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脳は使わない部分はどんどんと衰えていくとされています。

神経回路でよく使われる部分の効率はとても高まりますが、使わない部分の効率はどんどん落ちていきます。

これを脳の可塑性って言います。

つまりまんべんなく使うことが必要ですが、日常の生活においてまんべんなく使うってことが実は難しかったりもします。

日々は繰り返し起こることが多くて、それはある程度パターン化されていきます。

となるとパターン化された動きや思考に関してはもちろん脳を使うのだけど、それは脳の活動効率が上がり、省エネをしていきます。

少し話は変わって、認知症やその前段階で起こる軽度認知障害になっていく以前に、脳内にその原因と目されるアミロイドβやタウたんぱくは溜まっていっていると言われています。

アミロイドβに至っては、発症の30年くらい前からすでにそれが始まっていると考えられていて、発症したときにはすでに時遅しです。

治療するための分子標的薬はまだ開発段階で、副作用が強くて開発中止に追い込まれているものが多く、根治する方法は確立されていません。

認知症の一番大きなファクターは加齢なので、年を取れば誰でも認知症になりえます。

予防方法はどうなんだろうと考えた時に、やっぱり脳神経を成長させることと、脳をよく使うことが大切だってことが明らかになってきました。

脳神経の成長にはBDNFというタンパク質が必要で、それは運動で分泌量が増えるとされています。

私達も成人男性で実験をしましたが(もちろん私も被検者)、運動によって分泌量が増えることは確認できました。

それともう一つ面白かったのが、簡易脳血流量計のテストをした時です。認知症予防プログラムの開発・運用で一緒に仕事をしている脳神経外科の先生と、とある業者さんが持ってきた脳血流計を試しました。

「試してみてよー」と先生。

「そうですね、やってみます」と私。

業者さんが、では・・と私の頭に装着して、会話をしたり漢字を書いたり手足を動かしたり・・・脳血流量はリアルタイムでモニターでき、それなりに変動もあります。但し簡単な足し算引き算では全然動きませんでした。

不意に先生が「256×329=?」(詳細な数字は違ってますがこんな感じ)

???えーっと、えーっと・・・「先生、暗算じゃ無理ですよ(笑)」と言った矢先、脳血流量がこれまでにないくらい増えました。

はー、なるほど、こういうことか。

また、脳を使うにはこれまでにやったことがないことや普段やらないこと、創作活動、運動、とくに有酸素運動、それとデュアルタスク、トリプルタスクといったように動きながら何かを考え表現するということによって、脳血流量が増大し認知機能の低下や改善につながることも分かっています。

やっぱり体も頭も健康でいるためには、良い栄養を摂って、良く動き良く学び良く考えるってことが必要ということですね。

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