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わかるかな~、わからないだろうな~

「人の気持ちを考えなさい!」

この言葉はつい言ってしまうが、大人にだってわからないのに人生経験の少ない子どもにはもっとわからないだろう。

今朝はそう言う私も人の気持ちを考えていなかったと反省し、息子が摘んできた菊を入れていた瓶をちゃんとした花瓶に替えて、リビングに飾りなおした。

息子はちょっと嬉しそうな顔をして、サッカーの試合へと出かけて行った。

息子がこの花をくれたのは3日前のこと。

友達と二人で遊びに出た息子を迎えに公園へ行くと、どこかで摘んだ菊の花を手に二人でニコニコしながらこちらへ歩いてきた。

きれいな花を見た男子二人は、母へのプレゼントにしようと思ったのだろう。しかし、そんな可愛い想いは残念な結果に。。

「どこから取ったの?勝手に摘んじゃだめでしょ!」

まさかの叱責に焦るふたりは口々にウソをついた。

『イヤ拾った!』
『落ちてた!』

残念ながら、あきらかに野の花ではない。

「そんなわけないでしょ!!」

友人親子と別れて家に帰ると、息子に2つのダメ出しをした。

一つは嘘をついたこと。
もう一つは誰かが育てている花を摘んではいけないということ。

息子に野の花と育てている花の違いを説明し、「大切にしている人の気持ちを考えなさい」と話しながらこう思った。

わかるかな~、わからないだろうな…(あぁ懐かしいフレーズ)

『どんなことをされたら人は嫌な気持ちになるのか』これは実際に体験してみないとわかるものではない。たとえ経験したとしても同じように感じるとも限らないし、痛すぎる体験をしすぎると、ちょっとした痛みなどたいしたことがないように考えてしまうこともある。

人の気持ちがわかる人には、一朝一夕でなれるものではない。

想像力の欠如からのいじめやトラブルは、大人の世界にだって溢れているのに子どもに対して「人の気持ちを考えなさい」という叱り文句は、我ながらずいぶんと雑だな。。。

なんて考えながら、息子が摘んできた花の花瓶を今朝は替えたのでした。

おしまい。

ん?

あら!?

ちょっとまって、わたし。

今さらながら気が付いた。
「人の気持ちを考えなさい」って、私にも必要な言葉じゃない?

お母さん喜ぶだろうなと思って、私の為に摘んでくれたのに息子に言ってないことがある。

息子が帰ってきたら一番に言わなくちゃ!!

「ありがとう」ってね。


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