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ゼロから知っておきたい評価制度について

こんにちは、「WaCCa(ワッカ)の人」です。

採用活動において優秀人材を確保することは人事の仕事の至上命題となっていますが、せっかく費用や工数をかけて採用した人材がリテンションをしてしまうと、会社にとっても大きな損失になってしまいます。
退職を決意する理由は人それぞれ様々ではありますが、「この会社、上司のもとで自分が成長していけるかどうか」という観点は非常に重要なポイントだと思いますし、その根底には、自身が適正な人事評価制度において成長を見込めるような指導や評価を受けているかという判断軸があると思います。
人事評価制度は会社経営の根幹とも言える重要なものであり、自社の企業理念やそもそもどのような業種業態、サービスなのかによって、汎用的且つ納得性のあるよう構築する必要があります。
今回は一般的な人事評価制度を紹介してみたいと思いますが、今後構築を検討されている会社様におかれましては、是非参考にしてみて頂けるとありがたいです。


そもそも人事評価制度の目的

前段でも少し触れたものの、そもそも人事評価制度がなぜ必要とされるのか、については以下を考える必要があるためと考えています。


社員の成長とモチベーション維持のため
言わずもがなですが、会社を経営するにあたりヒト・モノ・カネといった経営資源は不可欠であり、ヒトがいないと会社は成り立ちません。
会社の成長にあたっては、人材を継続的に確保することが必要ですが、社員によって、より経営に近い仕事をしたい人、決まった仕事を黙々とやりたい人など指向性は様々です。そのような個々の社員の能力を最大限発揮させるためには、会社や仕事への愛着はもちろんですが、仕事に対してのモチベーション維持が不可欠です。
人事評価制度がルールとしてあることで、社員に対するフラットな評価が可能となりますし、モチベーション向上や、成長を促すことにも繋がると思います。


社員の処遇の公平性を担保するため
人事評価制度が整っていない会社の場合、「経営者が鉛筆舐めて従業員の評価や処遇を決めてしまう」といったことが無きにしも非ずです。それが必ずしも悪いわけではないですが、明確な根拠が説明されないと、社員の立場からしても疑心暗鬼に陥ってしまいます。制度自体があることによって、社員一人ひとりが公平に評価されているという安心感も得られますし、制度に基づいて決まっていることが明白であれば納得感を得ることもできます。どのような制度においても、人の判断が入ってしまうことは通例としてあるものの、明確な指標が有ると無いでは、社員側の捉え方も大きく異なると思います。


会社の経営方針に即した生産性の向上のため
会社の経営方針は人事評価制度にも関連します。会社としての方針や目標を達成するにあたって、組織や部署にどのような役割が求められるのか、そしてそれらの組織や部署の中で従業員がどのような役割を果たしていくか、が重要であるためです。
会社が同じベクトルで、行動面やスキル面において求められることを定義し、制度として運用することで、会社に適した人材を育成することができます。個々の社員の成長が、延いては会社としての生産性の向上にも繋がると思います。

必ずしもこれらが全てではありませんが、上記を根底に置きつつ、現状会社として何が課題なのか、何のために制度構築が必要なのか、をしっかりと明確化した上での議論が必要です。


一般的な人事評価制度について

上記の目的を果たすため、人事評価制度は会社によって十人十色ですが、一般的には以下のような手法で分類されることが多いです。


目標管理制度(MBO)
おそらく一番馴染み深いのが「目標管理制度」です。通称MBO(Management by Objectives)と言われています。会社組織においては、先ず会社としての目標があって、そこから各組織毎の目標がブレイクダウンしていくのが一般的だと思いますが、組織の方針を踏まえて社員自らが目標を設定することが目標管理制度の大前提となり、定めた目標に対して、どれだけ達成ができたかという基準に基づいて評価をする仕組みとなります。なお、当然ながら定めた目標は上司との間でも共有した上で、適正な目標設定ができているかを確認することが必要です。最終的にはその目標に対しての達成度で評価を行うことになるため、抽象的な内容ではなく、より具体性をもった目標の内容にする必要があります。


コンピテンシー評価制度
コンピテンシー評価とは、その会社の中で高い成果を上げて評価をされている人材の行動特性を基準に、対象者の行動特性を規範とした上で評価をする仕組みです。
コンピテンシーについては、以前の記事でもご紹介をさせて頂いた内容になるので、こちらも参考にしてください。

より具体的なロールモデルを設定することが大変ではあるものの、会社としてあるべき人物像を言語化することにも繋がるため、より効率性のある人材育成手法として注目されています。


360度評価制度
360度評価は、言葉の通り評価する対象者を360度の視点から評価するという意味合いです。つまり、上司と部下との間だけでの評価ではなく、同僚のメンバーや他部署の人など、様々な立場の人が評価をする仕組みです。ちなみに、この仕組みの中には一般的には部下が上司を評価する、といったことも含まれています。
上司と部下の関係性だけでの評価となってしまうと、どうしても相互の人間関係や感情によって評価が左右されてしまう可能性があるため、多角的な視点で評価をすることで公平な目線で客観性を持たせることができます。一方で、日ごろからコミュニケーションが活性化されていない組織においては、主観的な印象で評価が決まってしまう恐れもあるため、注意が必要です。

これらもご紹介したものが全てではなく、またそれぞれの制度をアセト・ミックスで活用する手法もあると思います。大事なのは、いかに自社にとって最適な制度を構築していくか、です。よく「人事評価制度は生き物だ」といった表現をされることがありますが、一つの制度に固執するのではなく会社としての成長フェーズや、世の中の流れ等に応じて適宜見直し検討していくことも大切です。


最後に

今回は評価制度の基本的な話を中心にさせて頂きましたが、今後は各評価制度における具体的な運営方法や構築におけるポイント、あるいは評価制度の事例等についてもご紹介していければと思います。
人事評価制度があることで、会社の成長やリテンションの防止にも繋がると思うので、これまで制度を導入していなかった会社様や、既に導入しているけど運用上の課題がある会社様など、これを機に見直すきっかけとして頂けると幸いです。なお、何事にも言えることですが、制度を作ること自体が目的になってしまわないよう、何のために必要なのかという原点回帰をしながら進められることが大切だと思います。

ということで、今回はこんなところで。

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それでは!

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執筆 WaCCaの人
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