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サウナについて語る時に私の語ること

「こんな暑いのに、なんでわざわざ熱いとこに行くの?」

休日。
炎天下の土曜日に今日はサウナへ行ってくると伝えた際に、嫁に言われた言葉である。

確かに外は6月にして30℃を超える猛暑日。
かれこれ20年ほど前から今年は異常気象だ異常気象だと騒がれ始め、最早通常気象がなんだったか思い出せなくなりつつあるそんな昨今。
そんな真夏日の中、わざわざ汗水垂らしながらスーパー銭湯へ赴き、自ら高温の箱に飛び込んで汗水を垂らしに行くなんざ、飛んで火にいる夏の虫もびっくりの愚かな所業に見えるのかもしれない。

だが私から言わせるとそれは違う。
違う違う、そうじゃそうじゃない。
鈴木雅之の威を借り否定させていただきたい。

サウナ。それは楽園。
ストレスフルなこの社会から解放される
まさにオアシスなのだ。

その時の私は、先の嫁からの質問に対し「いや、外のあついは"暑い"でサウナのあついは"熱い"だから」と意味不明な供述をしてしまったがため、異国の人を見るような目で見られてしまった。
次にビシッと旦那の威厳を示せるように、今ここで、サウナについて向き合ってみたいと思う。

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週の半ば水曜日
駆り立てられるかのように
勝利をつかむ為の行為
がんばる自分にサウナでご褒美

思わず韻を踏んでしまう程度にはサウナを愛しているサウナーである。

サウナーには各々、サウナに入る際の手順、いわばサウナルーティンを決めている人が多い。

私の場合は以下である。

①体を洗う
②風呂に入る(1〜2分)
③サウナ開始(5〜10分)
④水風呂(冷たい感覚がなくなるまで)
⑤外気浴
※②〜⑤が1セット。
これを3〜4回行う。

いわゆる「ととのった」状態には早くて2回目か3回目に訪れることが多い。

多くの人が疑問に思うこの「ととのい」状態。
人によっては「体が軽くなって気持ちいい」とか「ふわふわした高揚感」とか表現は多岐に渡る。
これは人によってやはり感覚が違う為、一言で形容し難いものであるからだ。
私にとっての「ととのい」は、
「頭がすっきりしつつ、気力体力に溢れた状態」だと思う。
言い換えると「穏やかな心を持ちながら、激しい怒りによって目覚めた戦士」のような心持ちである。

この「ととのい」中に何が起きているのか、
そもそもサウナ中、体はどうなっているのか。
ダイヤモンド社「医者が教えるサウナの教科書」に詳しい。

内容をギュギュッとすると、
サウナに入ると交感神経が活発になり、
アドレナリンが出まくる。
そのあと水風呂に入ると副交感神経が活発になり、リラックスモードに入る。
これを繰り返すと、体はリラックスモードなのに
アドレナリンが体中にみなぎっている状態になる。これを「ととのった」というらしい。

まさに私の「穏やかな心を持ちながら、激しい怒りによって目覚めた戦士」のような心持ちは過ちではなかったということになる。

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サウナはとにかく熱い。
色々なもやもやすることも
サウナに入るとどうでも良くなるくらい
とにかく熱い。
これがある種のマインドフルネスになり、
終わった後は頭がすっきりする。

だが私の楽しみは、そんなサウナで繰り広げられる常連さんたちの他愛のない会話である。

私の通っているスーパー銭湯には毎日夕方に入りにくる常連さんで溢れている。
同じ職場の人達なのか、はたまた毎日顔を合わせるたびに仲良くなったのか、おじさんたちは楽しそうである。

そのスーパー銭湯では大抵18時にマット交換がある。普通、従業員の方たちがあくせく交換して、中にいた人たちは外で待機するのが普通だ。
だがそのスーパー銭湯は、マットを抱えた従業員の人が来ると誰がとも言わず立ち上がり、新品マットを受け取り、みんなで使い古したマットを回収し、みんなで敷き直す。
常連さんはもちろん、一見さんも総出でみんなで行う。どのマットがどこの位置なのか、完璧に把握できたら立派な常連さんと言えるのだろう。

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世の中、不安なニュースで溢れている。
終わらないコロナ禍。耳を塞ぎたくなるようなニュースも増え、ついには信じたくないような出来事まで起こってしまった。

そんな世の中で生きる我々に必要なものは、
休息なのだろう。

情報は良い悪い関係なく我々を襲う。
情報は多く受け取れば受け取るほど
私たちを蝕み汚していく。

そんな世界で生きるために我々は
情報から離れて、自分の時間を持つ必要が
あるのだと思う。
私はたまたま、それがサウナであった。

この投稿を読んだあなたが、
何か趣味ないし生きる糧を見つけようと
思えたのならば良かったと思うし、
それがサウナであれば尚のこと嬉しい。

こんなどうかしている世の中で生きている
どうかしている私たちへ。
無理せず休み休み生きていこう。

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