

そのうちのひとつが「五条橋」

父と二人での舞台です。

私が牛若丸、そして父は武蔵坊弁慶。

12分ほどの舞台ですが、昔話 牛若丸で弁慶と出会い、戦ったのちに

弁慶が家来になるまでの内容がぎゅっと詰まっています。

私にとって坂東寛二郎は先生でもあり、父でもあり、

2人の舞台というのもまた、学びと発見の多い時間です。

父として娘をフォローしてくれることもありましたが、

やはりベースは、どんどん父が先を行き

その後を必死で追いかけるように踊っていました。

父と一緒の舞台だから困ったら助けてくれると思わず、人任せにせず、

自分できちんとしなければならないと学んだ舞台でした。

特に五条橋は、たちまわり(戦う場面)が多く

曲のこの部分でこうする という細かな動きを覚える必要がありました。

父に何度も何度も稽古をしてもらいながら、

行進やダンスでは聴くことのないリズムをひとつずつ掴み取るように

覚えていきました。

あの当時一生懸命覚えた影響で、

今、五条橋を聴いても父の指示する言葉をそのまま言えます。

とても思い出深い、演目になりました。

ちなみに、23歳になった今でも

父との舞台では同じことが起こります。

父はスタートからガンガン飛ばし、最後までペースを崩さず飛ばし続けます。

打ち合わせと全然違う姿に驚愕?困惑?しながらも

必死に追いつくためについていきます。

舞台を愛して、舞台に敬意を持つ父の背中を見て

これからも色々と教わりたいです。

日本舞踊家 有馬和歌子


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