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詩のようなものまとめ

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詩のようなものまとめ
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詩10.『価値』

詩10.『価値』

僕の1秒とあなたの1秒が同じでないように
与えられた時間は平等ではない

僕の1cmとあなたの1cmが同じでないように
僕の物差しは あなたのものよりずっと細かい

僕の1gとあなたの1gが同じでないように
僕は僕の癌細胞の分だけ あなたよりも少し重い

僕の1円とあなたの1円が同じでないように
僕はそのパンケーキに価値を見出せないでいる

僕の一瞬とあなたの一瞬が同じでないように
僕はその瞬間 

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詩9.『虫歯』

詩9.『虫歯』

冷たい螺旋構造をもつアイスクリームを
無秩序なモニュメントへと昇華していく僕は
痛みという名のアヴァンギャルドを相手に
静かな静かな合戦をする

そこにいるのが鈴虫であれば
僕の声に涼しい伴奏が乗るのだが
陣取ったのは解体を生業とする曲者たち
進行形のトンテンカンが心地よい不快感を生む

保護観察も満期を迎え
白衣の悪魔が大袈裟な狂気をその手に握る
小さき弱さは
僕には強すぎた

鏡に映るアシンメ

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詩8.『切り捨てられた1の位』

詩8.『切り捨てられた1の位』

小学生の頃
四捨五入を教わった
4以下の数字たちには切り捨てられる運命があることを知った

切り捨てられた1の位はどこへ行くのか

当時の私は私を数字とするならば
5から9に入りたいと心から思った
決して1から4には入りたくない と

しかし今私は
5から9にも1から4にも入りたくはない

私は0でありたい

切り捨てられも切り上げられもしない
虚無であり永遠でもある0に

私の中の私を見ようとも

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詩7.『背負うもの』

詩7.『背負うもの』

私も大空を飛んでみたい

あなたがその背中に背負っているものを下さなくては空は飛べないよ

それはわかっているけど
これは私が生きてきた道で得た大切なものなの

一体何を背負っているの?

えーっと
"普通"からはみ出さない規律性と道徳
他人の意見に自分を合わせる柔軟性と優しさ
何にでもすぐに反応する俊敏性と敏感さ
周りに頼らない自立性と忍耐力
他には…

そんな軽いもの
飛べない理由にはならない

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詩6.『背中合わせ』

詩6.『背中合わせ』

目を逸らしても
真剣に向き合っても
それはあなたを静かに見つめている

体を気遣って走ろうが
一日中ゴロゴロしていようが
それは常に側にいる

大富豪だろうが
ホームレスだろうが
それは平等にそこにある

酒を飲もうが
豆乳を飲もうが
それはなんでも受け入れる

わたしが気付かないだけで
それは常に背中合わせだった
いや
背中の冷たさには気付いていたのに
気付かないフリをしていただけだ

いつか自

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詩5.『ふたつでひとつ』

詩5.『ふたつでひとつ』

あなたを助けたくて

両手に掬った光を
こぼさないように飲み込んだ
同時にあなたの影が薄れていった

急いで両手に影を掬って
こぼさないように飲み込んだ
同時に私の影が暗く深くなった

喉に手を入れるが
出てくるのは影だけ

必死に掴んだあなたの手の
その先がもう見えない
踏ん張ろうにも私の体は影に沈む

あなたの両手をずっと握っていれば
救えたかもしれないのに
光に頼り 光を掬ったこの手では

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詩4.『蜘蛛』

詩4.『蜘蛛』

世界一優柔不断な生物は蜘蛛だろう

一晩時間をくれないか
と彼が言うものだから
僕は待つことにした

君は将来どうやって生きていくの?
と聞いただけなのに
すぐには答えが出ないらしい

翌朝、彼は言った

一晩考えたが答えが出なかった
あみだくじで決めさせてくれないか

一晩かけて寝ずに作ったあみだくじ
驚くべきはその複雑さ
よっぽど考えたのだろうが正直鬱陶しい

しかしながら
国の未来に無関心な

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詩3.『傘』

詩3.『傘』

その傘には穴が空いていた
君は穴が空いたから捨てられていたの?
泣くことなんてないさ
君はこんなにも素敵な個性を手に入れたんじゃないか
僕は穴の空いた君だから拾ったんだ
ねえ 君をさしてみてもいい?
その窓からどんな景色が見えるの?

ほら空を見てよ
その窓から虹が見える
ほら影を見てよ
窓から入った光が小さな芽を照らしてる

君はもう何かを遮るためだけに生きるんじゃない
美しい景色を切り取ること

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詩2.『流星』

詩2.『流星』

流れることを選んだ星は
流れる前に何を考えていたのか
それがわかれば
救われる命があるのかもしれない

天文学者はそんな必死になって何を探してる?
その星が何歳か調べてるけど 還暦祝いでもするつもり?
その星が地球からどれだけ離れているか調べてるけど 旅行の計画でも立てているの?

僕が知りたいのはそんなことじゃない
夜空を彩る美しさを捨ててまで
無数の中に属する安心を捨ててまで
一瞬を全力で生き

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詩1.『あの子の瞳に僕は咲かない』

詩1.『あの子の瞳に僕は咲かない』

あの子の瞳に桜が咲く
あの子の瞳に僕は咲かない

あの子の瞳に向日葵が咲く
あの子の瞳に僕は咲かない

あの子の瞳に金木犀が咲く
あの子の瞳に僕は咲かない

あの子の瞳にスイセンが咲く
あの子の瞳に僕は咲かない

僕には美しい花が咲くことはない
けれども羨ましいとは思わない
僕には名前もない
けれども羨ましいとは 思わない

僕にはあの子のことを一年中見ていられる強さがある
けれども羨ましい
僕に

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