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日本庭園から見る中国文化④~景物2~

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▲兼六園(金沢市)の象徴である琴柱(ことじ)燈籠。(写真:牧野貞之)


燈籠

燈籠は本来仏に灯明を献ずるためのもので、古代の朝鮮半島経由で中国から日本に伝わった。古くは木製もあったが、その後石燈籠が主流となった。韓国の寺院には、新羅時代の優れた石燈籠がいまも保存されている。


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▲韓国国立慶州博物館の新羅時代の石灯籠

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▲韓国慶州仏国寺の多宝塔。古代の朝鮮半島では石造美術が発展した

(写真:田中昭三)


日本庭園に燈籠を持ち込んだのは、侘茶の大成者・千利休(1522 ~1591)とされている。庭園では蹲踞(つくばい)の灯りや、苑路の主要地点に置いて注意を喚起する「見付(みつけ)」の役割を果たすことが多い。
燈籠は基礎・竿・中台・火袋などからなる。庭の燈籠には創作型が多く、主人の好みによって使い分ける。燈籠の据え方にも変化が生まれ、基礎の部分を省略し竿の部分を土中に埋めることもある。これを「生込(いけこみ)燈籠」という。さらには竿も省略し、中台あるいは火袋を石の上などに直接置く様式も現れた。これを「置き燈籠」という。


さまざまな燈籠

P51袖型

▲袖型

P51岬型

▲岬型

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