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【詩】透明の木

どこにでも行ける 足があるね
飛ぶようにステップ踏んで
石畳だって走れるさ

ガラスにも鏡にも映らないぼくは
まるで神様のように
みんなの暮らしを眺めてさ
ひとりぼっちでいつも
きみたちの宝箱の中身も、
最後のメダルも知っている

神様はひとりぼっちなんだろうか

暗い夜に冷たい雨
街の灯りがオレンジ色に浮かんでも
きみを待つドアはどこにもないのだ

不思議な傘で雨宿りをしていきなよ
ぼくだって 命を宿している
藍い世界に佇む月をそのまま透かす
ねえ、きみの名前を教えて

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