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ショートショート19.『うまい棒スピード味』
モテる、に繋がる要素としては、顔、性格、清潔感、社会的地位など様々あるわけだが、ときに小学生においては、足の速さが上位にランクインする。足の速い個を魅力的に感じるようDNA に刻まれているということになるのだが、その理由はわかっていない。神様と対話できる機会があれば、なぜそうしたのか、ぜひ理由を聞いてみたいものだ。
小学生の間で、ある駄菓子が流行した。その駄菓子を食べると足が速くなるという噂が広
ショートショート18.『将来の夢』
「ぼくの将来の夢は、お父さんをころすことです。」
潟江小学校6年2組の授業参観で、耕哉は教室にいた20名余りの生徒とその保護者の前で、堂々と将来の夢を発表した。生徒たちはもちろん、そこにいた保護者たちの中でも動揺が走り、平然としている者はいなかった。耕哉ともう一人を除いては。
「(おい耕哉…何言ってんだよ…。)」
幼馴染の亮が後ろの保護者たちを気にしながら心配そうに声をかけた。
「耕哉くん
ショートショート17.『ブラック企業』
「有給とらせてください」
「ダメだ」
「何でですか!もう50年近く休まず働いてきたじゃないですか!他の連中は休んだりしてるじゃないですか!」
「そうだな。でもお前はダメだ。お前は休んではいけない運命なんだ。これからも休まず働いてくれ。」
「…なんだよこのブラック企業。…もういい。やめてやる。」
「おい待て!早まるな!」
小さな村のある民家でお葬式が開かれていた。
「まだ50歳なのに、