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セルフ・キャリアドックとは?

こんにちは、「WaCCa(ワッカ)の人」です。

早いもので、3月も終わりに近づき、今週末から4月を迎えることになります。
4月は人事のお仕事柄、新卒社員の受け入れや、人事異動など慌ただしい時期の1つではありますが、そんなキャリアの転換期となりやすい季節柄ということもあり、今回はキャリアに焦点を当てて、厚労省も推奨している「セルフ・キャリアドック」について記載してみます。


今更聞けない「セルフ・キャリアドック」について

セルフ・キャリアドックとは、定期的なキャリアコンサルティングとキャリア研修などを組み合わせて行う、従業員のキャリア形成を促進・支援することを目的とした総合的な仕組みのことです。
従来の人材育成の考え方としては、各企業が自社組織にとって必要とされるマインドやスキル、知識の向上などを目的に企業主体で体系化されていくのが通例でした。
セルフ・キャリアドックは、従業員一人ひとりがより主体性を発揮し、キャリア開発を実践することを尊重するような人材育成・支援をする仕組みを目指すものになります。
IT 化の進展や国際競争の激化などにより、企業はビジネスモデルや事業内容の変革などが必要に迫られているこのご時世なので、従業員側も受け身ではなく自ら主体的にキャリアを考え構築していく必要があります。
平成28年4月1日に施行された改正職業能力開発促進法では、労働者は自ら職業生活設計(キャリアデザイン)を行い、これに即して自発的に職業能力開発に努める立場にあることが規定されています。また、企業側は、その支援をすることが努力義務とされています。


セルフ・キャリアドックの実践

前段で体系的な話をしましたが、実際の導入方法については、厚労省のガイドラインにて以下の通り定められています。

厚生労働省:「セフル・キャリアドック」導入の方針と展開

1.人材育成ビジョン・方針の明確化
大前提として、施策を進めるにあたっては経営層による明確なビジョンの提示と、コミットメントが必要となります。
企業の経営理念を実現するために、従業員に期待する人材像とそのための人材育成方針を明らかに提示すること、また繰り返し従業員に啓蒙していくことが求められます。

2.セルフ・キャリアドック実施計画の策定
3.企業内インフラの整備
人材育成ビジョン・方針に基づいてセルフ・キャリアドックをどのように進めていくか、企業側で具体的な実施計画を策定します。
一般的な実施の流れとしては、以下の流れになります。
①キャリア研修の実施
②キャリアコンサルティング面談の実施
③フォローアップ
そのため、具体的な研修コンテンツや、キャリアコンサルタントの確保も含め、必要なリソースの確保とプロセスを整備しておく必要があります。

4.セルフ・キャリアドックの実施
実践のフェーズになります。
キャリア研修は、集合形式で研修を行うことで、多くの従業員に効率的にキャリアを考えるきっかけを提供できます。それにより、自身のキャリアの棚卸しや、キャリア目標・アクションプランの作成を促すことができます。
また、キャリアコンサルティング面談は従業員とキャリアコンサルタントが一対一で面談を行うことで、個別従業員の課題を整理し、解決を支援していきます。
面談の中で、働き方で大切にしていること、企業から求められる役割や責任などを確認し、それらを基にしたキャリアビジョン・行動プランを策定していきます。
なお、個別の面談内容の結果については守秘義務があるため、従業員側も安心して面談に臨むことができます。

5.フォローアップ
組織全体で、個別従業員および組織の課題を解決していきます。
全体のキャリア意識の傾向や組織的な課題、及びその課題に対する解決策をキャリアコンサルタントから提案し、適切な改善に向けた支援を継続していきます。
1回きりで終わっては効果が得られないものなので、改善策を実行した結果を、アンケート等によって継続的に振り返りながら、実践を繰り返していくことが大切です。

具体的な実践方法を書き出すと長々とした内容になってしまうので、詳細は割愛をしますが、実際に検討をされる場合は、厚労省から出ているガイドラインを参考にすると良いと思います!


導入のメリット

セルフ・キャリアドックを導入することによって、どんなメリットがあるか?というところですが、大きく以下のような効果は得られるかと思います。

1.従業員のモチベーション向上
企業が従業員のキャリア形成の支援を積極的に行っていくことで、従業員のモチベーション向上が期待できます。
会社の制度、仕組みの中で実施することで、従業員が主体性を持って取り組みやすく、また会社からも自身が支援されていると感じられることから、日常業務へのポジティブな影響も見込めます。

2.人材確保
従業員の立場からすると、キャリア形成を積極的に支援してもらえることから、企業に対する信頼を得られることでリテンションに繋がりにくくなり、人材の定着化を図ることができます。また、会社の教育制度、福利厚生の一環として、採用時の対外的なアピールにもつながると思います。


最後に

セルフ・キャリアドックの目的は、冒頭でも記載のとおり、従業員のキャリア形成を一方的に企業側が考えるのではなく、従業員一人ひとりが自身の今後のキャリア形成を考え、どのようなアクションが必要化を主体的に考えさせることにあります。そのため、従業員側の意識改革を促すための継続した啓蒙が大切になります。
また、実施にあたっては明確なビジョンと、共有認識をもったキャリアコンサルタントを社内外で育成する必要もあります。
結局は、優秀なキャリアコンサルタント頼みか??となりがちかもしれませんが、継続しながらよりブラッシュアップした運用ができるようになれば、企業価値を高める大事な施策になり得ると思うので、導入に向けてまずは検討だけでも進めてみるのはいかがでしょうか。

ということで、本日はこんなところで。

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それでは!

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執筆 WaCCaの人
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