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持続的に機能する組織づくり #79 チームビルディング

人は、一人で成し遂げることができることには限界があります。
そのため、より大きな目的を実現するために組織を形成します。
しかし、複数の人たちが集いさえしたら、大きな目的を果たせるかといえば、決して、そのようなことはありません。
むしろ、個人で活動していた時の方が生産性が高いということもあり得るのです。

なぜなら、同じ目的を果たすために集った人たちだからといって人格や能力、方法論なども同じとは限らないからです。
その意味でも、個々が持ち得た能力を最大限かつ有効に発揮できる組織づくり、つまり、チームビルディングが重要となってきます。

チームビルディングのプロセスを体系化させたものに心理学者のタックマンによって提唱されたタックマンモデルがあります。
具体的には、組織が形成されてから起こる変化を段階分けしてとらえた概念となっています。
タックマンモデルでは、組織を形成してから実際に機能するまでに、5つのステージをたどるとされています。

ステージ1:形成期
組織の結成初期の組織を構成する個々のコミュニケーションが取れていない不安定な状態

ステージ2:混乱期
組織としてあるコミュニケーションが取れ始めるものの、価値観に食い違いが生じ衝突する状態

ステージ3:統一期
共通の規範が形成され、価値観と共に統一されることで、互いを理解し合えたコミュケーションがとれた状態

ステージ4:機能期
持続的で安定したコミュニケーションを基盤として、より高い成果を求められる高いパフォーマンスが発揮できる状態。

尚、タスクフォース(限定)組織の場合は、目標の達成や期間の到達によって、ステージ5としての散会期を迎えることになります。

実際には、単純に、形成期→混乱期→統一期→機能期と右肩あがりにチームビルディングが成されるものではありません。
組織とは、人間で形成されている以上、正に、生きものです。
統一期から混乱期に戻ったり、機能期から統一期に戻るどころか、混乱期にまで戻ってしまう場合もあります。
むしろ、順風満帆にプロセス通りに進む方が少ないと考えます。

大切なのは、混乱期を如何に短期間で脱出できるかだと考えます。
ここを脱出できないと、タックマンモデルにはない崩壊期を迎えることになりかねません。

また、成果を出せているからと機能期であると錯覚してしまう場合もあります。
機能期の前に、なぜ、統一期があるのかが重要なところです。
統一期で形成された規範や価値観は、継続性があって初めて機能期に迎えます。
持続性のない機能期では、何れ、混乱期に戻ってしまいます。

タックマンモデルは、そのステージに照らし合わせることで、組織の状態を客観的に判断する上で役に立ちます。
現状がどのステージにあるのかをマネジャーは当然ながら、メンバーたちが認識し合って、自律的に機能期に向かう、あるいは機能期を持続性のあるものとすることが大切です。

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