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京都府福知山市・海眼寺様納品してきました
福知山城下の寺町に並ぶ寺院群の一つに、今回納品してきた海眼寺様があります。海眼寺様は臨済宗南禅寺派に所属する寺院で、境内地には山門・本堂・庫裡・観音堂・鐘楼を構え、いつもきれいに整備されています。
今回弊社に御下命のあった仏具は、観音堂宮殿と六葉や高欄金具など建築金物の修理でした。海眼寺様をご紹介いただいた能勢先生は、福知山に工務店を構える建築士さんで、京都府文化財マネージャーの先輩でもあります。
今回もたくさんの社員さんと職人さんに助けられながら、無事納品することが出来ました。
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海眼寺様はたびたび氾濫する暴れ川・由良川に近く、ご住職にお話を伺ったところ、観音堂も含めて境内の建物は幾度も水害に遭ったそうです。観音堂の荘厳仏具に記された「万延」や「文久」という年号からも、おおよそ1860年代以降順次現在の伽藍に整えられてきたようです。
宮殿の修理に話を進めますと、
水害によって反った板や腐った部材は、修理の際に大部分を新材に取り換えてしまうことが多いのですが、今回はできるだけ当初材と思われる部材を使用して直していきます。
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海眼寺様の宮殿の特徴の一つに、「胡粉地」が用いられていました。漆塗下地の胡粉地は、カキなどの貝殻を風化させ粉砕した粉と膠を混合させた下地で、若林佛具製作所が普段使用する珪藻土と膠を練った「半田地」とは違いました。上記の写真では、朱漆が剥離したところに白色の胡粉地が見て取れます。今回の施工では、協議の末、より堅牢な半田地を用いて施工することになりました。
朱漆・黒漆・ウルミ漆の塗分けがあり、斗組には彩色を施し、要所に金色金具で装飾した海眼寺様の宮殿を修理するにあたり、基調となる朱漆をいかに”映えさせる”か、塗師と何回も協議をして「鮮やかな朱」で施工することにしました。
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最後は、いつものように若林佛具製作所製作部と協同しての納品となりました。
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若林工芸舎 船倉
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