詩4.『蜘蛛』
世界一優柔不断な生物は蜘蛛だろう
一晩時間をくれないか
と彼が言うものだから
僕は待つことにした
君は将来どうやって生きていくの?
と聞いただけなのに
すぐには答えが出ないらしい
翌朝、彼は言った
一晩考えたが答えが出なかった
あみだくじで決めさせてくれないか
一晩かけて寝ずに作ったあみだくじ
驚くべきはその複雑さ
よっぽど考えたのだろうが正直鬱陶しい
しかしながら
国の未来に無関心な日本人よりは
よっぽど未来を考えている
教えてくれ
いつになったら日本人が国の未来を考えるようになる?
彼は少し悩んで言った
一晩時間をくれないか
翌朝、彼は言った
国が滅んだ後じゃないかな
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