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はみ出しものがたり〜佐賀事務所の開設〜

私は現在、一財)地域・教育魅力化プラットフォームの佐賀事務所スタッフとしての顔を持っています。
本店は松江事務所にあり、唯一の支店として佐賀事務所が登録されている状態です。
なぜ佐賀事務所の開設に至ったのか。
それにはOさんとの出会いを欠かせませんでした。

そもそもの背景

現在、私は佐賀の三瀬村というところに暮らしており、この地域を少しでも持続可能で豊かな暮らしを営める地域にしていくことを目指して、NPOの運営を行っています。
その運営の中で、子どもたちに地域の良さを知ってもらう、地域の大人たちと共に学び合ってもらう、そんな教育環境が必要なのではないかと思うようになりました。

詳細は割愛しますが、その解決策としてフリースクールを開設しようとしたのですがうまくいかず、民間でやるより公教育をアップデートしていくやり方の方が、三瀬にとっても、他の地域にとっても、役立つ取り組みになるのではと思い、地域でより良い教育環境を公教育として提供している団体があれば、そこで武者修行をしようと企んでいました。2021年ごろの時です。
そんな団体なんてあるのかなぁとググっていたところ、なんとあるではないですか!

それが「意思ある若者を育む、持続可能な地域社会をつくる」をビジョンに、「意思ある若者が育つ魅力ある教育環境を実現し、新たな人の流れが生まれるかけがえのない一助となる」をミッションに掲げる、一財)地域・教育魅力化プラットフォーム(以下、CPF)でした。

Oさんとの出会い

「よし、CPFで武者修行をしよう!」と勝手に心に決めた私は、運営するNPOの理事メンバーに、「三瀬のために、ちょっと(5年くらい)島根で武者修行してきたい」と打診した上で、CPFで働くことを考え始めました。
当時の私は、今以上になんの実績もない人間だったので、普通に応募フォームから問い合わせてもスルーされてしまうのではないかと思い、「ツテを辿ってコネで入社するしかない!」と思い、島根で地域おこし協力隊を卒業されていたSさんに連絡をしました。

Sさんにご紹介いただいた島根事業担当のMさん、そのMさんにご紹介いただいた地域みらい留学担当のNさん、さらにそのNさんにご紹介いただいたのが、(当時、事務局長だった)Oさんでした。
Mさん、Nさん、Oさん、それぞれが私の三瀬への思いを受け止めてくださり、その上で一緒に働きたいと思ってくださったのは、本当にありがたいことでした。

とはいえ、お互いのことがよくわからないままに正職員で入社するのはリスクなので、まずは週1日、(当時コロナ禍だったこともあり)リモートワークを始めてみて、それから考えていこう、ということで、晴れて、CPFのオンラインパートナーとなりました。

訪れた転機

社会起業には往々にしてつきものだと思うのですが、普通のビジネス以上に利益を産むのが難しいビジネスモデルになりやすく、CPFも職員の雇用が不安定になるリスクを抱えていました。
社会的評価は広まり、関わるクライアントも増える一方で、今後どのように経営を安定させていくかについて課題を感じておられました。
2021年4月から週1日のパートナーとして関わり始めたのですが、当時OさんはCPFのその問題を解決するために、ファンドレイジングに可能性を見出しており、その観点から佐賀県に注目していたそうです。
実は佐賀県って、全国でも珍しく、地域で活躍するCSO(NPOなどの市民活動組織)に対してふるさと納税を活用したファンドレイジングを後押しする制度を持つ県なんですね。

さらに、こういった地元のCSOだけでは補いきれない知見やノウハウなどを全国のCSOから学ばせてもらい、CSO同士の成長を促していく、という理念のもと、全国のCSOを誘致し、佐賀に事務所を構えてもらう事業も行っているんです。

詳細は忘れてしまったのですがw、Oさんはこの佐賀の取り組みを知ってくださっていて、そして私はNPO運営の関係で、この取り組みを推進している”県民協働課”さんとのつながりがあったため、ぜひこの取り組みを活用して、佐賀に事務所を構え、島根以外の拠点からも”高校魅力化”の取り組みを広めていこう!という話になりました。

CPFが島根から佐賀へ”はみ出す”

そこからの話はあっという間で、6月にはまずOさんが佐賀へ来ることになり、この取り組みにCPFが参画できるのかについて協議を実施。
様々な手続きや審査を経て参画が決まったのちには、CPF代表の悠さんがOさんと共に佐賀へ来て、知事や教育長と面談。
(この時分かったことなのですが、知事も実は前職時代に”高校魅力化発祥の地”と言われる島根県海士町の隠岐島前高校に視察に行ったことがあり、その時に悠さんとも出会っていたそうです。)
ここまでの一連の流れは、私がコーディネートしたというよりも、県民協働課のS課長を中心に課内の皆さんが色々と動いてくださりました。
素晴らしい取り組みも、実際に調整してくださる方々がいないと実現しないわけで、佐賀県のCSO支援の諸活動は県民協働課の皆さんの働きのおかげなのです。いつもありがとうございます。

こうして、私が島根に武者修行に行く、という話は、なぜか佐賀で魅力化の取り組みを広げる、という話にすり替わりw、CPFが島根県から佐賀県へ”はみ出す”お手伝いをすることになったのでした。
三瀬で暮らし始めてから、自分自身がはみ出す経験は数多く行っていたのですが、思えば自分以外の人や組織がはみ出すお手伝いをするようになったのは、この経験があったからこそ、かもしれません。

佐賀県とCPFという二つの組織の”協働”を生むために、いろんな人と対話を重ねながら取り組んだ”ものがたり”でした。
ご覧いただき、ありがとうございました。

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