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イタリアンファミリー|カミーノ・デ・サンティアゴ巡礼日記#8

2015/8/7
ログローニョ〜ナヘラ 31キロ

昨日の夜は外が騒がしくて眠れなかった。いやに蒸し暑く、持ってきたモンベルの寝袋から這い出して、ダウンの上で無理やり寝ようとするけれど、背中が蒸れて汗でベタつく。

そんなこんなで、うまく眠れずに4時には目が覚めてしまいました。いくら何でも早すぎると、ゆっくり準備に取り掛かり5時半に出発です。

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外は真っ暗。夜明け前のログローニョの街は昨夜の喧騒が嘘のように静まり返っています。所々にあるオレンジの街灯がスペインの旧市街の街並み石畳を照らします。
寝不足の頭にはロマンティックな街並みも早朝の冷たい風も効果はなく、まるでゾンビのようにうつろな瞳で矢印に従い歩き続けます。

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オレンジの街灯の下を1時間歩いたところで、やっとログローニョの街を抜けました。地図を見ると次の街までは13キロ程。早朝から開いている店が見つからず、今日はまだ朝ごはんにありつけていません。昨日買った桃にかぶりつきながら、うっすらと明るくなってきた郊外の田舎道を歩きます。

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公園にある池のようなところに差し掛かったところで、朝日が登ってきました。オレンジの光が湖を照らします。

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池を越えた所で、4日目、5日目にザリキエグイで一緒だったヴィドに再会しました。

ヴィドが話しかけてくれたのに、ボーっとした頭で言葉が理解できなくて、適当な返事をしてしまいました。困った顔のヴィドを見て、ハッと我に返り急激に眠気から覚めました。
ヴィドがやさしく「朝食は?」言うので、「桃だけ・・・。」と応えると、またしてもパンとチョコレートをくれました。5日目に引き続き2度目!なんて優しいの〜!

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太陽もすっかり登り、今日もいい天気。ヴィドとお互いの家族の話や国の話しをしながら歩きます。ヴィドも家では猫を飼ってる愛猫家らしく、ちょうど飛び出してきた猫に和みながら話が弾みます。

今日は山越えの日。カミーノで歩くスペインの州の境目ではだいたい山を越えなくてはいけません。
小さな村を越え、だんだんと山道になってきました。茶色の土の上をそれぞれのペースで登っていきます。山頂にあったベンチに着いた所で、ヴィドがチョコレートとパンとチーズをくれました。さっきのカフェでもカフェコンレチェ奢ってもらったばかりなのに!

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景色のよい山頂からは、遠くに村や街が見えます。一気に山を降り、いくつかの町や村を通り抜けて2時間半ほど。Najera/ナヘラの町に到着しました。

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町の入り口から今日宿泊しようと思っている巡礼宿までは川を越え20分程。今日の宿はムニシパルと呼ばれる公営の巡礼宿(アルベルゲ)です。

巡礼宿アルベルゲ豆知識
アルベルゲには公営と私営があり、どちらも長所、短所があります。公営は「ムニシパル」と呼ばれています。一概にどちらがいいということもなく、結局は宿によるとしか言いようがないと思います。
公営の特徴は宿泊料が寄付(ドネーション)だったり、5〜10ユーロと格安のところが多く、ベッド数もたくさんあるので利用しやすい反面、デメリットは連泊ができない点です。どんなに疲れていても、病気・怪我などの理由以外では1泊しかさせてもらえません。その点、私営は連泊OK。施設も公営より充実している所も多く(キッチン、洗濯機など)ベッド数も少なめで快適なのですが、宿泊料がやや高い傾向にあります。同じ街で連泊したい場合は初日に公営、2日目に私営に移ればOKです。
アルベルゲ選びに失敗したくないペリグリーノは口コミを参考にしているようでした。(わたしは毎回行き当たりばったりで決めていました。)仲間が多い陽気なペリグリーノはいい宿を知っているので大事な情報源です。アルベルゲ情報を制する者は巡礼を制します。

宿に到着後、ベッドを確保したら休む間も無くシャワーと洗濯のルーチンをこなします。今日は早い時間の到着だったので、シエスタタイムもたっぷりと。

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夕方になり、アルベルゲ前の芝生でストレッチをしながらゴロゴロしていると、ヴィドがイタリアンファミリーとのディナーに誘ってくれました。お言葉に甘え一緒のテーブルにつくと、本物のイタリアンマンマのトマトパスタの山盛りが。
見た目はトマトのシンプルなパスタなのに、お、おいしい〜〜〜!なんでこんなにコクがでるのか。美味しすぎてがっついていたら、お皿に山盛りにしてくれました。みんなニコニコとワインが進んでいます。

イタリアンファミリーたちは別々に巡礼にやってきたというのに、本物の家族のように仲が良く、歩くのは別だけど、毎日同じ宿に集まってみんなで仲良く食事をしているようです。そんなファミリーの一員に入れてもらったディナー。楽しくて美味しくて最高の夜でした。

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食後にみんなで散歩にでると、宿の前で巡礼者たちの演奏会が開かれていました。ギター、バイオリン、ウクレレ、みんな巡礼に持参したのでしょうか?歌に手拍子に、輪になって盛り上がる中にそっと入って(いちばん外側だけれど)音楽会を楽しみました。

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