見出し画像

たった1人のコンサルティング会社に、クライアントが集まるわけ

はじめまして。経営コンサルタントの吉井りょうすけです。
僕はたった1人でコンサルティング会社を経営しています。厳密には、事務などのサポートをしてくれる方がいますが、所属しているコンサルタントは僕1人。
普段コンサルティングに時間を使っているので、自分のマーケティングやセールスの時間はなかなかとれません。
にもかかわらず2007年に創業し、大企業の役員さんから、フリーランスの方まで幅広くサポートしながら、気がつくともう十数年、会社を経営しています。

僕が独立した時、ある新聞社の役員さんが
「吉井さんおめでとう。これから会社を大きくしなきゃね」といったとき、一緒にいた方が「◯◯さん、古いなぁ、これからは、規模ではなくて利益ですよ」と話してくれた方がいました。そう。たった1人のビジネスでも、新聞社の役員さんよりも経済的に豊かになることができます。仕事を楽しむこともできる。
インターネット、SNS、オンラインで対話するシステム、流通のシステムなどなど、社会的なインフラが整備されているので、僕のように(もちろん必要な規模にはしたうえで)ミニマムの規模で、でも楽しめるビジネスを作りたい方もいるのではと思います。

そんな方に役立つかもと、「たった1人のコンサルティング会社に、クライアントが集まるわけ」を書きたいと思います。



0.こんな仕事をしています。

これまでどんな仕事をしてきたのか、改めて文章で書くのも長くなるので、過去クライアントさんにしたインタビュー記事を貼っておきます。
一部ですが、こんな仕事をしてきました。

ゼロからつくり、日本を席巻した事業のコンサルティング。
社内へブランド意図と戦略浸透する、インナーブランディング。
中国四国地方では、トップレベルのスピリチュアルカウンセラーに。
カリスマの方への、経営コンサルティング。
農業、養豚へ夢を形にする経営コンサルティング。


1.事業を行う「意図」を持ち、伝える。重視する。

まず大切なのは「自分がどうしてわざわざビジネスをつくり経営しているのか、意図を持ち、伝える」ことです。僕は、クライアントさんに収益的に成功してほしいと思っていますが、同時に、「経営のクォリティを高めて、素敵なビジネスを作る」ことを大切にしています。

たとえば、「売上や利益だけを目標に、直線的に考えて生産性を高め」ようとすると、一見効率的そうですが、必要なムダがなくなって、そのビジネスの独自性が失われることが少なくありません(どのビジネスも似てしまうのはそのせいです。つまんないですね)。
だから経営者さんの感性でつかんだことを大切にして、「他とは違う魅力的なビジネス」を作っていくんです。規模に限らず、スタバやディズニー、ほぼ日のような魅力的なビジネスを増やしたいです。

それで、こんなふうに「自分は何をやりたいのか」という意図を持ち伝えることで、「この世界での存在意義」を生み出すことができると思っています。
もし僕が「とにかく収益を高める」ことだけを考えていたら、結果的に、どこにでもいるコンサルタントになってしまうでしょう。
もちろん意図だけでなくて、意図を形にするための具体的な方法論は必要ですが、そういうものも、まず「意図」を持つことで生まれてきます。

あなたは何を実現したくて、そのビジネスをしているのでしょうか?

2.商品のクォリティについて考える。

2つ目のポイントは、「商品のクォリティについて『考える』」です。
本当は「クォリティを高める」と書くところですが、あえて「考える」としました。
それは「クォリティを高める努力」は、大抵の経営者さんはされているからです。僕の場合も「クォリティを高くしよう」としていますが、それよりも「コンサルティングにとって、クォリティとはなんだろう」と、「クォリティの意味」「定義」を考えるようにしています。
そうしないと「今までの延長で何も変えないまま、肩に力だけ入れて『品質を高めている』と思ってしまう」と感じるからです。
考え、理解を深める。そうして初めて、変化できると思います。
あなたのビジネスで「クォリティが高いとはどういう意味なのか」と自分に問うてみると、役立つかもしれません。

ここからは、僕の場合、「クォリティ」をどう考えているかを書きます。

2-1 状況にあわせる力。知恵を生む姿勢。

僕はさまざまな規模の、さまざまな業種のビジネスのサポートをしています。
IT系から芸術、農業、メーカーなどなど本当にいろいろ。投資方法などではなく「人」が絡む場所ならば、サポートできると考えています。(そのために事業の理解を深める努力もします)
いろいろなクライアントさんのサポートをしていることは、結果的に、クライアントさんとの出会いやすさにつながっています。そして、さまざまな状況の方とお付き合いすることで、その他のクライアントさんに伝えられる新しい知見を蓄積することにもつながっています。

「いろいろなビジネスとつきあう」ことができるのには、秘密があります。
それは、それまでない新しい知恵を生む姿勢で、仕事をしていることです。
すでにあるノウハウや知識を伝えるのではなくて、クライアントさんのビジネスや状況を理解して、「どうしたら次のステージに進めるのか」「どうしたらクライアントさんの思いを形にできるのか」「問題を解決できるのか」アイデアを産んでいきます。

僕はそういうふうにクリエイティブに経営に向き合っている。それを(シンプルですが)「クリエイティブ・アプローチ」と呼んでいます
1社1社向き合うと、「1社1社、1人1人ちがう」
ということがよくわかります。

僕のような仕事でない人も、「相手に合わせ、価値を届ける仕事のスタイル」を持つことは有用かもしれません。

2-3 扱うのは「経営」。つまり、広いテーマをカバーする。

一般に、事業内容を絞ることは、とても大事なことです。ただ、コンサルティングに関して言えば、「広い領域をカバーする」ことに、意味があると感じています。

集客やセールスについてもサポートしますし、組織チーム作りもサポートします。最近は、社員スタッフさんがやりがいを持って働ける、自立して仕事ができる組織づくりをしたいという経営者さんが増えました。それから、ブランディングや、ゼロから事業を作るサポートもします。

ビジネスが成長すると、ステージによってテーマや課題が変わってきます。それがわからないと、ビジネスは伸び止まってしまいます。また、経営は本当は、「集客セールス」「仕組みづくり」「構造拡張」など、部分部分のテーマがあるのではなくて、有機的に繋がった一つの塊です。全体がわかることではじめてアドバイスできるレベルのことも、あるんです。
「何を提供することが、お客さんのためになるのか」は、事業によって違いますが、「教科書的なこと」を一度外して考えることも大切だと思います。

ステージによって、大切なことは変わります。


2-4 経営者の内面。「考え方」まで、触れる。(意識の成長も、扱う)

僕は「経営者さんの感性を活かし、素敵なビジネスをつくる」をしているとお話ししました。
「感性を生かす」というのは、「業界やビジネスの常識と外れるけれど、大切にしたいこと」を、ちゃんと大切にし生かすという意味でもあります。
例えば、スターバックスはフランチャイズ展開をしていません。基本、直営店のみです。
フランチャイズ展開をすれば、出店スピードは増します。
けれど、凝ったデザインの店舗は、お金がかかるので作れなくなるかもしれません(素敵なお店を作るにはお金がかかり、フランチャイズの店主さんは、お金をかけたくないかもしれない)し、何より、スターバックスの「価値観」「風土」を、守ることも難しくなるでしょう。
だから「収益拡大へ向けた効率」だけを考えていたら非効率に見える「直営店」をやっているのだと思います。

こういうのは、あとづけで説明すれば「そういうものか」と思いますが、最初の一歩を踏み出すときは、「本当にこれでいいのか」と思う打ち手です。
「まだ常識ではない、答えが見えない考え」を、僕は「感性」という言葉で表しました。

答えがわからない場所に飛び込むのは、勇気が入ります。
でも「感性」を大切にすると、可能性が生まれます。

そして、「感じていること」を経営に生かすと、その経営者さんの内面の課題が、見えやすくなるのもポイントです。

どのビジネスも、経営者さんたちの考えが色濃く反映されるものです。内面の課題と向き合うことではじめて、ビジネスが成長することもある。
経営者の感性に目を向けると、「内面の未熟さ」「もっている恐れ」とも向き合いやすいと感じています。「意識の成長」をサポートできます。

人間的な成熟は、素敵なビジネスを作る時に必要不可欠な要素。
未熟で子供で、利己的なままでは、なかなか素敵なビジネスはできません。

意識の成長のような、本質的なサポートができることも、クライアントさんにとって大きなプラスです。

もちろん、業種によって「本質」は違うでしょう。
ケーキ屋さんにとっての本質的なこと、クリーニング屋さんにとっての本質的なことがあるはず。その本質を考え、提供することでビジネスのクォリティを高めることができます。

経営者の「意識の成長」は、素敵なビジネスを作る鍵です。


2-5 新しい自分に出会うため、外に目を向ける。

たまに会社の内側にこもって、自分のやり方ばかり深めようとする経営者さんがいます。
これは、とてももったいないと思います。
外に目を向け、積極的にあたらしい何かと出会う。そうすることで、僕たちは新しい自分と出会うことができるからです。

例えば、住宅工務店を経営しているとして、「住みやすい家」を作りたいとします。
でも今まで「住みやすい家」を、それほど観察してこなかったとしましょう。
もちろん、たくさんの住宅を作ってきていますし、子供の頃から友人の家など、それなりに家は見てきています。でも「住みやすい家」を探し求める時間が少ないとします。

安藤忠雄さんは、独立してすぐ「住吉の長屋」をつくりました。住みにくさはありそうですが、とてもかっこいい。最初からあんな家を作れたのは、独立前にヨーロッパを周遊して、素晴らしい建築をたくさん見てきたからでしょう。もしも行動範囲が子供の頃と変わらず、友達の家や団地しかみていなければ、発想もその範囲にとどまります。

競合にも、それ以外にも、外に目を向けることで新しい知見を得られる。
そこから「あたらしい自分」を生み出すことができるのだと思います。
いい仕事をするために「外に目を向けること」は役に立ちます。

2-6 必要なパートナーがいる。

1人で仕事をしていると言いましたが、システム開発や、デザインなど、頼れるパートナーはいます。
戦略浸透のワークショップなど、大手企業で同時にたくさんのワークショップを行うときは、コンサルタント仲間でチームを作ります。信頼できる実力者のネットワークがあることで、価値を提供できます。


3.コストは抑える。でも好きなものに囲まれる。

元々僕は、それほどお金遣いが荒い方ではありません。「フランス人は、10着しか服を持たない」という本がありましたが、「え?普通そんなもんでしょう」と思いました。
昔からの友人からも「吉井は変わらないなー」といわれます。腕時計もしないし、車も乗っていません。引っ越しの時にかさばるのは、本くらい。
この姿勢は経営にも(結果的に)生かされていて、比較的コストが抑えられています。

コストが高くなると、コストを賄うための売上が必要になります。
そうなれば売るための仕事に時間をかけることになります。売るための仕事はとても大切だと思いますし、僕も時折宣伝をしますが、売ることに時間をかけるプレッシャーのようなものは少なくなります。
コストを抑えることで、余裕が生まれ、余裕が好循環を生む側面があると考えています。

ただ、「ケチ」になるのとは違います。
好きなものに囲まれて仕事をしたいと思っていて、ミーティングルームはちょっと変なしつらえですし、考え事をするときは、定宿にしている好きな温泉旅館に行って考えます。
そんなふうに自分の感性を大切にすることは、関わる相手の感性を受け止めることにもつながると思う。

コストは抑える。
好きなことは大切にする。
僕はこれ、商売の基本だと思いますが、やはり大切だと思います。

ミーティングルーム。

4.結果を出す。

最後は「結果を出す」ことです。僕はクライアントさんと長くおつきあいして「一緒に経営をするスタイル」のコンサルタントです。起業のタイミングで、「立ち上げだけサポートする」こともありますが、基本的に、長く関わるんです。

そんな僕にとって「結果」にはいくつか意味があります。
1つは、収益的に成長することです。売上や利益を伸ばすことができる。僕にとってとても大切な「結果」です。でも、それだけではありません。
「ずっと引っかかっていて苦しんできた問題が解け、ちゃんと原因から解決できた」も結果です。ブランディングなどのプロジェクトが「当初想定したよりも、いい形で着地する」のも。ブランディングのプロジェクトや、システム開発などは、吉井以外に専門家が入ります。僕はクライアントの会社側の一員として、第三者触媒としてプロジェクトに入る。そういうときは「スムーズにプロジェクトが進んだり」「ここまでいけばいい」と考えていることを超えられるようなプロジェクトになることも結果です。
そして最後に、毎回毎回のコンサルティングで、豊かな時間を過ごせること。これも結果だと思っています。

僕は「プロセス」を大事に経営をしています。クライアントさんがいいビジネスを作るのは、「いいプロセスを社内に持っているから」です。
でも、それは「結果が出でる」ことにつながらないといけない。
「結果」を大切にすることで、サービスのクォリティを高めることができます。


まとめ

長く書きましたが、「品質を高めること」に重きを置いてきたのがわかります。
ただ、「肩に力を入れて、自分は品質が高いんだ」と思うだけではなくて、具体的に仕事の仕方を工夫し続けていきます。自分のビジネスにとって品質が高いとはどういうことかは、いつも考えます。
それと同時に、もともとの性格からでもありますが「コストを抑え」たり、「力のある協力者、パートナー」との繋がりも大切にします。

僕はコンサルティングでも、少し哲学的に「あなたのビジネスにとって、本当に品質がいいとは。いい仕事とは」についてクライアントさんと対話をすることがあります。そういう時間は実はとてもとても重要なのです。

もしもコンサルティングのご用命をいただけるなら、
ぜひホームページから、お問合せください。
最初にお会いするのは「無料」です。

ホームページ
https://www.wacholder.jp/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?