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第38回読書会『ワーニャ伯父さん』第一幕

さる11月20日(土)に読書会を行いました。6人の皆さんにご参加いただきました。ありがとうございました。

さて、1週間経って、もう一度『ワーニャ伯父さん』第一幕をふりかえってみたいと思います。

なぜ『ワーニャ伯父さん』かというと、映画『ドライブ・マイ・カー』での本読みのシーンが心に強く残っていたからです。

映画『ドライブ・マイ・カー』についてはこちら。

まず、主宰者も参加者もほぼ予備知識なしで、いきなり役を決めて音読をしました。ちなみにわたしはマレーナ役。マレーナというのは、年寄りの乳母。

一応、メンバーの皆さんが選びやすいように、セリフの多寡を1、2、3というように書いておいたんですが、それがめちゃめちゃ外れていたという……。みなさん、ごめんなさい。

で、みんなで読んでいったんですが、なかなか相関関係が頭に入らない感じでした。ただ、そこいらじゅうに名言は散りばめられているので、これは名作なんだ〜という空気を感じました。

あらすじを簡単にいうとこんな感じです。

舞台はロシアの田舎のお屋敷。ここはワーニャ伯父さんの死んだ妹の夫、セレブリャーコフのお屋敷です。セレブリャーコフには新しい妻エレーナもいます。そのほかにも、医者のアーストロフや下男なども出てきます。その登場人物たちの他愛もない会話(他愛なくもないかもしれない)から、どんどん『ワーニャ伯父さん』の世界に引きこまれて行きます。第一幕の最後にワーニャ伯父さんがこのエレーナに恋をしていることがわかります。

最初の場面で、マリーナがサモワールでお茶を入れているシーンがあるのですが、読了後の雑談会では「サモワールって何?」ってなってみんなで調べたりしました。ロシアのお茶を入れるポットみたいな感じですね。皆さんもググってみてください。

その後も雑談会ではみんなで、相関図を作ったり、ワーニャ伯父さんやその他の人柄について、印象を語りあいました。『蟹工船』ではいい労働者と悪い資本家とまっぷたつにわかりやすかったんですが、このお話では、主人公のワーニャ伯父さんのどうしようもないまるで中2のような性格についてああだこうだと言いあいました。なんか文学というのは思春期を引きずっている中年が主人公にならないと始まらないんじゃないかな。

最後に、たくさんの名言がありましたが、わたしの心に残ったのはこれです。

何がわれわれの本職か、という事は、神さまだけがご存知です。

アーストロフが森や林が好きなのに対して、本職の邪魔にはならないのかと尋ねた時の、アーストロフの答えです。いいですよね。じわっと心にしみます。わたしもいろんな仕事をしていますが、どれが本職かということは神様だけが知っているから、全部それなりに頑張ればいいんだなーって思いました。

第二幕も楽しみです。12月4日(土)1900JST- Zoomにて。
参加希望の方は、ツイッターのDMで連絡をお待ちしています。

では、また!

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日本語教師でライターが日常をみつめるエッセイです。思春期子育て、仕事、生き方などについて書きます。

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