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うつくしい夜明け|カミーノ・デ・サンティアゴ巡礼日記#7

2015/8/6
ロス・アルコス〜ログローニョ 28キロ

いつも通り5時起床。同室の人たちはすでに出発して誰もいません。一体何時に起きているのだろう?

外に干してあった靴下を取りに行くと、今から出発しようとしているトクチンとばったり出会しました。トクチンはバックパックを背負い「Star Camino」といって空を指差します。8月の5時の空はまだ真っ暗で、夜明け前のまばらな星が広がっていました。

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6時に準備完了、出発です。いまだに準備に時間がかかるのはなぜだろう。A型だから?準備の早い人、遅い人、雑な人、きっちり前日から用意万端な人、様々です。

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ロス・アルコスの街を抜け、今日も小麦畑を進みます。
背後から日が昇り始めました。雲がうっすらと漂う空。美しさに思わず歩みを止め、辺りを見回しながら早朝の空気を思い切り吸い込みます。眩い光がペリグリーノを照らします。

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こんなに美しい夜明けの中を歩けるだけで、カミーノに来て良かったと心から思った朝。足は相変わらず痛いけれど、身体は軽くなんだか調子がいい。シャッターを切り続けながら、どんどん進みます。

(たくさん撮ったのでまとめて掲載↓)

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11時半頃ビアナに到着しました。目抜き通りのバルでランチ休憩です。
バルのカウンターで注文をしようと待っていると、前の人がコーヒーと氷だけ入ったグラスを注文していました。今までアイスコーヒーって存在するの?とちょっとした疑問だったのですが、なるほど!そうやって注文すればよいのか〜とひとつ勉強になりました。

カフェコンレチェと氷だけ入ったグラスと生ハム入りボカティージョ(サンドイッチ)を注文して、テラスでのんびりランチタイムです。

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パン<生ハムのボカティージョなんて贅沢。カフェコンレチェはのこりをアイス入りコップに流し込み一気飲みしました。うまい!

ビアナは程よい大きさの町で、居心地もよくこのままここに泊まろうかなと迷ったのですが、まだ時間も早いし、当初の目的地ログローニョに向かって再び歩き始めます。

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町の出口にあった教会

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休憩中のおじさんと剥がれた壁画

ビアナの町の出口で、よく顔を合わすイタリア人の男性(名前を失念・・・)と出会ったので、一緒に歩くことに。
彼は日本文学好きらしく、三島由紀夫を読んだことがあるそう。おお・・・。宮崎駿アニメのファンで、「紅の豚」と「もののけ姫」が特に好きとのこと。さすがイタリア人。紅の豚いいよね。わたしも好き。

巡礼中はイタリア人がとても多かったように思います。本当にたくさんの人が親切にしてくれました。特に仲良くなった人たちはファミリーのように受け入れてくれて、カミーノの中でも大切な思い出のひとつです。

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町の入り口にいたコウノトリ。
巨大な巣を教会やこういった高いところで見かけます。

イタリア人の彼とのおしゃべりのおかげで、午後のきつい時間も難なくクリアして、あっという間に本日の目的地ログローニョに到着です。

13時半ムニシパル(公営のアルベルゲ)へ。受付は14時からオープンらしく、入口にはズラ〜っとバックパックが並んでいます。私たちもバックパックを置いて一息つきました。

無事に今日のベッドを確保し、到着後のルーチン(シャワー&洗濯)を手早く済ませます。洗濯は基本手洗い、手脱水、自然乾燥です。洗濯場も干す場所も限られているので、大きなアルベルゲではタイミングを見計らわないといけません。

やることを済ませたらシエスタタイム(昼寝)。焦って昼すぎに出かけると、シエスタ中で店が空いていないことも多く、スペインの強烈な夏の日差しの下では、大人しく昼寝をするに限ります。

16時半過ぎ、まずはサンアフタークリームを探しに薬局へ向かいます。ここ2日間ほどスパッツを履かず生脚で歩いたせいで、ふくらはぎの日焼けが酷いことになっていました。まわりの欧米人はみんな生脚だし、スパッツは洗濯が面倒だからと油断した結果です。紫外線耐性ゼロのふくらはぎの白い柔肌は、あっという間に真っ赤に焦げ付いてしましました。

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バルを覗くと美味しそうなタパスがずらりと並んでいます。小腹も空いたし、中に入ろうかな、でもひとりで入るのもな・・・と悩みながらウロウロしていると、昨日ロス・アクロスで同じ宿だった韓国人のチャンとインテに再開しました。

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彼らはスーパーで食材を買い出しに行くところで、一緒にどうと誘ってくれたので便乗することにしました。
スーパーでパスタとビーフとサラダの材料を買い、彼らの宿のキッチンで3人でクッキングです。チャンとインテの英語力はわたしと同レベルで、それがむしろ話しやすい。間違っていようが、伝わればいいという感じでガンガン話せてとっても気楽です。
調子にのって買い込みすぎたせいで、3人分とは思えない量の食事を作り、お腹がはちきれそうです。もう食べられない!でももったいない!と伝えたいけれど「もったいない」って英語ないんじゃなかったっけ?と思い、日本語で「もったいないよね」ってそのまま言ったらなぜか通じました。韓国語では「アッカプタ」と言うみたいです。

大満足のディナーの後、21時にムニシパルに戻り、22時就寝。都会の夜は騒がしく、暑く、寝苦しい夜となりました。

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