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年上の彼女に突然振られたときの話

今から7年か6年前、
当時わたしが24歳か25歳のとき、
5歳年上の彼女がいた。

え、当時の彼女より、
今のわたしのほうが年上だ!

本州の西の方に住んでいて、美容師だった。
彼女はかっこよくて、やさしくて、大人だった。
今思えば、うんと大切にしてくれた。

でもわたしは大切できなかった。

唐突に振られた夜

遠距離で、月に2回くらい、
新幹線や夜行バスを使って会いに行ってた。
毎回、会えるのが楽しみでしかたなかった。

付き合って一年くらいたって、
ちょうどわたしの誕生日の時期だったからお祝いしてくれた。
素敵なプレゼントも用意してくれた。

横浜に帰ってきて、
最後に会った日から2日後に
突然電話で別れを告げられた。

「え?なんでどうしたの?
最後会ったとき普通だったじゃん、、」

全然受け入れられなくて、

せめて会って話したいからそっちに行きたいって懇願したけど、
「来てくれても、気持ちは変わらない」と。

あれこれ別れの原因となるようなことを考えて
反省して、でも本当のところはわからなくて、

だけど最近になって、ようやくわかった。

わたしは彼女を愛してなかった

それを、彼女はしっかり感じ取っていたんだと思うんだ。

わたしは彼女のことが好きだった
でも、愛してはなかった。

最後に会ったとき、わたしの誕生日のとき、
彼女は風邪をひいて熱があった。

それでも、お祝いしてくれた。
今思えば、それだけで十分すぎるくらいなのに。
感謝することなのに。

だけどわたしは
「熱で寝てばっかでつまんなかった」って思いながら横浜に帰った。

「せっかく誕生日なのに、なんで熱なんかだすの」
「月に数日しか会えないのに、なんで体調万全にしてないの」
「だったら元気なときに会いたかった」

って、言いはしなくても
彼女を責めたい気持ちばっかりだった。

とにかく当時のわたしは、
彼女が熱で辛いことよりも、
自分が楽しい気持ちになれなかったことにガッカリしてた。

きっとこの誕生日のときだけじゃない。

日常のふとした会話の端々に、行動に、
「1番大事なのはあなたではなく自分です。」
というメッセージを感じ取っていて、

最後の日。

表面的には看病しながらも、
奥底では思いやりのないわたしの心を感じて、

彼女の中でなにかがプツリと終わったんだろう。

積もりに積もった結果であって、
彼女にとっては突然ではなかったんだと思う。
きっとずっと悩んでた。

自分が1番の恋愛なんて、ただのオナニーだ

愛してくれない相手を、
愛し続けるなんてできない。

守ってばかりで、
自分は守られない関係なんていずれ限界がくる。

自分は大切。
だけど相手のことも同等かそれ以上に大切にするのが、
きっと愛すること。

彼女の選択は懸命だったと思う。
見捨ててくれてよかったと今なら思う。

全く気づけなかったわたしは大バカもので、
あまりに未熟だった。

彼女に何度虚しさを感じさせたんだろう。
どれほど寂しかっただろう。

誕生日なんてどうでもいいから、
話せなくても、触れ合えなくてもいいから、
ただ看病するために会いに行くべきだった。

楽しい時間を過ごすだけなら、
相手の外見やイメージやSEXが好きなだけなら、
付き合う資格なんてない。

付き合うって、愛し合うって、
相手の心や人生を守り合うことだ。

失ってからじゃもうなにもかもが遅い。

ものすごい時間差だけど、
彼女にめちゃくちゃ感謝してる。

これからの人生に、
彼女がくれたものを必ず生かしたいから
書き記しておく。